「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

Windows 10 バージョン1803から加わった近距離共有(Near Share)は、共有フォルダー設定などを行っていない新たなPCへ、セットアップに必要なファイルを送る際に便利だ。

無線LANとBluetoothでファイル転送

Windowsにおけるファイル共有は主にLANを介して行われてきた。だが、事前準備としてフォルダーの共有設定やアクセス権の管理、トラブルを踏まえるとネットワークに関する知識も必要だろう。だが、Windows 10 バージョン1803から搭載された「近距離共有」(Near Share)機能を使えば、Windows PC同士でファイルを手軽にやり取りできる。

近距離共有は、無線LANもしくはBluetooth 4.0 LE経由でPC間のファイルを共有する機能だ。しかし、それぞれの転送速度を踏まえると、同じLAN内に無線LANでぶら下がった方がファイル転送は快適だ。

  • 「設定」→「システム」→「共有エクスペリエンス」で「近距離共有」のスイッチをオンに切り替える

  • ドロップダウンリストでは「近くにいるすべてのユーザー」「自分のデバイスのみ」を選択できる。安全性を踏まえれば後者一択だ

ただし、近距離共有するファイルはデスクトップなど、OneDrive/OneDrive for Businessフォルダー以外の場所になければならない。OneDriveフォルダーにあるファイルのコンテキストメニューにも「共有」は現れるが、OneDrive/OneDrive for Businessの共有設定と衝突するため、あらかじめ別フォルダーに移動させるとよい。

  • 共有(送信)するファイルを右クリック/長押しし、「共有」を選択する

  • 共有先となるデバイスが現れたらクリック/タップする

  • 後は相手のデバイスが受け入れるのを待つばかりだ

受信側となるPCでは共有(受信)するための操作をうながされる。このあたりの操作は特段難しいものはないので、下図の説明をご覧いただきたい。

  • 必要に応じて「保存して開く」ボタンや「保存」ボタンをクリック/タップする

  • これで各PCではファイル転送の進捗状態が通知上で示される

  • 同じくファイル転送を終えると各PCの通知内容が更新される

なお、近距離共有は2台のPC間におけるファイル共有を想定しており、1対多数のようなファイル共有を行う場合は、従来の共有フォルダー機能を使った方が便利だ。

阿久津良和(Cactus)