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2017年9月にリリース見込みのWindows 10 Fall Creators Updateでは、Windows更新プログラムの取得と配信(P2P利用)に関する設定や可視化が可能となる見込みだ。以前は不明確だった更新プログラムの配信機能が、新機能によって可視化され、ユーザーの使用状況に応じて調整できるようになる。小さな改善だが大きな一歩だ。
「配信の最適化」に加わった2つのオプション
この原稿の執筆時点で最新となる「Windows 10 Insider Preview ビルド16237」では、更新プログラムの配信方法について興味深い改善が確認できる。下図はWindows 10 バージョン1703と、ビルド16237の「設定」から更新プログラムの配信方法を選択するページだが、いくつかの項目が新たに加わった。
まず「詳細オプション」を開くと、更新プログラムのアップロード/ダウンロードに対するネットワーク帯域使用量や、許可するアップロードの制限を設けることが可能となっている。
本来のWindowsはBITS(バックグラウンドインテリジェント転送サービス)を用いて、Windows Updateに用いる更新プログラムのダウンロードを、利用者に悪影響を与えず、ダウンロードする仕組みだった。だが、更新プログラムのデリバリーはPeer to Peer(P2P)を使っているため、BITSでは対応できないのだろう。
本機能の利用方法だが、例えばマシンパワーに余裕のあるデスクトップPCは制限を設けず、モバイル系の2in1 PCやノートPCなどは、アップロードに用いるネットワーク帯域を制限するとパフォーマンス面で有利に働くケースもある。
気になるのは、この設定が従量制課金接続時にも適用される否かだ。Microsoftは更新プログラムに配信について、「一部の重要な更新プログラムは、従量制課金接続時もダウンロードする」と説明している。テザリングやポケットWi-Fiでインターネット接続を行う場合、これらの設定が必要になる可能性もあるだろう。
「アクティビティモニター」は、P2P経由で送受信した更新プログラムの総受信料が大まかに確認するためのページだ。筆者のデスクトップPCでは大半をMicrosoftからのダウンロードに費やし、1割ほどインターネット上のPCから取得したことが分かる。
以前は不明確だった更新プログラムの配信機能だが、これらの新機能によって可視化され、ユーザーの使用状況に応じて調整可能になる。小さな改善だが大きな一歩だ。
阿久津良和(Cactus)