「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。 |
---|
Windows 10のコンテキストメニューには「デバイスキャスト」という項目が加わっている。これは決して新しい機能ではなく、Windows 7のWindows Media Playerが備えていた「リモート再生」、およびWindows 8.xのデバイスチャームに並ぶ「再生」を呼び出す機能だ。
デバイスキャストで使用するDLNAとMiracast
まずは規格の話から。AV機器やモバイル機器、PCなどのデバイス間でコンテンツを共有するための規格として、2004年に策定された「DLNA(Digital Living Network Alliance)」がある。2009年7月に完成したWindows 7は、Windows Media PlayerでDLNAをサポートしていた。
DLNAとはコンセプトが異なるが、1対1のデバイス間でディスプレイの表示内容を伝送する規格「Miracast(ミラキャスト)」も、2012年頃から頭角を現してきた。2013年10月にリリースしたWindows 8.1は、WDDM 1.3からMiracastをサポートしている。
利用については、DLNAはHTTPベースで1対複数として対応デバイスをそろえれば、汎用的に使える。Miracastは、RTP(Real-time Transport Protocol)ベースで通信路はWi-Fi Direct(無線LAN規格の1つ)という環境が必要だ。そのため、すべてのPCで使用できるわけではない。
Miracast対応PCか確認する
PCがMiracastに対応しているか、どのように確認すればいいのだろうか。MicrosoftはWindows 10に関して明言していないが、Windows 8.1の時点で「Wi-Fi DirectをサポートするWi-Fiアダプター」「WDDM 1.3対応ディスプレイアダプター」が必要と説明している。
これらを確認するには2つの方法があり、前者はPowerShell上で「Get-NetAdapter | Select Name, NdisVersion」を実行すればよい。ここでWi-FiアダプターがNDIS 6.4以上であれば条件の1つを満たしたことになる。
コマンドプロンプトが起動したら「PowerShell」と入力して「Enter」キーを押す。続いて「Get-NetAdapter | Select Name, NdisVersion」と入力して「Enter」キーを押せば、各ネットワークアダプターのNDISバージョンを確認できる |
後者を確認するには「DirectX診断ツール」を使う。「ディスプレイ」タブの「ドライバーモデル」がWDDM 1.3以上であるか確認し、さらに情報をテキストファイルに書き出せば、システムレベルでMiracastに対応しているか、どのディスプレイアダプターが問題となっているか確認できる。
ちなみに筆者の環境では、NVIDIA GeForce GTX 970(WDDM 2.0)に対して「Not Supported by Graphics driver(グラフィックアダプターがサポートしていない)」と示され、Miracastが動作しない。そこでSurface Pro 4とMicrosoft Wireless Display Adapterの組み合わせで試したところ、ようやく正常動作を確認できた。
阿久津良和(Cactus)