6月23日、オリンピックチャンネルにて「オリンピックバーチャルシリーズ 野球競技 決勝大会」が配信されました。

オリンピックバーチャルシリーズは、国際オリンピック委員会(IOC)が各国際競技連盟と初めて主催するバーチャルスポーツ大会です。野球競技は『eBaseballパワフルプロ野球2020』を使用。「ホームランダービー」と「ベースボールトーナメント」の2競技を実施します。

ちなみに、オリンピックバーチャルシリーズは、自動車競技(グランツーリスモSPORT)、自転車競技(Zwift)、セーリング(Virtual Regatta、Virtual Regatta SAS)、ボート競技(World Rowing)の5種目が行われる予定です。

「ホームランダービー」と「ベースボールトーナメント」の2競技を実施した野球競技

「オリンピックバーチャルシリーズ 野球競技」は、日本、韓国、チャイニーズタイペイに在住し、『eBaseballパワフルプロ野球2020』を所有していれば、誰でも参加可能です。ホームランダービーは、Nintendo Switch版『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』のパワアリーナモード「飛ばせ ホームランくん!」を使用。参加ランキング上位8名が決勝大会へ進出します。

決勝大会では、決勝進出者8名が4人ずつの2グループに分かれ、上位2名が決勝戦へ進出。試合は、4人ごとに順番に打席に立ち、全15球でどれだけのポイントを稼げるかを競います。ポイントは飛距離によるポイント、連続ホームランのボーナスポイント、最大飛距離のボーナスポイント、合計飛距離のボーナスポイント、有効安打数のボーナスポイントの合計によって決まります。

ファールボールを打ってしまうとマイナスポイント。5球目まではピッチャーはど真ん中に投げてきますが、6球目以降は、ランダムで多少真ん中から外れたボールを投げてきます。ボールへの対応力の高さがカギになるでしょう。

  • ホームランダービーの様子

  • ホームラン単体では7,000~9,000点台のポイントを獲得できます。連続ホームランのポイントは4,000~5,000点なので、とにかく連続でホームランを打つことがポイントアップの秘訣

ベースボールトーナメントでは、PlayStation 4版『eBaseballパワフルプロ野球2020』に搭載されているモード「チャンピオンシップ」を使用しました。「オリンピックバーチャルシリーズ開幕記念大会」に参加したランキング上位11名が決勝大会に進出します。

使用チームは日本、韓国、チャイニーズタイペイ、アメリカ、メキシコ、キューバ、プエルトリコ、カナダ、オーストラリア、オランダ、イスラエルの11の国と地域で、予選開始時にランダムで決定されます。各チームの選手は架空の選手。実際の代表とは異なります。

各チームは多少の戦力差があるものの、大きな差が出るほどではありません。どちらかというと、チームの特色を見極め、チーム力に見合った戦い方を見いだした選手が有利になる感じです。予選は5イニング制で延長なし。

決勝大会に進出した11名は、再度使用チームの抽選が行われました。試合は3イニング制の延長あり。延長の4イニング目からはタイブレーク制となり、ノーアウトランナー1・2塁の状態から開始されます。延長は最大5イニングまで。5イニング終了時で決着が付かなかった場合は、ヒット数が多いチームの勝利となります。

  • ベースボールトーナメントの様子

出場者は実力者ぞろい。多くのプロゲーマーが活躍

ホームランダービーは、pome選手が予選1位の実力を発揮し、見事に優勝。グループA、グループB、決勝の3試合で20万点超えは3回しかありませんでしたが、そのうちの2回をpome選手が記録しました。決勝では15本すべてをホームランにするパーフェクトを決め、246,851点という脅威の記録をたたき出します。

pome選手は、パワプロ2020プロテストのオンライン予選23位で最終選考まで残っており、『パワプロ』の腕前も確かなプレイヤーです。最終選考時に使用ハードをNintendo SwitchからPlayStation 4に切り替えたため、実力を発揮できずに選考から漏れてしまったと話します。今回のホームランダービーの優勝をひっさげ、次回行われるパワプロのプロテストの注目株となりそうです。

「決勝に残った選手は、いずれもすごい選手だったので、そのなかで勝てたのはうれしいですね。バーチャルとはいえ、オリンピックに関われたのもうれしく思います。決勝のパーフェクトは最後の1球だけ意識しました。あとは、毎回積み重ねって感じでプレイしていました」とpome選手は試合を振り返りました。

  • pome選手は、決勝戦の大舞台でパーフェクトを決め、246,851ポイントをたたき出しました

  • 優勝者インタビューにこたえるpome選手

ほかにも決勝大会進出者はタレントぞろい。福岡ソフトバンクホークス和田毅投手登場曲をはじめ、さまざまな楽曲を作曲するシンガーソングライターのチャピオ選手、唯一の女性でVTuberとしても活動する緩音ヒグ選手、全国都道府県対抗eスポーツ選手権 kagosimaの代表選手だったざわちん選手なども出場していました。

  • pome選手以外では唯一の20万点台を出したチャピオ選手

  • 唯一決勝大会に進出した女性プレイヤーの緩音ヒグ選手

ベースボールトーナメントは、ホームランダービー開催時に別会場で1回戦と2回戦を行い、配信までにベスト4が決定。残ったのは、アメリカのめし原選手、オーストラリアのたく選手、キューバのショーラ選手、メキシコのあんちもん選手です。

準決勝1試合目のめし原選手(アメリカ)対たく選手(オーストラリア)は、たく選手がめし原選手を零封。2試合目のショーラ選手(キューバ)対あんちもん(メキシコ)は、ショーラ選手があんちもん選手を0点に抑えて勝利を飾りました。

3位決定戦は猛打を爆発させためし原選手が猛追するあんちもん選手を振り切って勝利。めし原選手が見事3位に輝きました。

  • 準決勝1回戦のめし原選手対たく選手

  • 3位決定戦で勝利しためし原選手

  • 惜しくも4位となったあんちもん選手

ショーラ選手とたく選手が戦った決勝戦は、お互いに譲らず同点のまま、延長タイブレークに突入。タイブレークの特性を活かして、両チーム点を重ねるものの、4回延長では決着つかず、最終5回に突入。最後は劇的な満塁ホームランを打ったショーラ選手が優勝を決めました。

  • 優勝したショーラ選手

  • 準優勝となったたく選手

優勝を決めたショーラ選手は「今回が初めての試みで参加できただけでも光栄でした。野球がもっと盛り上がってくれるとうれしいです。(延長5回で出た満塁ホームランについて)実は、今日の大会で打てたホームランはあの1本だけだったんです。まさか、あんな場面で出るとは思わず、打った瞬間頭が真っ白になりました。ただ、相手は打撃の強いたく選手でしたし、ランナーが2人いるタイブレーク方式だったので、全然安心できませんでした」と、決勝の感想を述べました。

  • 優勝した瞬間、両手を大きく掲げるショーラ選手

ベースボールトーナメントの決勝大会に進んだ11名のうち10名は、eBaseballプロリーグ2020で、プロ選手として出場した猛者ぞろい。特にパワヒこと辻選手は、新人ながら最多本塁打、最多打点、最優秀防御率のタイトルをとった横浜DeNAベイスターズ代表です。

ほかにもみぞれんこと脇選手は、プロリーグ2020のeドラフト会議で5球団の指名を受けた名選手、読売グループ社員で読売ジャイアンツ代表のどぅーけんこと坂東選手など、馴染みの顔ぶれがそろっていました。今さらながらプロリーグでプロ選手として活躍している選手の実力の高さが示せたと言えます。

そのなかで唯一、プロ未経験だったのが、フサマント選手。プロテストの選考会9位、東京eスポーツフェスタ決勝戦進出と実績は残せているので、ホームランダービー優勝のpome選手と同様に、今後の活躍が期待できる選手です。

  • 今後の活躍に期待が持てるショーラ選手(写真左)とpome選手(写真右)

  • 大会の実況解説は、eBaseballではお馴染みのメンバー。実況は、清水久嗣アナウンサー(写真左)、解説はG.G.佐藤氏(写真中央左)、真中満氏(写真中央右)、ゲーム解説は田中一郎氏(写真右)

オリンピックバーチャルシリーズ 野球競技は、急遽開催が決まったため、各国の代表チームと選手の組み合わせが予選と決勝で変更されたり、決勝大会は野球としてはあまりにも短すぎる3イニング制であったり、改善の余地があると感じた大会でもありました。

しかし、オリンピックの名を冠したeスポーツ大会が行われたことは、それだけで大きな意義があったと思えます。今後は、参加する選手も各国代表選手をそろえたり、オリンピックの公式種目としての開催など、さらなる飛躍も期待できるのではないでしょうか。

  • 大会は『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』を使って行われました

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