Androidスマホのアップデートで「かこって検索(Circle to Search)」が公開された。

まさに文字通り、調べたいものを指でなぞったり、囲んだりすることで、それを元に画像検索やテキスト検索に遷移するというもので、かなり便利に使える。

具体的にはホームボタンの長押しで、画面全体がいったん半透明のベールで覆われる。その向こう側に透けて見える対象を指で指定することで、それをもとに検索が行われるというものだ。

  • Pixel 8で使った「かこって検索」の画面。長押しして、マルで囲む。それだけで知りたい情報が手に入る

今のところ、Google Pixel 8/Pixel 8 ProとSamsung Galaxy S24シリーズが対応機種だ。手元のPixel 8もシステムアップデートで更新され、この機能が使えるようになった。今後、一部のプレミアムAndroidスマホが対応していくようだ。

アプリはそのまま、てっとりばやくイメージ検索

ずっと以前から、身の回りの自然界にあるものなら、Googleレンズを使えば検索ができた。見知らぬビルなら、レンズで映してそのビルの名前はわかったし、花をレンズでとらえれば、花の名前もわかった。しかし、ウェブやSNSで見かけた画像に気になるものがあった場合には、画像を保存してから、それを使ってイメージ検索といっためんどうくさい作業が必要だった。

だが、「かこって検索」ならその必要はない。ホームボタンの長押し、ナビゲーションモードでジェスチャーナビが設定されていて、ホームボタンが表示されていない場合も、ホームに遷移する画面下部の横バーを長押しするだけで、かこって検索機能がスタートし、てっとりばやくイメージ検索ができるというわけだ。

テキストコピー禁止の画面でも文字を検索できる

Instagramで見かけた気になる製品、YouTubeでお気に入りのタレントやアーティスト、YouTuberが身につけているアクセサリや洋服。なんだってかまわない。おっ、と思ったら長押しして囲む。それで検索ができる。

対象は文字でもかまわない。厳密な範囲をなぞるにはちょっとコツがいるが、クリップボードへのテキストコピーを禁止しているページなどで見つけたキーワードを検索するのに便利だ。文字の場合は囲むというよりなぞるといった操作でいい。

Facebookアプリなどは、メッセージ中に気になるキーワードがあっても、メッセージ全体をコピーすることしかできないが、かこって検索なら、特定のワードだけを抽出して検索できる。慣れない外国語の看板などの写真、レストランのメニューの写真なども検索すればなんとかなる。

進化するネット検索、まずはいろいろ試してみよう

それにしても思うのは、世の中の多くのコンテンツは、コピーされることの懸念から、検索さえできなくしてしまっているのはどうなんだろう。それでいいのかという疑問も持ってしまう。だからこうした機能が出てくるのだとも思う。ほぼいたちごっこだといえる。

なお、Androidには拡大鏡という標準アプリもある。こちらはその名の通り、カメラレンズを使って対象をズームするという機能だ。カメラとどう違うかというと、シャッターを押して撮影しても、それがファイルとして記録されないのだ。静止させた画像はさらなるズームもできる。これなら老眼鏡がいらないとシニアの方は喜ぶかもしれない。

ちなみに、撮影時にはシャッター音も鳴らない。そして、そのイメージをGoogleレンズに渡したりもできるし、その場で保存することもできる。もちろんSNSなどでの共有もできる。

AIの浸透で、画像を元に検索するイメージ検索は、思った以上に高機能になっている。誤解を怖れずにいえば、他人の作品を参考にするといったことはすでに不可能に近い。検索すれば、すぐにネタバレしてしまう。そういった面も含めて今後の進化が楽しみだ。ぜひ、いろいろ試してみてほしい。