8月24日、ヤマダ電機は『鉄拳7』のeスポーツイベント「YAMADA Cup eSports大会」の決勝トーナメントをLABI1 LIFE SELECT高崎で開催。北海道予選を勝ち抜いた韓国のプレイヤーRangchu選手が優勝しました。
YAMADA Cupは、関西をはじめ、九州、関東(前半の部 / 後半の部)、東北、北海道、中部の各地のヤマダ電機店舗にて予選を実施した『鉄拳7』の全国大会。さらに、決勝大会の当日も最後の1枠を争う予選が行われ、勝ち残った合計8人による決勝トーナメントが行われました。総額200万円分のギフト商品券が用意されており、IPホルダー以外が開催する大会としては、かなり高額な賞品といえるでしょう。
予選を通過したのは、いずれも有名なプレイヤー。今回の大会では、対戦格闘ゲームのトーナメントでお馴染みのダブルエリミネーション方式が採用されました。一度負けるとルーザーズサイトと呼ばれるトーナメントに移行し、そこで負けると敗退。つまり、1度までであれば負けることができるトーナメント戦です。
優勝したRangchu選手は、現在主流とは言えないレアキャラ「パンダ」を使用。相手のミスを逃さない的確な試合運びと正確な操作で、並み居る強敵を打ち破り、一度も負けることなく優勝を果たしました。また、表彰式のあとは、『鉄拳7』の「日韓最強チーム決定戦」と「第2回 YAMADA Cup eSports大会」の開催が発表されました。
eスポーツ大会は販促だけが目的ではない?
今回、家電量販店であるヤマダ電機がeスポーツイベントを開催したことについて、ヤマダ電機 営業商品戦略室 広告プロモーション室長 池田岳一氏に話を聞いてきました。
家電量販店がeスポーツイベントを開催する理由を考えると、PCやコンシューマー機、ゲームソフトなどの販促が目的と思いそうですが、実はそれだけではないとのことです。
「ヤマダ電機は全国に展開しています。その店舗網を利用して、人と人の接点を作りたいと考えていました。ある種の社会貢献ですね。その解として、地方のプレイヤー同士が交流できるeスポーツが最適だったわけです。その考えに共感してくれた企業が多数あり、eスポーツ大会を開催できました」(池田氏)
初めての大会としては、想像以上に手応えを感じていると池田氏は話します。
即座にビジネスに直結するものではないと思いますが、eスポーツを盛り上げるきっかけとして、家電量販店のeスポーツ大会は非常に効果的だといえるでしょう。決勝大会が高崎で行われたのも、ヤマダ電機本社のお膝元ということだけでなく、全国に展開している家電量販店だからこそできる地方活性化として、eスポーツを活用する実例を示しているのではないでしょうか。
ただし、社会貢献というと「採算度外視」のイメージもついてきますが、それでは長く続けることができません。そのため、ゲームメーカーとスポンサー、ヤマダ電機、そしてプレイヤー、オーディエンスのユーザーたちにも、eスポーツ大会を開催することで、プラスに働くようにしていく必要があるとも、池田氏は語っていました。
eスポーツ大会を開催するには、イベントを開催するための会場が必要です。また、メーカーの許諾や、機材の用意なども行わなければなりません。家電量販店であれば、十分な広さのスペースがあるうえに、ゲームメーカーや周辺機器メーカーとのつながりもあります。今大会のノウハウを活かすことで、ヤマダ電機がそれらのメーカーとイベントを主催したい人とのパイプとして機能することも考えられるでしょう。
また、ヤマダ電機としても、「全国の店舗で定期的にeスポーツイベントが開催されている」というイメージが定着すれば、既存の買い物客に加え、eスポーツファンなどの新規顧客を確保できる可能性があるわけです。
先述した通り、ヤマダ電機は今後もeスポーツイベントの開催を予定しております。今回使用した『鉄拳7』以外のタイトルも検討中とのことでした。eスポーツがより身近になる1つの手段として、ヤマダ電機の今後のeスポーツ活動を見守っていきたいと思います。