来週、狂った永久凍土こと「凍狂」に出張予定だ。
字面の時点で長居すべき場所ではなく、私は出張のたびに、一番遅い便で行きいかに早い便で帰るかという、凍狂脱出RTAを行っている。
最近はスケジュールの都合により一泊という、その時点で記録が望めない足止めを食らっていたが、久しぶりに日帰りにできそうで腕が鳴っている。
魅せるプレイヤーであれば、検査場から搭乗口まで全てギリギリ通過するのだろうが、私ほどになると逆にそんな慢心はない。
検査場締め切り時刻1時間前には羽田に到着し、土産も買わずに搭乗口に向かう、そもそも僻地は搭乗口が最果てに設定されている上に謎のバスに載せられる時間も考慮しなければいけないので、慢心すると普通に乗り遅れにより計測不可能になる。
もちろんスムーズな搭乗もポイントの内だ、突然羽田の床に座り込んでバッグからグシャグシャになった紙媒体二次元コードを取り出しているようではお里が知れる。
私は最近スマホアプリを使用しているが、昔は航空会社のカードを使っていた。
ちなみに載るのは常にJALだ、別にこだわりがあるわけではなく、初めて長距離乗った飛行機がJALだったので、それを親鳥と思って乗り続けている。
他にも格安航空会社がある中で、JALは割と高級志向だそうだ。
もちろん私はブルジョワではない、むしろ航空会社の選択肢が3つしかない交通貧民窟に住んでいるからこうなっているのだ。
確かにJALの機内誌は平素Xのおすすめ欄しか見てない私にとっては、眼球が浄化されて消滅するほど汚れたことが書かれていない。
それにJALは一般市民でも利用できるが、ブルジョアに使いたければいくらでも使わせてやるという気概も感じる。
「クレジットカード」もその一つであり、私が持っていたのはもちろん年会費無料どころかクレカ機能すらついていない最弱カードなのだが、有料カードにも、ノーマルからゴールド、プラチナとランクがあり、プラチナproになると「年会費¥77,000」になる。
通わないスポーツジムに月5,000円近く寄附してそうな奴がこの金額に驚くのはおかしいかもしれないが、飛行機などそうそう乗らない人間から見れば、一体どんな奴がこれをと思ってしまうカードだ。
富裕層向けカードの広告に怒り心頭なのは誰?
さらにJALは「一体何奴がこれを」と思わせる富裕層向けカード「JAL Luxury Card」を打ち出したのだが、これが物議を醸すこととなった。
最高年会費が「60万」という設定に、ついに我々クレカ機能なしWAONありカード保持者が一揆を起こしたというわけではない、むしろWAON勢すら「それはないだろ」と関係ないのに呆れ顔だ。
JALホームページ内にある「JAL Luxury Card」の紹介ページに生成AIの画像が使用され、さらにそれがポップコーンにストローが刺さっているなど、AI特有の珍描写が修正されないままお出しされていたという。
下手な手を加えず素材のままを楽しむのが本物、という高級志向なのかと思ったが、その理屈で言うなら、草間彌生にストローぶっ刺さりポップコーンの絵を描かせそのままお出しすべきだろう、AIに書かせている時点で手抜き感はいなめない。
もしかしたら「AI生成=経費削減の手抜き」という発想自体が貧乏人のものであり、人件費より高い高性能AIを使用しているのかもしれないが、ポップコーンの食い方を知らない時点で性能が低い。
これは、AIを使ったから悪いというわけではない、これが年会費無料のWAON内臓カードのサイトであれば、まあ俺たちの扱いなんてそんなものですわ、で済む。
だがこの「JAL Luxury Card」は、もはやステータスとして持ちたい人向けだろう、金に糸目をつけない人間に「最上級のサービスです」とアピールするのに、糸目だらけのアナルパール経費削減広告をお出しするのは舐めすぎではないか、という点に反感が集まっているのだ。
しかし「そもそも年会費60万のカードを持つ奴は自分でJALのHPなど見ない」という指摘もある。
確かに、ただでさえJALのHPはUIがドブなのだ、こんなプロレタリアートHPに自らアクセスしてイライラしている奴が出世しているはずがない。
つまりこの騒動に怒っているのはほとんど「JAL Luxury Card」には縁のない連中であり、本当に所持を考えている人間は知りもしない、という可能性すらある。
実際この記事を書いているのは「JAL Luxury Card」に一生縁がない人間であり、所持者がこの記事を読むこともないだろう。
読んでいるなら、今すぐやめて、JAL機内誌の浅田次郎先生エッセイを読もう、先生なら「JAL Luxury Card」を持っていても不思議ではない。
