3月20日に、対戦格闘ゲーム『Virtua Fighter esports(VFes)』の公式大会「VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON_0【2nd】」の決勝トーナメントが行われました。

22歳以下のみが参加できるU22部門と、制限のないFREE部門の2部門で開催。U22部門は2月27日にオンライン予選を行い、2名が決勝進出を決めました。FREE部門は1月23日に1次予選、2月27日にプレイオフをオンラインで行い、16名が決勝トーナメントに進出します。

  • VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON_0【2nd】の決勝が行われました

2021年10月に開催した「CHALLENGE CUP SEASON_0」では、U22ではなく19歳以下のU19でしたが、今回より22歳以下に引き上げられています。FREE部門は、決勝トーナメントで準優勝以上の成績を残すと、JeSU公認のプロライセンスを取得する権利を獲得できます。前回大会の時点では『VFes』がJeSUのプロライセンス認定タイトルではなかったので、今大会で『VFes』初のプロライセンス保持者が決定します。

試合ルールは、1ラウンド45秒3ラウンド先取のBO5(3勝勝ち抜け)。1試合目のみエントリー時のメインキャラクターを使用し、試合を落とした選手のみ、キャラクターを変更できます。ステージはすべてランダム選択です。

かつての「バーチャファイター」シリーズの競技シーンでは、選手名を“地名+キャラクター名”にするほど、同じキャラクターを使いこなしている人が多いイメージでしたが、最近は複数キャラクターを使うマルチプレイヤーも散見されます。

マルチプレイヤーは、相手のキャラクターの相性によって使用キャラクターの使い分けができますが、今大会においては一度負けないとキャラクター変更ができないので、どのキャラクターをメインキャラクターとして登録するかも重要です。

また、『VFes』では、ステージの広さ、壁の有無、壁の破壊の有無、壁の高さ、1面のみ壁ありなどの条件が異なるさまざまな種類のステージがあり、キャラクターによっては向き不向きがあるので、ステージ選択が勝敗を大きく左右します。キャラクターの種類とステージの種類の組み合わせで有利不利が出る対戦格闘ゲームでは、負けた選手がステージ選択権を得ることが多いのですが、今大会は、毎試合ランダムとなるため、運の要素もあるでしょう。

U22部門では、プロライセンスの取得権利がありませんが、優勝者はゲーム内称号「スタープレイヤー」とトロフィーが授与されます。試合は、予選を勝ち抜いたやそかみ選手と滅リュウJacky選手が対戦。やそかみ選手はFREE部門でも決勝トーナメントに残っており、ともすればFREE部門とU22部門の両方での優勝もあり得る状況です。

火力とキャラクター相性的にジャッキー有利と見られていましたが、やそかみ選手が3連勝で優勝を決めました。

  • U22部門ではやそかみ選手が優勝しました

FREE部門は、オフライン最強と呼び声の高い、前回大会準優勝のとんちゃん選手や、オンライン最強の前回大会優勝者のハート様選手をはじめ、『VFes』最初の公式大会となるプレシーズンマッチで準優勝し、前回大会では3位タイと、すでに大会上位常連の気配漂うバルゴのジャン選手、『バーチャファイター2』から活躍しているレジェンドプレイヤーのホームステイアキラ選手、先日開催されたアーケード全国大会「闘神祭2021」で優勝したちびたろう選手など、新旧の強豪が勢ぞろいです。どこを見ても優勝候補しかいない異常事態と言えるでしょう。

  • FREE部門のトーナメント表

FREE部門の試合ルールも基本的にはU22部門と同じ。初戦のみBO3、準決勝・決勝はBO5です。トーナメントはシングルエリミネーション方式なので、1度負けると即敗退。それだけにトーナメントの組み合わせが重要です。

決勝戦に進んだのは、カメレオン選手とちびたろう選手。カメレオン選手は、U22部門で優勝したやそかみ選手や、晶使いのたね選手を撃破したあと、前回大会準優勝のとんちゃん選手との準決勝を制しました。

カメレオン選手ととんちゃん選手は大会前日まで対戦していたそうですが、とんちゃん選手が大きく勝ち越していたそうです。

その際とんちゃん選手は、ジャッキーを使うと3~4試合に1回ほどカメレオン選手に負けるものの、晶を使うとほぼ負けなしだったと言います。そのため、決勝トーナメントでは、1勝1敗で迎えた3戦目に、とんちゃん選手がキャラクターを晶にチェンジ。前日の結果通り、晶を使ったとんちゃん選手が2勝目を獲得し、勝ち抜けにリーチをかけます。

しかし、ここからカメレオン選手が操るパイの最大ダメージ投げ、通称「女優投げ」がことごとく決まり、カメレオン選手が逆転勝利を収めました。

  • 女優投げを決めまくるカメレオン選手

  • 前大会準優勝のとんちゃん選手を倒し、決勝進出を決めたカメレオン選手

ちびたろう選手は、今回の大会でもっともキツいと言われるトーナメント表右下組。バルゴのジャン選手、ハート様選手と『VFes』の強豪2人を撃破し、準決勝ではちょっぱぁ~選手を倒しきりました。ハート様選手戦では1勝1敗からパイにキャラクターチェンジしたことが功を奏した印象です。

  • 決勝にコマを進めたちびたろう選手

決勝に進出した時点で、2人はプロライセンス取得の権利を手に入れました。あとはどちらが優勝してゲーム内称号『スタープレイヤー』を獲得するかに注目が集まります。

カメレオン選手は、メインキャラクターがパイ。一方のちびたろう選手は、メインキャラクターをジェフリーで登録していますが、「キャラ愛はパイに傾いている」と話すパイ使いでもあります。

ルール上、ちびたろう選手は最初にジェフリーを出す必要がありましたが、1試合目を敗北すると即座にパイにチェンジ。パイミラーでの対戦となりました。

パイ同士の対戦は大会ではあまり見ない組み合わせということもあり、ちびたろう選手が1敗した時点でパイミラーの対戦をすることは、事前に話していたそうです。今大会の最大の目玉はプロライセンスの取得にあったので、決勝戦はお互いに試合を楽しむことを重視したのでしょう。

  • 公式の決勝戦では珍しい組み合わせとなったパイミラー

  • 優勝し、感無量のカメレオン選手

「バーチャファイター」シリーズは、ゲームセンターでのオフライン対戦がメインでしたが、『VFes』からはオンライン対戦がメイン。その状況でオフライン大会となった今大会は、オンラインとは違う操作感覚やキャラクターの動きに対する視認性の違いなどがあり、それらにいち早く対応した選手が活躍できた印象です。

大会終了後は大会ロードマップも発表されました。2022年度からは、CHALLENGE CUPが本格始動するSEASON_1を開催。3大会予定しており、それぞれ2名のプロライセンス取得の権利を獲得できる大会となっています。2023年の3月にはプロ選手8名による賞金制のプロ大会も開催する予定です。

  • 2022年度は、準備段階のSEASON_0から本格始動のSEASON_1に移行します

  • 『鉄拳7』とのコラボも発表。カズヤの衣装を纏った晶と平八の衣装を纏ったラウの姿が発表されました

現状ではプロライセンス保持者の権限は賞金付きプロ大会への参加権となっていますが、せっかくプロライセンス制度を活用していくのであれば、今後もプロ選手が活躍できる場を増やしてほしいところです。