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Windows 10にて一定の条件を満たすことで、インストール済みアプリケーションを別ドライブに移動できる。無償アップグレード以前から用意していた機能だが、正常に動作するのはビルド10586以降だった。そこで移動可能な条件の確認と、実際の移動方法を紹介する。

インストール先ストレージを変更する

すべてが分かるWindows 10大百科」でも述べているように、Windows 10はストレージ管理を見直す一環として、新規ユニバーサルWindowsアプリのインストール先を変更できるようになった。

だが、2015年7月29日の無償アップグレード時点で該当する設定項目はグレーアウトのまま。使用可能になったのは、2015年11月にリリースしたNovember Update(TH2、バージョン1511、もしくはビルド10586)からだ。

「Win」+「I」キーを押すなどして「設定」を起動し、「システム」→「ストレージ」とクリック/タップで展開。「新しいアプリの保存先」のドロップダウンリストから保存先のストレージを選択して「適用」ボタンをクリック/タップ

すると指定したストレージに、新たなユニバーサルWindowsアプリを保存する「WindowsApps」フォルダーが作成される

上図のように「新しいアプリの保存先」でDドライブなど異なるストレージを選択すれば、新規ユニバーサルWindowsアプリのインストール先を指定できる。従来のデスクトップアプリを別ドライブに保存する場合は、セットアッププログラムの途中でたいがいは「インストール先」のダイアログが出るので、そこでインストール先を変更すればよい。

デスクトップアプリは別のストレージをフォルダーの作成先として選択する。このあたりは以前のWindowsと同じだ

移動できるアプリ、できないアプリ

気になるのは、「アプリと機能」でアプリケーションを選択した際に現れるボタンの違いだ。例えばデスクトップアプリの場合、コンポーネントの構成を変更するための「変更」ボタンと「アンインストール」ボタンが現れる。

「アプリと機能」からデスクトップアプリを選択した例。構成を変更できないアプリケーションの場合、「変更」ボタンはグレーアウトする

ユニバーサルWindowsアプリの場合、「変更」ボタンは「移動」ボタンに変更されることに気付くだろう。ここでも、「移動」ボタンがグレーアウトするユニバーサルWindowsアプリが散見される。

こちらは移動可能なユニバーサルWindowsアプリ。「移動」ボタンを使用できる

「移動」ボタンがグレーアウトし、別のストレージに移動できないユニバーサルWindowsアプリも存在する

Windows 10では、Win32ベースのデスクトップアプリ、ユニバーサルWindowsアプリ(とWindows 8.xで使用してきたWindowsストアアプリ)の2種類が使用できるが、アプリケーションの移動は以下にまとめられる。

  • デスクトップアプリは移動できない(セットアップ時に変更)
  • 標準ユニバーサルWindowsアプリは移動できない
  • サードパーティー製ユニバーサルWindowsアプリは移動できる

ユニバーサルWindowsアプリを移動する

実際に、ユニバーサルWindowsアプリを異なるストレージに移動させてみよう。操作自体は簡単で、「移動」ボタンを押すと現れるウィンドウから、移動先ドライブを選択するだけだ。

対象となるアプリケーションをクリック/タップし、「移動」ボタン→移動先のドライブ→「移動」ボタンと順にクリック/タップ

「移動しています…」というメッセージが現れる。こちらが消えれば操作完了だ

蛇足だが、実際のファイルがすべて移動する訳ではない。NTFSのリパースポイントを利用して、別ドライブにジャンクションを張る仕組みだ。Windows 10はこのような構造によって、ユニバーサルWindowsアプリの移動を可能にしている。

「%ProgramFiles%\WindowsApps」フォルダーに管理者権限でアクセスすると、移動したアプリケーションはジャンクションが張られたことを確認できる

阿久津良和(Cactus)