最近、次々とThunderbolt対応デバイスが発売されていますが、目移りしますね。価格がこなれてきましたから、これから一気に普及するかもしれません。でも、ケーブル価格は高止まりしているような……。
さて、今回は「AirPlay」について。iOSでは一足先に充実していたこのワイヤレス配信機能、もちろんOS Xでサポートされることにも意味がある。ここではMountai Lionにおける新機能と、その活用方法に迫ってみたい。
AirPlayとの新たな出会い
音声/映像をストリーミング配信する「AirPlay」。元々は音声ストリーミング機能であり、iTunesの音をAirMac Expressにロスレス音声で送信するようにしたもので、名称も「AirTunes」とされていた。その後Apple TVに映像ともども送信できるよう拡張され(サードパーティー製品へは音声のみ送信可能)、以降「AirPlay」と呼ばれるようになった。
OS Xの場合、これまでAirPlayはiTunesやQuickTime Playerなど対応ソフトからしか映像/音声を送信できなかった。一方iOSでは、AirPlayの送信機能はサードパーティーにも開放されており、いろいろなアプリからApple TVなどAirPlay対応機へストリーミングできる。画面の様子をほぼリアルタイムに送信する「AirPlayミラーリング」も、iOSが先行して実装した。
Mountain Lionでは、AirPlay対応がようやくiOSレベルに引き上げられた。AirPlayミラーリングがサポートされ、OS Xのデスクトップを第2世代以降のApple TVに送信できるようになったのだ。フルHDの解像度(1,920×1,080ピクセル)に対応するのは第3世代Apple TVのみという制約はあるが、KeynoteやPowerPointの画面をワイヤレスで表示することに魅力を感じる層は多いに違いない。iOSデバイスとは異なり、ゲームに利用されそうにはないが、いわゆる"プレゼン"には役立ちそうだ。
あの音源もAirPlayで聴ける!
筆者としては、システムレベルでサウンドをAirPlay出力可能になった点に注目している。通信可能な範囲にApple TVなどAirPlay対応機があれば、システム環境設定の「サウンド」ペインで出力先に指定できるようになったのだ。早い話が、iTunes以外のサウンドプレイヤーの音もAirPlay経由で聴けるようになったわけで、iTunesがサポートしないFLACやWMAなどの音源もワイヤレスで楽しめる。
ただし、この機能はハイレゾならぬ"ミドルレゾ"音源向けだ。「Audio MIDI設定」でAirPlayのフォーマットを確認したところ、サンプリングレートは44.1kHzで固定され、2ch/16bitという仕様も変更できない。これはAirPlay(のオーディオストリーム部分)の仕様そのもので、音楽CDからリッピングした音源は得失なく送信できるが、96kHz/24bitのようなハイレゾ音源はダウンサンプリングされて出力されることになる。
Mountain Lionの音をAndroidで聴く
そのように、幅広いユーザ層に利便性を感じさせるとは言い難いMountain LionのAirPlayサポートだが、活用範囲が広がったことは確かだ。特に、システムレベルでAirPlay対応デバイスを送信先に選択できる機能がいい。ビジュアル的にはAirPlayミラーリングが映えるとしても、プレゼン以外には便利そうな場面を思いつかない筆者としては、AirPlay対応のAVアンプやスピーカーにいろいろな音を送信できるほうが歓迎だ。
Apple以外の製品に目を向ければ、これまで難しかった使い方も見えてくる。たとえば、AirPlayの受信機能(AirPlayサーバ)を備えたAndroidアプリ「AirBubble」を使えば、OS Xの音をそのままAndroid端末へ送信できる。ゲームの効果音やGarageBandなどDTMソフトの音、Kyokoさんの声までもがAndroid端末で聴けるようになるのだ。どれほど需要があるかは別として(ひょっとしてプレゼン以下?)、いろいろな端末がMacのスピーカーになりうるという点は、新しい可能性を感じさせてくれるのだが。
- AirBubble のアプリ情報ページ (Google play)