来週、米国でなにやらイベントが催されるとの噂ですが、月末売り雑誌の校了間際というのは気のせいでしょうか……。はて? どこからか悲鳴が聞こえてきました……。
さて、今回は「テザリング」について。OS Xとは直接関係のない機能だが、MacユーザにおけるiPhone所有率の高さとiPhone 5の動向を見ると、テザリングに対する需要は高いはず。現在のところau版iPhone 5限定だが、Macをクライアントにしたときを例に基本的な使い方を解説しよう。
テザリングの使い方
いろいろなWebサイトや雑誌で既報と思うが、念のためiPhone 5でテザリングするときの手順を紹介しておこう。Softbank版iPhone 5のテザリングサービスは12月15日開始予定のため、現状では試すことができないが、手順自体はau版とほとんど変わらないはずだ。
まず、Macなどクライアントとするデバイスとの接続経路を決定する。手軽さでいえばWi-Fiだろうが、経験上安定した通信速度を発揮するのはUSB-Lightningケーブル(以下、USB)だ。Wi-Fiの場合、SSIDがなかなか表示されないなどイライラする場面もあるが、つなぐだけでOKなUSBのほうが確実。Bluetoothも選択可能だが、LTE接続時の転送速度を考えると、Macの場合はニーズが低いと考えられる。テザリング中に充電できるメリットもあることから、筆者はもっぱらUSBで接続している。
iPhone 5側の操作は、『設定』→「インターネット共有」の順に画面を開き、「インターネット共有」スイッチをオンにすればOK。Wi-Fiで接続する場合はパスワード(8文字以上)を設定しておくこと。LTEサービス圏内にいる場合は、『設定』→「一般」→「モバイルデータ通信」の順に開き、「LTEをオンにする」をオンにしておくことを忘れずに。
Macなどクライアント側の準備は、Wi-Fiの場合はシステム環境設定の「ネットワーク」ペインで行う。メニューバーにWi-Fiの状況を表示している場合は、そちらから設定を開始してもいいだろう。SSIDを選択してパスワードを入力する、という手順は一般的なWi-Fiアクセスポイントと同様だ。
なお、接続経路はそれぞれ独立しているため、Wi-Fi経由で接続しているときにUSBでつなぐと、接続台数は2台に増える。テザリングの同時接続は最大5台までであり、パケットをムダに送受信することを避けるためにも、不要な接続はこまめに切ったほうがいいだろう。
通信制限を受けないために
au版iPhone 5のテザリングは、LTE/3G回線両方に対応する。いわずもがな、下り最大75MbpsのLTEのほうが3Gより高速であり、LTEサービスエリア内であればLTEで接続するにこしたことはない。
注意すべきは、その高速性ゆえに"使い過ぎて"しまうことだ。料金プランに「LTEフラット」を選択している場合、ひと月の通信量が7GBを超えた場合、その月末まで通信速度が送受信時最大128kbpsに制限される。この制限は3GとLTEの合算だが、高速なLTEのほうが使い過ぎてしまう可能性は高い。これは「エクストラオプション」(2,625円/2GB)に加入することである程度回避できるが、通信量の累計は気にしておいたほうがいい。
さらに、過利用に対する制限もある。通信量が3日で1GBを超えた場合、終日規制(周囲の基地局が混雑しているとき)が適用されるのだ。エクストラオプション加入者も対象に含まれるため、大容量のファイルを立て続けにダウンロードするなど湯水のごとくパケットを消費すると、あとで不便を感じることになる。
この「7GB/月と1GB/3日」という上限に触れないためには、現在のところ人力に頼るしかない。OS Xの場合、アクティビティモニタの「ネットワーク」タブでデータ量を測る手があるが、MB単位でないため使用量がわかりにくい欠点があるため、iPhone 5側で測ることが上策だ。
その手順は、『設定』→「一般」→「使用状況」→「モバイルデータ通信の使用状況」の順に画面を開き、「モバイルデータ通信の利用データ量」と「テザリングデータ」を確認すればOK。それぞれの送信・受信の両項目を足した数値が、「7GB/月と1GB/3日」にカウントされるデータ量の累計だ。そのすぐ下には「統計情報のリセット」ボタンがあるので、月初にタップするなりまとまった時間テザリングする直前にタップするなりして活用しよう。