7月8日、9日に有明アリーナにて『モンスターストライク』のオフラインイベント「MONSTAR STRIKE DREAMDAZE」が開催されました。夏の『モンスト』イベントといえば、「XFLAG PARK」がお馴染みでしたが、ゲームブランド「XFLAG」がMIXIに統合されたため、新たに「DREAMDAZE」として生まれ変わりました。
「DREAMDAZE」の会場は、有明アリーナと有明GYM-EXの2つ。有明アリーナではステージイベントを、有明GYM-EXではグッズや飲食の販売、『モンスト』の景品がゲットできる縁日、小さな子どもが楽しめるエアー遊具などを展開していました。
ステージではさまざまなイベントを展開、ブースも盛りだくさん
ステージイベントは、「XFLAG PARK」を踏襲したものが多く、「ザ・たっち」やゴー☆ジャスさんなどの芸能人、ナウ・ピロさんなどのYouTuber、けーどら選手、タイガー桜井氏などの『モンスト』プロ界隈の人たちによるゲーム企画をはじめ、『モンスト』の楽曲をオーケストラで聞く「MONSTAR STRIKE ORCHESTRA Immersion」、『モンスト』のキャラクターたちが演奏し歌う「モンソニ!Live House Dreams」など、さまざまなコンテンツが展開され、盛り上がりを見せていました。
eスポーツ大会「モンストグランプリ2023」関東予選も開催
そして、メインイベントとも言えるのが「モンストグランプリ2023 ジャパンチャンピオンシップ 関東予選大会」です。このタイトルを聞いて、「え?」と思った人もいるかもしれませんが、これまでであれば、「XFLAG PARK」までに全国予選が終わっており、本大会では決勝大会が行われていました。
しかし、今回は「DREAMDAZE」が予選の皮切りとなり、決勝大会は9月31日、10月1日の2日間によって行われます。会場もまだ発表されておらず、どんな大会となるか期待が高まるところです。
今年のモンストグランプリで変わったところと言えば、予選がタイムアタックからスイスドロー形式になったこと。タイムアタックの場合は、用意されたステージをどれだけ速くクリアするかがすべてです。対戦とは違い、ピックによる妨害もないので、用意してきた最適解をそのまま使用できます。あとは最適解を再現できるスキルが求められるわけです。
スイスドロー形式の場合、全勝が1チームになるまで対戦を繰り返し、試合を重ねるごとに成績の近いチームと対戦するので、強いチームほど、後半に強いチームとあたることになります。スイスドローを勝ち抜き、選抜されたチームによって決勝トーナメントが行われます。
本来であれば、スイスドロー形式は実力が出やすい大会形式と言えますが、ピックの先攻後攻で大きく有利不利が出るステージがあり、BO1で対戦しなくてはならないので、逆に運要素が強くなるとも言えるでしょう。ただ、スイスドロー形式は強いチームも弱いチームも分け隔てなく同じ試合数ができるので、参加したすべてのチームが大会を存分に楽しめる利点もあります。
8日にはスイスドロー形式の予選とトーナメントの準決勝が行われ、9日にはベスト4による対戦が行われました。ベスト4なのですが、関東予選からは2チームがグランドファイナルに進出できるため、AブロックとBブロックに分かれて、2つの決勝戦を開催。したがって、1試合勝利すれば決勝大会への出場権を獲得です。決勝進出チーム同士の対戦はなく、2チーム優勝の形で終わります。
それぞれの決勝戦はBO3(2本先取)によって行われます。Aブロック決勝は「バレットパレット」と「きまぐれクリティカル」の一戦。スイスドローで順位が上だった「きまぐれクリティカル」がピック選択権を獲得しています。
1ステージ目は「暗黒絢爛のCEO」。「ヤクモ」というキャラクターのストライクショットが非常に効果的とされている環境で、先攻ピックでヤクモを獲得できる「きまぐれクリティカル」が優位に立てると言えます。
両チームとも終盤にミスが起きて、手順通りに行かなくなりましたが、最後はヤクモが一撃でボスを倒し、「きまぐれクリティカル」が勝利しました。
2ステージ目は「禁光の機械生命体」です。このステージもヤクモが活躍するとされており、「きまぐれクリティカル」がヤクモピックから開始。序盤は「バレットパレット」優勢で進みますが、中盤に「きまぐれクリティカル」が追いつきます。
そこでミスが出た「バレットパレット」をよそに、ヤクモのストライクショットでボスを一撃で倒しきった「きまぐれクリティカル」。2連勝で全国への切符を手にしました。
Bブロック決勝は「AMiiiiDA」と「みらくる☆ちぇんじあっぷ」の一戦。1ステージ目はAブロックと同様に「暗黒絢爛のCEO」で対戦します。予選通過1位の「AMiiiiDA」にピック選択権があり、まずはヤクモを選択。「みらくる☆ちぇんじあっぷ」は、ヤクモがとれないことを前提にピックを考えてきており、相手の邪魔をするピックを導入してきました。
しかし、2手目にミスショットをしてしまった「みらくる☆ちぇんじあっぷ」は、そこから巻き返しがはかれず、ピックの妙を見せる前に敗北しました。
2ステージ目は「禁光の機械生命体」です。先攻ピックの「AMiiiiDA」はヤクモを選ぶも、「みらくる☆ちぇんじあっぷ」もヤクモ(霊装)をピックしてきます。序盤からミスなく優位に進める「AMiiiiDA」でしたが、最後の最後でヤクモのショットをミス。そこをついた「みらくる☆ちぇんじあっぷ」が逆転勝利しました。
3ステージ目は「秘樹の依代少女」。「AMiiiiDA」のピックは中臣鎌足です。それに対して「みらくる☆ちぇんじあっぷ」はヤクモを取り返します。
1手目で敵を倒しきれなかった「みらくる☆ちぇんじあっぷ」に対して、「AMiiiiDA」は9手目までまったくミスのない予定通りの手順で進めます。クリア予定の10手目もKEVIN選手が難なく撃ちきり、勝負を決めました。
これで関東予選からの決勝大会進出チームは「きまぐれクリティカル」と「AMiiiiDA」に決定。「きまぐれクリティカル」は昨年のグランプリの決勝トーナメントの準決勝で「ミラノ風カルボナーラ」に敗北しており、プロライセンスの取得があと一歩届きませんでした。
「AMiiiiDA」は、リーダーKEVIN選手が「アラブルズ」のリーダーとして活躍しており、虹花/ななか選手はその「アラブルズ」のサポートメンバーとしてプロツアーで活躍した選手です。「アラブルズ」はプロツアーでの成績によりプロ大会への参加資格が剥奪されており、久々の大舞台での活躍となるわけです。
これから他の地区予選も順次開催されていきます。関東予選のようにプロ選手やプロ経験が豊富な選手がいるチームが勝ち上がるのか、それとも新進気鋭のチームが爆誕するのか、すべての予選大会から目が離せません。
決勝進出2チームにインタビュー
会場にて、決勝大会への進出を決めた2チームに話を伺ってきました。まずは「きまぐれクリティカル」からご紹介します。
――おめでとうございます! グランプリ決勝へ進出した今の気持ちはいかがでしょうか。
Spring選手(以下、Spring):本当にうれしいし、ひと安心できました。これからは決勝大会に向けてがんばりたいです。
HHP選手(以下、HHP):大会ではあまり良い思い出がなかったんですけど、勝てて安心できました。
らせつ選手(以下、らせつ):大会の予選のレギュレーションがタイムアタックからスイスドローに変更になったことで、優勝できると思っていました。結果、無事優勝できてよかったです。
ぱせり選手(以下、ぱせり):メンバーの中で唯一、遠方に住んでいて、チームメンバーとずっと顔合わせをすることができませんでした。それでも練習は一緒にやりましたし、情報共有もできました。オフライン会場でのプレイはすごく緊張感がありました。とくにスイスドローは未経験だったので、自分達のプレイができて勝てたので良かったです。
――スイスドローの話題が出ていますが、予選の形式が変わったことにはどう感じましたか。
HHP:良かった点としては、初参加のチームや常連のチームなど、いろいろなレベルやタイプのチームと対戦できたことですね。タイムアタックは自分達のチームのみで行いますが、スイスドローは対戦なので、対戦相手が目の前にいて、試合後に交流できたのは良かったです。
Spring:タイムアタックはピリピリしていたけど、今回は盛り上がっていましたね。
HHP:デメリットとしては、位付けの対戦相手の運要素がちょっとあったところです。
Spring:予選3位になったチームは、対戦相手によっては2位の可能性もあったかもしれません。
HHP:現在は1キャラが強い環境だったので、ピック権を持っているほうが圧倒的に有利だったのも、運要素と言えました。
――今大会で一番苦しかった場面はどこでしょうか。
Spring:スイスドローで4勝1敗のときにギリギリで勝利し、5勝1敗で終えることができました。ちょっとした差でお互い4勝2敗になった可能性もあったので、その場面ですね。
――各ブロックで優勝したチームは、どちらもプロ選手が在籍していたり、プロツアーを経験したことがある選手が多く入っていました。そこは大きな利点となったのでしょうか。
Spring:経験としてプロの大会に出たことは良かったですね。その経験が結果に影響した部分はあると思います。プロの大会に出て、いろんな判断ができるようになりました。自分のプレイだけでなく、相手のこともちゃんと見られるようになりました。
――グランプリ決勝大会に向けて意気込みをお聞かせください。
Spring:4人で優勝したいですね。前回は3位だったので、今年こそ優勝したい。
HHP:昨年グランプリで対戦した「ミラノ風カルボナーラ」とは僅差だったのが本当に悔しかった。でも、大会自体はすごく楽しかったので、これから予選を勝ち抜いていくライバルがどんなチームなのか楽しみにしています。
らせつ:このチームでミスが多いのは自分なんです。決勝大会では3人の足を引っ張らないようにがんばります。
ぱせり:先ほども言いましたが住んでいる場所の関係で練習しにくいと思いますし、私以外の3人のメンバーはプロ大会でも勝利しています。実績はほかのメンバーより劣っていますが、引っ張っていけるところは引っ張っていきたい。そして、甘えるところは甘えていきたいです。
――ありがとうございました。
次は、Bブロックで優勝した「AMiiiiDA」のインタビューを紹介します。
――優勝おめでとうございます! グランプリ決勝へ進出した今の気持ちをお聞かせください。
虹花/ななか選手(以下、虹花):うれしーです! とにかくそれにつきます!!
KEVIN選手(以下、KEVIN):いやー、うれしいですね。新しいメンバーで勝ち抜けたのは本当にうれしい。
のく選手(以下、のく):とにかくうれしいですし、ほっとしています。KEVINさんと初めてチームを組んで、一緒に勝ちたかったので本当にうれしいです。最強になりたい!
あーてる選手(以下、あーてる):ほっとしています。
――予選がスイスドロー形式に変わりましたが、どう感じましたか。
虹花:めちゃくちゃ疲れます。ただ、楽しいのは楽しいです。
KEVIN:これまでは最大でも2回、気を張っていればよかったんですけど、今回は6回もあったので大変でした。ほかのチームと顔合わせができたのは良かったですね。
――今大会で一番苦しかった場面はどこでしょうか。
全員:決勝で2本目を落としたところ。
KEVIN:有利な状況から負けて、絶望しかなかった。
あーてる:以前に負けて敗退したことがフラッシュバックしました。
のく:3本目の前に本当に負けた記憶がちらついてミスを誘発しそうになりました。なんとか対戦するときは切り替えられて良かったです。
KEVIN:予選でたくさん対戦したので、切り替えができるようになっていた感じです。大会中にレベルアップしましたね。
――プロ選手やプロ大会経験者が多いですが、その利点はあったのでしょうか。
KEVIN:プロで経験したことをチームメンバーに共有できるのはほかにないことですね。
虹花:大会で経験した試合勘のようなものがでました。今年初めて大会に参加したチームよりは絶対に有利だと思います。
のく:4月に行われた「MONST SPRING CUP 2023」で負けた経験や反省点とかもあったのは良かったと思います。
あーてる:やはり多くの経験を積んでいるKEVINさんに任せられるという絶大な信頼感はあります。
――決勝戦で戦った「みらくる☆ちぇんじあっぷ」には、今大会から解禁された高校生が出場していましたが、初の高校生グランプリ出場の機会を奪ったことについてはいかがですか。
KEVIN:(笑)。そうですね、高校生が参加できるようになったのは良いことだと思います。ただ、彼らはすごくナマイキでした(笑)。若さが全面に出ていて、普通に強かったですね。
のく:決勝大会も1本目でコテンパンに負けても2本目でまったく心が折れていなかったのは、若さって感じですね。
――グランプリ決勝に向けての意気込みをお聞かせください。
虹花:「ミラノ風カルボナーラ」や「きまぐれクリティカル」など、自分と同じ世代の強い奴らが活躍しているので、今年は自分が主役になれるようにがんばりたい。
KEVIN:モンストグランプリではまだ優勝したことがありません。なので、絶対に優勝したいです。
のく:虹花君が「アラブルズ」のメンバーとしてプロツアー優勝を経験しているのにプロライセンスがなかったり、KEVIN選手もプロ大会への参加権がなくなってしまっている状況です。この状況を打破するために、2人をてっぺんに連れていきたい。まあ、自分が言うのはおこがましいかもしれませんが、少しでも力になりたいと思っています。もちろん、自分も主役になりたいですし、「AMiiiiDA」はほかのメンバーだけでなく、「僕もすごいんだぞ!」というのを見せつけたいです。
あーてる:夢はグランプリ優勝。今回の優勝は通過点でしかなく、これからはグランプリのために練習していきます。KEVINさんに恩返しをしていきたいです。
――ありがとうございました。