「Lhaplus」(ラプラス)は定番の圧縮・解凍ソフト。デスクトップに作られる解凍用アイコンに圧縮ファイルをドラッグ & ドロップするだけで解凍できる簡単操作と、かゆいところに手が届く柔軟なカスタマイズ性能が特長。外部ファイルなしで22種類もの圧縮形式の解凍に対応する

初心者が初めて使うオンラインソフトといえばやはり、今回紹介する「Lhaplus」を代表とする圧縮・解凍ソフトでしょう。オンラインソフトの多くが圧縮された状態で配布されていますから、まずはこれを解凍して元に戻すソフトが必要になります。

この圧縮とは、データの表現方法を工夫することで、データサイズを小さくする手法です。たとえば、「AAAA」という4文字のデータを「A4」と表現すれば、2文字の節約になります。このような処理を複雑に組み合わせて、サイズを小さくしていきます。また、複数のファイルを1つにまとめることができるので、管理がしやすくなるのも特長です。

圧縮ファイルには、圧縮方法の違いによってさまざまな種類が存在しています。特に有名なのがZIP形式とLZH形式で、ZIPは海外を中心に、LZHは国内を中心に利用されてきました。各形式のファイルを解凍するにはそれぞれの形式に対応したソフトが必要になりますが、Windows XP以降「圧縮フォルダ」機能が搭載され、標準でZIP形式の圧縮・解凍が可能になっています。

名称 Lhaplus
バージョン 1.53
作者 Schezo
種別 フリーソフト
動作環境 Windows 95 / 98 / Me NT4 / 2000 / XP / Vista

簡単操作と豊富な対応形式が特長の定番ソフト

今回紹介する「Lhaplus」は、雑誌の付録CD-ROMに収録ソフトの解凍用として収録されることがあるほどの定番ソフトです。

圧縮ファイルを単に解凍するだけなら、さきほど紹介した圧縮フォルダでも十分ですが、たとえば圧縮ファイルの中身を1度に解凍したい場合に、何回もマウスをクリックしたり複数ファイルの選択が必要になるなど、やや操作が面倒です。その点「Lhaplus」なら、デスクトップに作成された解凍用アイコンに圧縮ファイルをドラッグ & ドロップするだけで、デスクトップ上にファイルを自動解凍できます。

「Lhaplus」は解凍用に加えて、圧縮用のアイコンもデスクトップに作成可能だ。圧縮したいファイルをドラッグ & ドロップするだけで、簡単に圧縮できる

また、圧縮フォルダ機能がZIPやCABといった限られた形式にしか対応していないのに対して、本ソフトはZIPやLZHをはじめ、CAB、RAR、TARなど、合計22種類もの形式に対応しているので、本ソフトさえ入れておけばあまり見たことのない圧縮ファイルでもさっと解凍できてしまいます。

このほかにも「Lhaplus」には、圧縮・解凍を快適に行うための便利な機能がいろいろと用意されています。以下、簡単に紹介していきましょう。

圧縮作業もドラッグ&ドロップで一発

インストール時に圧縮用アイコンを作成するか指定できるほか、“詳細設定”の“関連付け/シェル”タブからも作成が可能。画面はインストール時のものだ

デスクトップ上の解凍用アイコンに圧縮ファイルをドラッグ & ドロップするだけで解凍できるソフトは「Lhaplus」以外にもありますが、本ソフトではさらに、圧縮用のアイコンをデスクトップに作成できます。

解凍の場合と同様に、圧縮したいファイルやフォルダをアイコンにドラッグ & ドロップするだけで、自動的に圧縮済みファイルがデスクトップ上に作成されるので、初心者でも簡単に利用できます。

また、たとえばメールに添付するファイルを圧縮したい時、ドラッグ & ドロップを2回繰り返すだけで、圧縮から添付までスムーズに作業ができて便利です。

右クリックで圧縮・解凍場所を選択できる

「Lhaplus」では、圧縮・解凍したいファイルを右クリックすることで、“ここに解凍”や“出力先を指定して解凍”といった機能を利用して、圧縮・解凍される場所を自由に指定できます。

このほかにも、圧縮・解凍したいファイルをマウスの右ボタンを使ってドラッグすれば、ドラッグ先のフォルダに直接、圧縮・解凍できるので、圧縮・解凍後にデスクトップから目的のフォルダにコピーする手間が省けます。

デスクトップアイコン以外にも、右クリックメニューや、マウスの右ボタンを使ったドラッグ & ドロップで表示されるメニューから圧縮・解凍することもできる。圧縮・解凍先を指定することも可能だ

パスワード付きZIPファイルや自己解凍書庫も作成可能

通常の圧縮ファイルに加え、パスワード付きZIP圧縮や自己解凍書庫の作成も行える

「Lhaplus」では、普通に圧縮する以外に、パスワード付きのZIPファイルや自己解凍形式の圧縮ファイル(自己解凍書庫)を作成することも可能です。パスワード付きで圧縮した場合、解凍時にパスワードの入力が必要になるので、他人に見られたくない情報を保護できます。

もう1つの自己解凍書庫は、「解凍プログラム付きの圧縮ファイル」のこと。ファイルサイズが若干大きくなりますが、解凍ソフトなしで解凍できるので、ファイルを渡したい相手が解凍ソフトを使っているか分からない時などに、便利な機能です。

アーカイブ変換機能で圧縮形式を一発変換

ZIP形式からLZH形式など、異なる圧縮形式への変換機能も用意されているので、形式変換時に一度解凍してから再度圧縮する手間を省くことが可能だ

ZIP形式からLZH形式へといったように、圧縮ファイルを別の圧縮形式に変換する場合、通常はいったん解凍してから異なる形式で再び圧縮するという手順が必要です。しかし、本ソフトの“アーカイブ変換”を利用すれば、変換したいファイルを選んで変換したい形式を指定するだけで圧縮形式を変換できるので、2度手間を省くことが可能です。

かゆいところに手が届く充実したカスタマイズ機能

ここまで見てきたように、「Lhaplus」は、初心者にも使いやすい簡単操作が特徴ですが、同時に使う人間の好みに合わせで細かなカスタマイズが可能な、かゆいところに手の届くソフトでもあります。

たとえば、圧縮ファイルの中に、圧縮ファイル名と同じ名前のフォルダが含まれている場合、解凍する際圧縮ファイル名のフォルダの中にさらに同じ名前のフォルダが作成されてしまいます。しかし本ソフトの場合、設定画面に[二重にフォルダを作成しない]という項目が用意されており、こうした現象を防げます。

また、設定画面には初心者にも使いやすい“簡易設定”と高度な設定が行える“詳細設定”の2種類のモードが用意されており、分かりやすさと高度なカスタマイズ機能を両立させているのも見逃せないポイントでしょう。このように「Lhaplus」は、初心者からベテランユーザーまで広くお勧めできる、懐の広いソフトになっています。

「Lhaplus」は簡単操作に加え、利用スタイルに合わせた柔軟なカスタマイズが行えるのも魅力。設定画面では、初心者にも扱いやすい“簡易設定”と高度な設定が行える“詳細設定”の切り替えに対応する