11月5日に「パワプロ・プロスピ公式チャンネル」にて、「eBASEBALLプロスピAリーグ」関東5球団代表選手と北海道日本ハムファイターズ代表選手を決定する「球団代表決定戦」本戦の様子が配信されました。代表決定戦自体は10月30日、31日に東京ドームシティ内の「スポドリ!」で行われています。今回は10月31日に行われた代表決定戦本戦を取材しました。

  • eBASEBALL

    球団代表決定戦本戦はオフラインで開催され、後日配信されました

「eBASEBALLプロスピAリーグ」は、2018年から開催されているNPB(日本野球機構)とコナミデジタルエンタテインメントが共催するプロ野球eスポーツリーグ「eBASEBALL」の一環として開催されます。2020年までは『パワフルプロ野球』が競技タイトルとして使用されていましたが、2021年はスマートフォンアプリ『プロ野球スピリッツA(プロスピA)』が採用されました。

9月6日に行われたオンライン予選を勝ち抜いた選手12名が、オンライン面接を経て8名に絞られ、そのうち今回の球団代表決定戦本戦の上位3名が球団代表選手に選ばれます。

なお、10月16日に広島東洋カープと東北楽天ゴールデンイーグルス、10月30日に中日ドラゴンズ、10月31日に福岡ソフトバンクホークスと阪神タイガース、オリックス・バファローズの球団代表決定戦が、それぞれ配信されています。

今回は、関東5球団である千葉ロッテマリーンズ、埼玉西武ライオンズ、読売ジャイアンツ、横浜DeNAベイスターズ、東京ヤクルトスワローズに加え、北海道日本ハムファイターズの球団代表決定戦。2020年までのeBASEBALLでは、オンライン予選、面接を経て、各球団が有望選手を指名するドラフト制度を採用していました。今回はオンライン予選の段階で入団希望の球団を選び、球団ごとに代表選手を争うようになっています。これは同じKONAMIが開催しているeJリーグと同じ方式です。

eJリーグと同じルールは、もう1つあります。それはe日本シリーズ優勝や各リーグでの優勝賞金がプレイヤーである代表選手に渡るのではなく、優勝した球団に贈られること。たとえば、2019年のeJリーグでに優勝した清水エスパルスは、賞金をアカデミー活動に充てています。

セ・パ両リーグの各球団は『eBASEBALLプロスピAリーグ』の公式サイトにて、賞金を獲得した際に実施する企画の概要を掲載。eスポーツの大会ではありますが、結果が球団自体のファン企画へ直結しているので、ゲームをプレイしないプロ野球ファンも応援を欠かせない状態にあるわけです。もちろん、選手には、試合出場ともなう報酬や個人タイトル、チームタイトルに対する報酬が用意されています。

なお、『パワフルプロ野球』はオンライン予選の参加者が約8,000人でしたが、今回の『プロスピA』は29万人だったそう。『プロスピA』人気とスマホアプリの手軽さが見てとれます。

球団代表決定戦本戦のレギュレーションは、3イニング制で制限時間は20分。運営が用意した球団ごとのオーダーを使用します。イニング終了時で5点差がついた場合はコールドゲームとなり、8点差ついた場合はイニング終了を待たず強制リタイア。変則的なダブルエリミネーション方式で、1度負けた選手は3位決定戦のルーザーズトーナメントに移行します。ここで勝ち残ると3位が確定。2位選手はルーザーズに落ちることはなく、そのまま順位が確定します。

『パワフルプロ野球』の場合、1、2回目のドラフト会議では、すべての選手がプロ入り確定しており、あとは指名でどの球団に入団するかが焦点でした。3回目のドラフト会議はドラフト候補が指名選手枠よりも多く、指名されずに終わる選手もいましたが、どちらもいわば“待ちの緊張感”です。

一方で今回の『プロスピA』の場合は、最終決戦となるトーナメントの勝敗で代表選手になれるかが決まります。つまり、“挑戦する緊張感”があり、『パワフルプロ野球』のドラフトとは違った選手の面持ちがうかがえました。

特に3位決定戦は、勝てば代表選手、負ければ落選となる、まさに“人生を賭けた大一番”。その緊張感たるや、尋常なものではないでしょう。

  • eBASEBALL

    29万人の応募から選出された各球団のトップ8が集結しています

31日は東京ヤクルトスワローズ、横浜DeNAベイスターズ、読売ジャイアンツの3球団の代表選手選出が行われ、午前中にベスト4までが選出されました。決勝に進んだ2名は代表選手確定ですが、順位確定戦が行われます。

東京ヤクルトスワローズは、決勝に進んだ亀山龍之輔選手と吉原一石選手が代表を掴み取ります。3位決定戦では、谷村尚幸選手が萩野孝太郎選手を破り代表選手枠を獲得しました。

横浜DeNAベイスターズは、決勝に進んだ岡田和畝選手と上杉勇人選手が代表となり、残りのひと枠を金田啓吾選手と梅野峻平選手が争い、金田選手がみごと代表入りを果たしました。

読売ジャイアンツは、決勝に進んだ石垣祐登選手と井出聖也選手が代表入りを確定させます。濱井一希選手と石垣智成選手の3位決定戦の結果、濱井一希選手が代表に決まりました。惜しくも敗れ去った石垣智成選手は、代表を決めた石垣祐登選手の兄で、残念ながら兄弟での読売ジャイアンツ入りは果たせませんでした。

  • eBASEBALL

    東京ヤクルトスワローズのトーナメントで優勝した亀山龍之輔選手

  • eBASEBALL

    横浜DeNAベイスターズのトーナメントで優勝した岡田和畝選手

  • eBASEBALL

    読売ジャイアンツのトーナメントで優勝した石垣祐登選手

今回の代表決定戦本戦が終了したことで、12球団すべての代表選手が確定しました。eBASEBALLプロスピAリーグは、セ・リーグが12月4日、パ・リーグが12月5日に開幕戦が行われます。

交流戦は行われず、それぞれのリーグの全チームと1回ずつ総当たりとなるリーグ戦を行います。2022年1月15日にはセ・リーグの、1月16日にはパ・リーグのeクライマックスシリーズが行われ、1月22日にはe日本シリーズが開催されます。

  • eBASEBALL

    12球団の代表選手一覧

  • eBASEBALL

    東京ヤクルトスワローズの代表選手となった吉原一石選手(写真左)、亀山龍之輔選手(写真中)、谷村尚幸選手(写真右)

  • eBASEBALL

    横浜DeNAベイスターズの代表選手となった上杉勇人選手(写真左)、岡田和畝選手(写真中)、金田啓吾選手(写真右)

  • eBASEBALL

    読売ジャイアンツの代表選手となった井出聖也選手(写真左)、石垣祐登選手(写真中)、濱井一希選手(写真右)

ちなみに、各球団のプロスピAリーグの監督は、読売ジャイアンツが岡島秀樹監督、阪神タイガースが桧山進次郎監督、中日ドラゴンズが吉見一起監督、横浜DeNAベイスターズは多村仁志監督、広島東洋カープは石原慶幸監督、東京ヤクルトスワローズは真中満監督、福岡ソフトバンクホークスは新垣渚監督、千葉ロッテマリーンズは里崎智也監督、埼玉西武ライオンズは高橋朋己監督、東北楽天ゴールデンイーグルスは聖澤諒監督、北海道日本ハムファイターズは岩本勉監督、オリックス・バファローズは乾絵美監督が務めます。

  • eBASEBALL

    球団代表決定戦本戦の様子を観ていた多村監督と、真中満監督の代理で訪れていた川崎憲次郎氏、岡島秀樹監督。それぞれのチームのチアリーダーも応援に駆けつけました

プロ野球の日本シリーズが終了すると、しばらくストーブリーグとなりますが、1週間後にはeBASEBALLが開幕します。息つく暇もなく、熱い応援を繰り広げられるようになり、楽しみな日々が続くでしょう。ぜひ、プロ野球と変わらぬ声援をeBASEBALLにも贈ってほしいところです。