9月19日から22日の4日間、高校対抗eスポーツ大会「STAGE:0」が開催されました。「STAGE:0」は、2019年から開催されているeスポーツ大会で、2020年で2回目。第1回大会は、全国1,475校1,780チーム、4,716名が参加しましたが、第2回ではさらに参加チーム数が増え、1,779校2,158チーム、5,555名が参加しました。
今回はコロナ禍のため、予選から本戦まですべてオンラインでの開催。選手も自宅もしくは学校からの参加となりました。
使用されるタイトルは第1回と同じで、『Fortnite(フォートナイト)』『League of Legends(LoL)』『クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)』の3タイトルです。『フォートナイト』部門はドワンゴ学園 N高校 しぐま部屋チームが優勝し、『LoL』部門も、同じくN高校 KDG N1チームが優勝。そして『Clash Royal』部門では三田国際学園 翠雲が優勝しました。
3部門中2部門でN高校が優勝、eスポーツ強豪校としての地位を確立か
『フォートナイト』部門では、80チームが決勝大会へ出場。決勝大会では、40チームずつ2つのグループに分けた3マッチ制のグループラウンドから、それぞれ22チームがグランドファイナルへ進出しました。
『フォートナイト』は、2人1チームで参加し、最後の1チームもしくは1人になるまで、倒し合うバトルロイヤル系と呼ばれるシューティングゲームです。グランドファイナルは、4マッチ制で実施。生き残りの順位によりポイントと、相手を倒した数のポイントの合計点によって、最終順位を決定します。グランドファイナルでは、4マッチ中2~4試合目のすべてをN高校 しぐま部屋チームがビクトリーロイヤル(1位)を獲得し、ぶっちぎりで優勝しました。
『LoL』部門は、各地区の予選を勝ち抜いた8チームが決勝大会へ出場。準決勝までは1本勝負のBO1で対戦し、決勝戦のみ2本先取のBO3で対戦します。『LoL』は5人1チームで、自分のキャラクターを育てながら、相手の陣地にある拠点を破壊することが目的のゲーム。使用できるキャラクターは140体以上あり、組み合わせによって大きく戦略が変わります。また、ゲーム開始時に相手に使用禁止のキャラクターを指定するBAN、自分たちが使用するキャラクターを選ぶPICがあり、相手の得意キャラクターを禁止したり、相手が使いそうなキャラクターと相性のいいキャラクターを選んだり、さまざま戦略をもとに、キャラクターを決定します。
決勝では、ルネサンス大阪やクラーク記念国際 秋葉原といった強豪チームを打ち破り、2019年の覇者であるN高校 KDG N1チームが連覇を果たしました。『フォートナイト』部門と『LoL』部門で、今大会の2部門の優勝をN高校が獲得した形です。もはやN高校が“eスポーツ強豪校”であることは、疑いようがないでしょう。
『クラロワ』部門は、各地区の予選を勝ち抜いた8チームが決勝大会へ出場。3人1チームの星取戦を行い、先に2勝したチームの勝利となります。
『クラロワ』は、カードゲームとタワーディフェンスゲームが融合したようなゲーム。99枚あるカードから8枚選びデッキを作成します。対戦中は、カードを使用すると盤面にキャラクターや魔法が出現し、相手のキャラクターやタワーを攻撃します。最終的に本拠地であるキングタワーを破壊するか、規定時間内終了後にタワーを破壊した数が多いプレイヤーが勝利。延長時間でも勝敗が決しなかった場合はタワーのダメージが少ないプレイヤーが勝利となります。
優勝した三田国際学園は、関東予選で開成高校のチームを倒して全国大会に出場し、全国大会でも1回戦で別の開成高校のチームと対戦。2度、開成高校のチームを破り、決勝へ進みました。
決勝戦の相手は、N高校。N高校が優勝すると第2回「STAGE:0」の3部門すべてN高校の優勝となるところでしたが、三田国際学園がN高校の優勝独占の阻止に成功しました。
『クラロワ』部門優勝チームは、2019年の「STAGE:0」に触発されたメンバー
今回の「STAGE:0」は、すべてオンラインでの開催となりましたが、配信はかなり観やすかった印象です。出場した選手の親御さんや学校の級友、教職員など、大会のゲームに詳しくない人にもわかりやすいよう解説し、また出場選手や出場校についてもさまざまな情報を盛り込んでいました。多くの人が楽しめるような作りだったのではないでしょうか。
テレビでゲーム番組に出演するお笑いコンビの「アルコ&ピース」や「アンガールズ」田中卓志さんも、それぞれのタイトルに詳しく、しっかりとゲームや大会に即した内容を盛り込んだ、芸人らしいトーク力で場を盛り上げていました。
大会の最後には、第3回STAGE:0の開催も発表されました。現在中学生のプレイヤーにとっても、高校生になったときの目標として、目指してみるのもいいかもしれません。