• 新春CESの開幕講演はパナソニック、CES 2025で「理想の社会」実現へ何を語る?

    来年のCESの開幕基調講演、パナソニックが12年ぶりにつとめることになった

2025年1月7日~10日に、米ネバダ州ラスベガスで開催されるCES 2025の開催概要について、来日した全米民生技術協会(CTA=Consumer Technology Association)のキンジー・ファブリツィオ会長が説明。そのなかで、CES2025のオープニングキーノートに、パナソニック ホールディングスの楠見雄規グループCEOが登壇することが発表された。

楠見グループCEOは、2025年1月7日午前8時30分(現地時間)から、ラスベガスのザ ベネチアンリゾートラスベガスのパラッツォボールルームで講演を行う。

楠見グループCEOは、「パナソニックグループとCTAの長年のパートナーシップが実現できているのは、テクノロジーの可能性を信じ、テクノロジーによって、お客様や社会、そして地球環境へのお役立ちを果たすことの重要性に共感しているからである。主催者と出展者という関係だけでなく、最新のイノベーションを活用し、世界的な課題を解決するという強い思いに基づいた関係によって築かれている。CESは、世界中の人々が集まり、最先端のテクノロジーを体感し、インスピレーションを得ることができる展示会であり、業界で最も重要な展示会のひとつである。その展示会において、オープニングキーノートを行うことは、米国市場とコミュニケーションを取る機会になるだけでなく、パナソニックグループが目指すところを、世界中の人々と共有する機会でもある。また、世界中のフィードバックにも大きな期待をしている」と述べた。

  • パナソニック ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 グループCEOの楠見雄規氏

パナソニックグループは、1967年にニューヨークで開催した第1回CESに出展して以来、57年間に渡り、毎年出展しているという。また、パナソニックグループの経営トップが基調講演に登壇するのは、2013年の津賀一宏社長(当時、現会長)以来、12年ぶりとなる。2004年には大坪文雄AVCネットワーク社社長(当時)、2008年に坂本俊弘AVCネットワークス社社長(当時)も登壇しており、歴代では4人目となる。

今回のオープニングキーノートでは、「WELL into the Future」をキーメッセージとし、人々の健康や快適で安全な暮らしだけでなく、社会の持続可能性を高めるための革新的なテクノロジーに焦点を当て、パナソニックグループがめざす未来とその実現に向けた最前線の取り組みや考え方を紹介することになる。

楠見グループCEOは、「Well into the Futureというテーマには、理想の社会に向け、パナソニックグループが、様々な分野で挑戦を続けるパートナーと、よりよい未来に向けた新たな変革のうねりを起こしていく思いを込めている。喫緊の課題である地球環境問題の解決に向けたアクションを含めたあらゆる事業活動によって、明るく豊かな未来の実現に貢献していくことを約束する」と述べた。

パナソニックグループでは、精神的な安定と、物資の無尽蔵な供給が相まって、初めて人生の幸福が安定する「物と心が共に豊かな理想の社会」を実現することを使命としている。

オープニングキーノートにおいても、そうした観点からのパナソニックグループの姿勢が強調されそうだ。また、AIを活用した新たな取り組みなどについても発言がありそうだ。

CESは、世界最大級のテクノロジー見本市で、毎年1月に開催。世界中から最新のテクノロジーが集まり、フォーチュン500をはじめとした世界の名だたる大企業のほか、ユニークな技術を持った数多くのスタートアップ企業も出展する。昨今では自動車産業からの出展が目立っている。

2024年2月にCTAの会長に就いたキンジー・ファブリツィオ氏は、「CESは、世界で最も強力なテクノロジーイベントであり、世界中のイノベーションリーダーが集まり、テクノロジーの未来が生まれ、世界の課題に対処することができる場所である。パートナーシップを構築し、雇用を創出し、世界的な成長も促進する」と発言。「日本の企業は、CESにおいて、重要なプレーヤーであり、豊かなイノベーションの歴史を生かし、画期的な進歩を推進する役割を担っている。日本の企業は、最先端技術の研究開発に強くフォーカスしており、業界を超えたコラボレーションを促進する文化を持ち、イノヘーションの要となっている」と位置づけた。

  • 全米民生技術協会(CTA)のキンジー・ファブリツィオ会長

前回のCES 2024では、日本から6000人以上が来場。107社の日本企業が出展し、48社のスタートアップ企業が参加。203人の日本のメディアが取材したという。なお、米国以外からの参加は5万1000人に達したという。

そして、「2025年1月に開催するCES 2025は、私たちの未来を定義するものになる。テクノロジーの役割と、人のつながりを進化させるものになる。テーマは、『DIVE IN』であり、テクノロジーのあらゆる分野に飛び込み、イノベータと直接話をすることができる機会が生まれる。数万人の参加者がすでに登録しており、すべての期待を上回るものになる」と語った。

モビリティ、セキュリティ、AI、デジタルヘルス、エンタープライズ、エンタテイメンメント、スマートホーム、サステナビリティ、スマートシティ、量子技術、エネルギーなどの分野において、数々のイノベーションが展示されるという。

パナソニックグループの楠見グループCEOのオープニングキーノートに関しては、「パナソニックグループは、過去のCESにおいて、VHSレコーダーやデジタルビデオなど、新たな基準を作り上げてきた歴史がある。いまでは、自動車、エネルギー、エンターテイメントといった業界を超えたグローバルトレンドを推進している先駆者である。テクノロジーを活用し、生活を改善し、イノベーションへの揺るぎないコミットメントを持つ企業である。仕事や生活を再定義するゲームチェンジャーとしての役割を果たす究極の発射台となる」と期待を寄せた。

  • CES 2025のテーマは「DIVE IN」。テクノロジーの役割と、人のつながりを進化させるものになるという

今回のパナソニックグループの楠見グループCEOのオープニングキーノートは、CTAからの依頼によって実現したものだという。

CTAのファブリツィオ会長は、「多くの企業がB2CおよびB2Bの領域でビジネスをしている。パナソニックグループはそれらの分野において革新的な取り組みを行っている。長年に渡るパートナーシップもあり、ビジョンを共有している。それらの点に期待をしている」と述べた。