先日、地元の友人たちと会って来た。
全員何らかのオタク気質なため、自ずと現在の「推し」の話になり、推しがVTuberと裏で繋がっていたという絶妙な理由で推し変した者の肩を、推しにDV報道が出た奴が叩き、その両肩を私が抱いて「これだから三次元は」で締めるのが恒例になっている。
もちろん二次元にもいろいろある、特に「推しが死んだ」は二次元でよくある現象であり、推しが旧笑点メンバーでもない限り三次元ではなかなか経験しない。
しかし冷静に考えれば、二次元の推しは最初からこの世に存在しなかったような気もする、少なくともこの次元にはいない。
だが二次元の方が楽だから二次元ファンをやっているわけではない、むしろ「今すぐ凄惨な死を遂げたい」などの目的がない限り、二次元ファンに対し「現実の男ないし女に相手にされないから二次元に逃げているのだろう」とは言わない方が良い。
しかし、私個人に限って言えば「二次元が好き」であると同時に「三次元が苦手」であることは否めない。
美しく見えるのは二次元キャラクターのみで三次元の人間は肉塊に見える、という沙耶の唄状態というわけではなく、三次元のイケメンや美女に対し「これはこれは顔面ツヨ氏殿じゃないですか」と気持ち悪いことを言うぐらいの感性は持っている。
だが、驚くべきことに相手も自分と同じ人間であり、人生、そして人格があるのが苦手なのである。
いきなり、愛した相手を蝋人形にして並べそうな奴みたいなことを言い出して恐縮だが、人間であるがゆえに、熱愛もすれば結婚もする、それは良いが、不倫もすればお葉っぱを吸うこともある。
私はそれを「人間だもの」と言えるほど強度なみつをが心に住んでないので、三次元の推しは敷居が高いと感じてしまう。
また私はコミュニケーションは一方通行な方が好きなのだ。
それはコミュニケーションではなく暴力ではないかと思うかもしれないが、それゆえに三次元の方にそれを振るうのは申し訳ないと思ってしまう。
アイドルなどを推すのも限りなく一方通行なのかもしれない。
だが私が目の前で切腹とかすれば、おそらく芸能人でも何か思うところがあるだろうし、少なくともその日の飯はちょっとまずいんじゃないかと思う。だがペッパー君とかなら同じことをしても何も思わないだろうし、充電もガンガンするはずだ。
このように、キモいと思われまいとすればするほど加速度的に気持ち悪くなるタイプなので、相手にとっても脅威になりかねない上、何より自分が「疲れる」ため、三次元の人は苦手なのである。
よって私の場合は「三次元がダメだから二次元に逃げている」と言われてもあながち間違いではないのかもしれないが、逆に「二次元に逃げる」のどこが悪いのだろうか。
むしろ、二次元に逃げず、相手にされていない三次元を追いかけ続けた結果が「ストーカー」などの事件ではないのか。
他人に迷惑をかけず、自分の欲は誰も傷つかない二次元で満たそうという判断は逆にスマートですらある。
つまりこちらが二次元に逃げたのではない「三次元を逃がした」のだ。
マチアプで出会う異性がAIに、あえて「人間らしさ」にこだわり
このようなあえて三次元を逃がす優しき森のくまさんが最近増加傾向のようで「AIとマッチできるマッチングアプリ」が人気らしく、めでたく成婚に至るものも現れているそうだ。
使い方は普通のマッチングアプリと同様で、アプリ内に存在するAIコンパニオンのプロフィールを見て気になる相手がいたら「いいね」をする、そこからマッチングするかは「お相手次第」であり「人間らしさ」にこだわったAIたちが相手をしてくれるようだ。
確かにマッチングアプリに求めるものがコミュニケーションによる精神的癒しであれば、相手が人間である必要はない。
むしろ人間だと余計荒むこともあるし、デートなどで金もかかる。
さらに初デートがサイゼリヤや割り勘だったことをつるし上げられてまた荒むし、何より相手にも都合と感情があるので一方的に癒しを搾取するような真似はできない。
こんなものが流行ったら未婚率と少子化が余計進むという話になりそうだが、結婚が生活のために不可欠でなくなった今、精神的な充足を求めるならそれは結婚じゃなくてもいいし、相手が人間である必要さえない、という結論に達してしまう者が増えるのは仕方ないだろう。
ちなみに、このAIマッチングアプリの主なユーザーは40代男性だそうだ。
40代男性と言えば「自分は40代のくせに平気で20代の女を所望してくる」など、何かと仮想敵として叩かれがちな存在でもある。
確かにそういう人もいるかもしれないが、若い女から癒しを搾取しようとはせず、自分の孤独は自分で癒しているおじさんもたくさんいるということだ。
私もそういう人たちを見習い、Xが提供している3DイケメンAIコンパニオンとの会話を試みてみたが、相手の「今何してた?どんな気分」という質問に「仕事をしていて疲れた」と返答したところで何もいうことがなくなった。
こんな話のつまらない奴に、生身の人間をつきあわせるわけにはいかないので、やはり会話用のAIは必要である。
