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第2部 経営戦略 - 3.工程管理の技法

重要度 >>> ★★★★★

PERT図に関連する出題が確実視されます。クリティカルパスの発見がその典型例として考えられますが、他にも、作業日程表とそれに基づくPERT図との対応関係について理解を求める問題も予想されます。

合格への攻略ポイント

■アローダイアグラムによる工程管理

作業工程における目標管理の技法には様々な種類がありますが、本試験で最も重要な技法はアローダイアグラム(Arrow Diagram、PERT図)です。これはプロジェクトの日程計画の作成に利用される図で、要員の配置や作業工程上の問題点の発見などに活用されます。基本的な表記法は以下の3種類の記号を使い、プロジェクトに要する作業日程と名称を矢印の付近に記載して丸印で接続しながら別の作業との流れを表現します。また結合点には作業を行う順に番号を記入します。

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上の例では、全体の作業を行うために3つの作業経路が必要となることが読み取れます。つまり「作業A→作業B→作業D→作業F」、「作業A→作業C→作業F」、「作業A→作業E→作業F」の3経路というわけです。ちなみに点線の矢印であるダミー作業は図中にあるとおり、工程間において、ある工程の着手に先行して終了させておかなくてはならない作業を明らかにする役割を果たしますが、その必要がない場合には記載しません。

また、PERT図の出題ではクリティカルパス(Critical Pass)を発見させる問題が頻出です。クリティカルパスとは作業工程に時間的な余裕がない経路、つまり作業に要する日数の合計が最も長くなる経路(これを本試験では「全余裕が0の作業の系列」ともいいます)のことです。つまり最も時間のかかる作業経路が終了するということは、それに必要な日数がそのままプロジェクト全体の所要日数となるために、工程管理の上ではこれを非常に重要視します。このクリティカルパスは、作業開始から作業終了に至る全ての経路のそれぞれの所要日数の合計を比較することで発見できます。

上図のPERT図の場合、仮に作業に必要な日程が日数単位だとすれば、以下のように(1)の経路がクリティカルパスであり、その開始から完了までに20日間を要すると読み取れます。

工程順序 所要日数
(1) 作業A→作業B→作業D→作業F 3+7+5+5=20
(2) 作業A→作業C→作業F 3+10+5=18
(3) 作業A→作業E→作業F 3+8+5=16

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本試験出題例

あるプロジェクトの作業が図のとおりに遂行されるとき、プロジェクト全体が終了するまでには最短で何日が必要か。

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【初級シスアド 平成17秋期 問36】

解答と解説

問題文にある「プロジェクト全体が終了するまでには最短で何日が必要」という箇所はクリティカルパスのことを意味している。よって、以下のように各工程の作業順序を明らかにして経路を特定し、それぞれの所要日数を合計すれば、(2)の経路が最も多い31日を要することからクリティカルパスであると分かる。

正解