メールも立派なデジタル情報です。これまでこの連載では、ブックマークやウェブクリップにまつわる話ばかりしてきましたが、メールの扱いで困っていたり、あきらめている人は結構いるようです。そこで今回は、メールの整理を考えます。

受信トレイが溢れかえる、フォルダ分けが面倒、振り分け機能が使いこなせない、ラベリングする意味がなくなっているのにラベルはたくさん残っているなど、人によって問題はいくつか考えられますが、いずれもデジタルならではの問題です。

アナログでしたら、受け取り口が溢れかえることはまずないですし、振り分けは自分でしなければなりません。また、ラベル付けもできません。つまり、デジタルは機能が豊富で便利だからこそ、その機能をうまく使いたいという欲が高じて、うまくいかなくなる――そんなこともあるのです。

デジタル機能をあまり苦労せず使いこなしたいと思うときに、私が心がけるのは次の点です。

  • アナログでは不可能な機能を、1つだけ選んで使い倒す

このことを念頭に置きながら、メールサービスをストレスなく使うためのライフハックスについて、考えてみましょう。

ライフハックス ラベルでは名前とごくわずかな属性を管理する

まず、メールはWeb上で管理するのが理想的です。メールの一元化が可能になるからです。私の考えは、一元化というものは絶対に必要とは言えません。しかし、無理なく実現可能であれば好ましい、というものです。

Webメーラーには色々ありますが、やはりGmailを推薦します。理由は、ラベリング(タグ付け)ができるからです。しかもGmailのラベル機能は、とても優れています。

もし、Webメーラーを使わないのでしたら、メールソフトにはThunderbird2.0か、Outlook2003以上を選びます。やはり、タグ分類機能が基本的に用意されているからです。

ただし、タグ分類機能さえあれば、分類がうまくいくというものではありません。タグ分類にはコツがあります。一言で言うと、「タグ付けに期待しすぎないこと」。これがコツです。

期待しすぎないということの意味は、タグを2種類しか用意しないと言うことです。メールでは、2種類のタグを用意するとうまくいきます。

  • 名前
  • ごく少数の属性

以上です。基本的にタグには差出人の「名前」をつけます。これで、携帯メールでも新しいメールアドレスでも、同一人物を一元的に管理できます。頭文字だけでもひらがなを加えておけば、アイウエオ順にも並びます。

Gmailのラベル

それでは、フォルダに「個人名」を入れるのとまったく変わらないのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、全然違います。メールを受信トレイに残したまま「名前タグ」で分類できるのが、最大の違いなのです。

「フォルダ」はそこに入れる箱ですが、「ラベル」はメールにつけるモノ。実際Gmailでメールにラベルをつけても受信トレイから動きません。しかしフォルダ分けメーラーですと、分類したメールは、受信トレイからは消えてなくなります。

処理する前に目の前から消えたメールは、処理することを忘れてしまいます。Gmailであれば、少なくともラベル付けするまでは、受信トレイから「アーカイブ」しないようにすることで、どのメールが「未処理」なのか一目でわかります。

ごく少数の「属性」。[ファンメール]は楽しいメール。多くは[控え]。

可能であれば、「前日までに到着したメール」は、「返信」するなり「ラベル付け」するなりして「処理」します。後々返信するかチェックしたければ、「☆」を付けましょう(Outlookならフラグ)。最後に、「アーカイブ」します。

そうして、なるべく受信トレイのメールは減らします。よく言われているとおり、この

「受信トレイ処理」を行うための時間
「☆印の付いたメールをチェックする」時間

の2セットだけは、スケジュールして確保しておきましょう。

「受信トレイを空にする」ことを「目指す」

よく[受信トレイを空にしましょう]という指南があります。確かにいつも空になっていればそれが理想的でしょうが、IT関係で仕事をしている人の受信トレイは、強引なことをしない限り、そうそう空にはならないはずです。

受信トレイは空になることを目指していればよいのだと思います。とにかく、100通以上もが常在しているようでは、新規メールしか見たくなくなってしまいます。この状態は好ましくありません。数を減らせば、下に残っている大事なメールに目がいきます。

むしろ、新規メールには目が行かないようにした方が、自分の仕事をコントロールできます。「今日来たメールは、翌日処理」というサイクルを徹底すれば、メールで急な仕事をすぐやるように依頼されるという、かなり理不尽な問題に対応せずに済みます(それで済まない相手からのメールだけは、当日処理という「例外規則」で対応します)。