スマートフォンだけで楽しめる全方向映像「Google Spotlight Stories」

写真や動画を見ていて、画面の外が気になったことはないだろうか? さっきのアクションシーンでぶつかりそうになっていた車はどうなっただろうか、さっきちらりと見えた庭の洗濯物は雨が降ってきたのにどうしただろうかなど、メインではない場面が気になっても、そちらを見ることはできないのが当たり前だった。

しかし、そうしたメインではない部分を見られるようにしているコンテンツもある。360度というより全方向、横にぐるりと一周できるだけでなく地面も空も見られる映像コンテンツを、スマートフォン1つで楽しめるのが「Google Spotlight Stories」だ。

Android向けにもiPhone向けにもアプリは用意されているが、今回はAndroid向けアプリの画面で紹介しよう。必要なのはジャイロセンサーなどを内蔵したスマートフォンのみだ。アプリを起動すると「見つける」という画面が表示されるが、これは左右にスライドさせてコンテンツを選べる場所だ。気になるタイトル画面を見つけたらタップして詳細を確認しよう。

「見つける」ではコンテンツのタイトル画面が見られる

横にスライドしていろいろなコンテンツを探そう

タイトルやあらすじの下にはコンテンツサイズが表示されている。どれも数百MB単位のコンテンツになるため、ぜひWi-Fi環境で利用してもらいたい。右下に「ダウンロード」というボタンがあるが、いきなりタイトル近くの再生ボタンを押してもストリーミングで利用できる。今回は全方向ぶりがわかりやすい「HELP」で使い勝手を紹介しよう。

あらすじ等を確認して必要なら「ダウンロード」をタップ。再生ボタンでストリーミング再生もできる

まず大切なのは利用姿勢だ。必ずしも目の高さでなくともよいが、地面に対して垂直に画面を立てた状態での視聴が基本姿勢になる。ここからスマートフォンを上下左右に動かすと、表示される映像も連動して動いてしまうから、無理のない姿勢を決めておこう。再生開始直後に出てくるタイトルがきちんと見える角度に調整するとよい。

作品によってはぼんやりと眺める環境作品のようなものもあるが、「HELP」の場合は積極的に画面を動かしてほしい。もしタイトルを見た状態のまま、正面垂直に固定した状態で動画を見ていると、しばらくは何か悲鳴などが聞こえたり、街が荒れたりしている様子はなんとなくわかるものの、何が起こっているのか判別できない状態だ。これが画面を動かすと、モンスターが現れたり、人が逃げ惑っていたり、銃を構えて戦おうとする警官がいたりといった様子がわかるようになる。

また、再生し続けるのではなく一時停止を頻繁に挟んで見るのもお勧めだ。例えば、あるシーンで警官が一般人女性をかばいながら銃を構える様子が見える。ここで一時停止して振り向くと、電車の窓などが破壊されていてモンスターが迫っている様子が見てとれる。再生を開始して迫り来るモンスターが見えたところで再度、一時停止して振り向けば、今度は驚いて逃げようとしている人の姿が見えるという具合だ。

再生中に一時停止して警官が銃を構えている様子をチェック

振り向くと、つぎつぎ壊されて行く電車の中にモンスターが出現する

さらに振り向くと、警官たちが驚いているのがわかる

床や天井、壁といった部分もすべて見えるから、モンスターとの戦いをよそにアメリカの地下鉄はこんな作りなのか、と眺めたりするのも面白い。1つの映像作品を何度も繰り返し楽しめそうなつくりだ。

人の動きと全く関係のない背景もじっくり見られるのが面白い

なお、画面は縦構えでも横構えでもよい。再生中に変更することも可能だ。またコンテンツをあらかじめダウンロードした場合、最初の「見つける」の画面で左上に表示されていたメニューボタンをタップすると表示されるメニューから「マイストーリー」を選択すると、ダウンロード済みコンテンツが表示されるようになる。外出先で楽しみたい時にはここから利用しよう。

スマートフォンの向きは縦のままでも横にしてもよい

再生中に縦横の切り替えは可能だ

没入感を楽しむなら「Cardboard」にチャレンジ

「Google Spotlight Stories」のコンテンツは、一部で再生中の画面にマスクのようなものが表示される。これをタップすると、同じ映像を2つに分けたVR用表示に変化する。これを楽しむために必要なアプリが「Cardboard」だ。詳細はGoogleのサイトで確認してほしいが、サイトのトップページではボール紙の箱を目に押し当てたような不思議な女性の姿が見られる。

ゴーグルボタンをタップすると2眼用のVR表示に切り替わる

箱を目に当てているような「Cardboard」

「Cardboard」はレンズが仕込まれたボックスに手持ちのスマートフォンをセットしてVRを楽しむためのツールだ。既製品も数ドルから用意されているが、日本からでは購入しづらいものが多い。そこでチャレンジしたいのが自作だ。ボール紙のほか、輪ゴムやマグネット着脱テープ、レンズといった材料で自作するための仕様書も公開されている。

市販品も数ドルからと格安で購入可能だ

身近な材料だけで自作もできる

子どもと一緒に工作を楽しもうと言いたいところだが、2眼タイプのVRゴーグルは子どもの目の成長にとってよくないと言われている。もし小学生の子どもと楽しみたいのならば、1眼タイプのゴーグルで遊んでほしい。1眼タイプで似たようなスマートフォンをセットして利用できるものとしては「ハコスコ」がある。

お手頃VRゴーグルを入手した後は「Google Spotlight Stories」のコンテンツのほか、Youtubeの「360度チャンネル」なども利用してみよう。Cardbordで楽しめるゲームや映像を簡単に知るには「Cardvord」アプリを利用すると便利だ。

「Cardvord」アプリからは、Youtubeの360度チャンネル利用、関連する利用可能な各種アプリの入手がしやすい

「Google Spotlight Stories」Android
「Google Spotlight Stories」iPhone