こんにちは、阿久津です。本誌でも既報のとおり、Surface 2/Pro 2が正式に発表されました。詳細はリンク先の記事をご覧いただくとして、現在Surface Proを使用している筆者の目にSurface Pro 2は、順当にハードウェア性能を向上させたデバイスとしか見えず、それよりもディスプレイ解像度がフルHD(1,920×1,080ピクセル)に拡大されたSurface 2に惹かれます(図01~02)。

図01 画面解像度がフルHD化したSurface 2

図02 CPUをHaswell世代に変更したSurface Pro 2

既に初代Surfaceは家人用デバイスとして筆者の手を離れていますが、想像以上にWindows OSライクな使い方ができるWindows RTは、それなりに面白いおもちゃでした。しかし、1,366×768ピクセルは何となく狭く感じていたため、Surface 2の解像度アップは素直に評価したいところです。もっとも、家人にSurfaceの感想を聞いたところ、Webブラウジングや動画視聴程度にしか使っていないので十分だとか。

Surface 2/Pro 2は、ドックポートとして機能を拡張する「Docking Station for Surface Pro」や、キーボードをワイヤレス接続する「Wireless Adapter for Typing Covers」など周辺機器を充実させています。このことからもわかるように、MicrosoftはSurface 2/Pro 2をタブレットおよびノート型コンピューターとして利用可能な2-in-1デバイスと位置付けています。

だが、既に安価なAndroidデバイスが市場を席巻していることを踏まえますと、新旧Surfaceシリーズ(初代Surfaceはエントリーモデルとして販売が続行されます)が一定のシェアを確保できるか疑問が残ります。そこで。Surface Pro 2のアドバンテージとして重要になるのがOfficeスイートなどのソフトウェア資産。どのバージョンから数えていいか悩みますが、爆発的なヒットとなったWindows 95から数えて約20年の間に生み出されたソフトウェアの数は侮れません。

Surface Pro/Pro 2はWindows 8.1を利用する上で最適なデバイスであることに間違いはありませんが、やはり優れたWindowsストアアプリを欲しているのが正直なところです。一ユーザーとしては単純に新Surfaceに興味を惹かれますが、IT系記事を書く著者としては、現時点で不明な日本国内の発売タイミングが一番の興味どころ。やはり初代モデルと同じ約半年後でしょうか。

さて、Windows 8.1のエクスプローラーはOSの仕様変更に伴い、ナビゲーションウィンドウに「SkyDrive」を加わえました。そのままSkyDrive上のファイルを参照可能にし、直接操作を行える便利な存在ですが、ユーザーによっては無用の長物に感じるかも知れません。ちなみにWindows 8.1をローカルアカウントで利用する場合や、セットアップ時にSkyDriveの利用を選択しない場合、ナビゲーションウィンドウに同項目は無効になります。

ナビゲーションウィンドウの項目を削除する方法はいくつか用意されていますが、もっとも簡単なのは各クラスIDのShellFolderに用意されている属性(Attributes)を変更するというもの。この属性には、MSDNの「Shell Instanceオブジェクトによるシェル拡張の作成」で解説されているように、SFGAO_値を格納しています。同値はファイルやフォルダーといったアイテムセットに対する属性を付加するために用意され、以前から使われてきました。

また、ナビゲーションウィンドウのSkyDriveは、HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID{8E74D236-7F35-4720-B138-1FED0B85EA75}\ShellFolderキーのDWORD値「Attributes」で「0xf080004d」というエントリが用意されていることが確認できます(図03)。

図03 ナビゲーションウィンドウの「SkyDrive」は、HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID{8E74D236-7F35-4720-B138-1FED0B85EA75}\ShellFolderキーで管理されています

この「0xf080004d」をSFGAO_値に照らし合わせますと役割を確認できますが、冗長になりますので割愛し、今週はDWORD値「Attributes」を修正して、ナビゲーションウィンドウから「SkyDrive」を取り除くチューニングをお届けしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{8E74D236-7F35-4720-B138-1FED0B85EA75}\ShellFolderキーを開きます。
3. 同キーを含むエントリの所有者を自身(もしくはAdministratorsグループ)に変更します。
4. Administratorsグループのフルコントロールを許可します。
5. DWORD値「Attributes」の値のデータを「0」に変更します。
6. レジストリエディターを終了し、Windows 8.1マシンに再サインインします。

これでチューニングが完了しました(図04~14)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID{8E74D236-7F35-4720-B138-1FED0B85EA75}\ShellFolderまで、キーをたどって開きます

図06 ShellFolderキーを右クリックし、メニューから<アクセス許可>をクリックします

図07 ShellFolderのアクセス許可ダイアログが起動したら、<詳細設定>ボタンをクリックします

図08 ShellFolderのセキュリティの詳細設定ダイアログが起動したら、<変更>をクリックします

図09 テキストボックスに自身のユーザー名を入力し、<名前の確認>ボタンをクリックします。下線が加わって正しく認識されたら、<OK>ボタンをクリックしてください

図10 続いて<サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える>→<OK>ボタンとクリックします

図11 ShellFolderのアクセス許可ダイアログに戻ったら、<Administrators>→フルコントロールの「許可」→<OK>とクリックします

図12 これでエントリの編集が可能になります。DWORD値「Attributes」をダブルクリックで開き、値のデータを「0」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図13 後は<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図14 エクスプローラーを再起動するため、スタート画面のユーザーアイコン→<サインアウト>とクリックし、Windows 8.1に再サインインしてください

早速結果を確認してみましょう。[Win]+[E]キーを押すなどしてエクスプローラーを起動しますと、ナビゲーションウィンドウから「SkyDrive」が取り除かれていることが確認できます。また、チューニング前はアドレスバーに「SkyDrive」と入力して[Enter]キーを押せば参照可能でしたが、チューニング後は関連付けがないことを示すエラーメッセージが現れました(図15~16)。

図15 これでナビゲーションウィンドウから「SkyDrive」が取り除かれました

図16 アドレスバーから「SkyDrive」と入力し、[Enter]キーを押してもエクスプローラー経由のアクセスはできません

ただし「%USERPROFILE%\SkyDrive」フォルダーは残されていますので、直接参照することは可能です。また「PC設定」のSkyDrive関連設定はそのまま利用できますので、エクスプローラーによる参照は利用しないが同期機能などは有効にしたい場合に本チューニングをお試しください。なお、元の状態に戻すにはDWORD値「Attributes」の値のデータを「0xf080004d」に戻し、Windows 8.1に再サインインします(図17)。

図17 「PC設定」によるSkyDrive関連の機能は利用可能です

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus