「俺の合コン成功黄金比は俺1:女性∞」(佐藤ポン語録より)

オフ会の最中も、写真を撮り続ける私。本能と才能は隠せない

ストックフォトグラファーたちのオフ会に参加して、私に勝るとも劣らぬ強者たちとの宴を渋谷の高層ビルにある洒落たバーで楽しんでいる私の背後に、突如美女が現れた。飽き飽きするほど私が経験してきた逆ナンパだろうか? やれやれ。そう思いつつ、突如現れた美女を舐めるように眺めていると、同席していたA氏が、「Cさん、お疲れさま~。ここに座って」と、美女を席に座らせた。今日の主役である私に何の説明もないまま、A氏は「じゃ、さっそく始めますか!」と宣言。合コンにしては、男女比がおかしい。

席に着いた美女(Cさん)は、自己紹介を始めた。このCさんはプロのモデルさんで、A氏が過去に撮影したことがあるとのこと。Cさんの挨拶が終わると、A氏は自身のカバンから書類を取り出した。書類には、「撮影計画」と書かれている。もう少しCさんを眺めていたかった私だが、仕方ないので書類を見て、A氏の説明を聞くことにした。

A氏によると、「強者 佐藤ポンを囲む会」だと思っていたこのオフ会は、近日中に行なうスタジオ撮影に関する打ち合わせを兼ねているそうだ。このとき、過去にA氏から頂いたメッセージを思い出した。A氏からPIXTA経由で届いたメッセージには「撮影のテクニックを鍛えるには、風景・物撮り・人物撮影の3つをこなすといいです。佐藤ポンさんも機会があったらいっしょに人物撮影をしましょう」と確かに書かれていた。A氏は笑顔で「どうですか?」と私を誘う。美女も笑顔で私を見ている。これは、参加するしかない。主役不在で物語は始まらないからだ。

「俺が今日買う物が、明日のトレンドだから」(佐藤ポン語録より)

A氏は持参した書類の説明を続けた。その書類には、過去に自身が撮影した写真や、売り上げの推移などが詳細に書き込まれている。このデータを元に、次回のスタジオ撮影のプランを考えるとのこと。さらにB氏も資料を取り出した。B氏はマーケティング調査が得意らしく、今後流行しそうなアイテムを調べ上げてきたのだ。

A氏とB氏は、とにかく丁寧にデータを作っている。ストックフォトを趣味で楽しんでいるというレベルではない。もちろん、両氏はカメラライフを楽しんでいるのだが、売るための努力も怠りない。やはり彼らは私のライバルに相応しい逸材だ。

「俺が黙ると、景気が悪くなるよ」(佐藤ポン語録より)

A氏とB氏の資料を基に、スタジオ撮影のプランが練られる。A氏が「~~を撮りたい」と言うと、モデルのCさんは「それなら衣装は~~がいいですね」と、モデルの立場から意見を述べる。こうやってスタジオ撮影は計画されていくのだ。私以外の3人は、あれこれとアイデアを出し合っている。私はスタジオ撮影未経験なので、あえて発言を控えた。私は「これおいしいですね」、「ビールおかわりしますか?」などの的確な発言で場を盛り上げた。

こうしてオフ会は終了した。終了間際、A氏は私に対して、「撮影のためにコンタクトシートを作ってください」と言った。「コンタクトシート」とは何か? アカシックレコード並みの知識を持つ私でも、知らない言葉だ。私は「わかりました。コンタクトシートですね」と平然と答えたのだが……。

次回、コンタクトシートの正体を知り、その作成に挑む!