1月25日に、東芝ライテックから、「ミニクリプトン形3.4W」というLED電球が発表されています。ミニクリプトン球は、E17口金に対応した小型の電球ですが、このミニクリプトン形3.4Wは、これの置き換えをねらった製品です。
ミニクリプトン球の置き換えをねらった製品は、電球形蛍光灯にもありますが、例えば、同社で発売している電球形蛍光灯「ネオボールZ EFA10EL/8-E17-S」のサイズは、全長81mm×直径45mm。それに対してミニクリプトン球は、全長67mm×直径35mmと、サイズ的に、それはちょっとミニクリプトン球とはいえないのでは、というものになっています(それでも現時点での業界最小サイズです)。それに対して、LED電球のミニクリプトン形3.4Wは、全長72mm×直径43mm。かなりミニクリプトン球のサイズに近づいてきています。
写真を見ていただければわかると思いますが、左からミニクリプトン球、ミニクリプトン形3.4W、電球形蛍光灯です(写真の電球形蛍光灯は、ネオボールZ EFA10EL/8-E17-Sの1モデル前のものなので、ネオボールZ EFA10EL/8-E17-Sに比べると、さらに一回り大きい)。このサイズならば、今まで取りつけにくかった器具にも使用できそうです。また、ミニクリプトン形3.4Wは全光束は290lm(昼白色タイプ。電球色タイプは220lm)とミニクリプトン電球の25Wタイプ相当ですが、直下の明るさは60Wタイプに匹敵するということなので、明るさを必要とする場所でも使用できそうです。
というわけで、実際にダウンライトに取りつけてみました。ソケットが上にあるタイプのダウンライトの場合、電球形蛍光灯でも問題なく取りつけられます。もちろん、ミニクリプトン形3.4Wも、まったく問題ありません。問題になるのが、側面にソケットのあるタイプのダウンライトです。これに電球形蛍光灯を取り付けようとすると、無理やり付ければなんとかなりはしますが、若干干渉してしまいます。こういった場合でもミニクリプトン形3.4Wの場合、とくに問題なく取り付けることが可能でした。ただし、形状を見ればわかるように、ミニクリプトン形3.4Wは、前方にしか光を出しません。そのため、全体が光るミニクリプトン球を前提にした器具では、その器具で想定されているような配光にはならないケースが出てきます(このケースではソケット側は暗い)。
さて、E17口金に対応した電球はミニクリプトン球だけではありません。ミニクリプトン球と並んでポピュラーなのが、ミニレフ球です。ミニレフ球は、電球内部に反射材が塗布してあって、光を前面にのみ出すようになってる電球です。ミニクリプトン形3.4Wも光を前面にのみ出すランプなので、ミニクリプトン球よりも、ミニレフ球の置き換えにマッチするのではないでしょうか。写真が、ミニレフ球とミニクリプトン形3.4Wとのサイズ比較です。左がミニレフ球の40Wタイプで、右がミニクリプトン形3.4Wです。サイズ的にはかなり近いといえるでしょう。
ミニレフ球は、小型のスポットライトなどによく使用されています。ミニレフ球の代わりにミニクリプトン形3.4Wを取り付けてみたのが、次の写真です。ミニレフ球を取り付けた場合と比べても、あまり違和感は感じません。このスポットライトに、E17ソケットに対応した電球形蛍光灯を取り付けると、次の写真のようになります。もはやスポットライトではありません。
ただし、ミニクリプトン形3.4Wは、ミニレフ球に比べて重量があるので(ミニクリプトン形3.4Wの質量は60g。同社の40Wタイプのミニレフ球は14g。また、電球形蛍光灯のEFA10EL/8-E17-Sの質量は37gで、ミニクリプトン形3.4Wよりも軽い)、写真のようなクリップのみで固定する小型のスポットライトでは、不安がないわけではありません。
いくつかの器具にミニクリプトン形3.4Wを取り付けてみましたが、重量さえ問題にならない場所ならば、電球形蛍光灯よりも、おもにサイズ面で、うまく適合するようです。また、ミニレフ球の置き換えとしても、マッチします。あとは価格がもう少しこなれてきてくれれば、いうことないのですが。