LINEが高校生のパソコン利用状況についての調査結果を発表した。結果の要旨としては、高校生はノートパソコンとタブレットを使うことが多く、そのパソコンでしていることは動画をみることと、検索することで、使い始めの時期は高校生になってからが多いという。

  • 自宅に自分が使うことのあるパソコンやタブレットはあるか? を尋ねた結果

    自宅に自分が使うことのあるパソコンやタブレットはあるか? を尋ねた結果(複数回答可) [出典:LINEリサーチ]

個人的に注目したのは、パソコンの文字入力を「キーボードを見ながら」する高校生が7割超だったという点だ。そして、今後パソコンでできるようになりたいと思うこととして、各学年ともにそのトップテンで「早く/正確な文字入力」「キーボードを見ずに文字入力」がワンツーフィニッシュしている。

  • パソコンでの文字入力はどんな方法でしているか? を尋ねた結果(複数回答可) [出典:LINEリサーチ]

  • 今後パソコンでできるようになりたいと思うことを尋ねた結果(複数回答可)。なおこの記事ではLINEの発表に合わせ、速くではなく「早く」で統一する [出典:LINEリサーチ]

物理キーボードは一周回って新しいアイテム

個人的にパソコンのキーボードで文字の入力を始めたのは、もう何十年も前の話なので、鮮明な記憶は残っていないのだが、いわゆるタッチメソッドの修得にそんなに苦労した覚えがない。それはなぜかを考えてみたのだが、文字のデジタル入力を物理的なキーボードでスタートしたことが大きかったようにも思う。スマホなんてなかった時代だ。

今の高校生は、おそらく人生初の文字入力手段が、スマホのソフトウェアキーボードを使ったフリック入力だったのではないか。そうでなくても、スマホではほとんどの場合、画面に表示されるソフトウェアキーボードを「打鍵」している。

パソコンを目の前に物理的なキーボードを使うようになっても、日常的にはスマホを使い続けている。もしかしたら、キーボードはキーボードを見ながら叩くというのを当たり前と認識しているのかもしれない。彼らには、物理的なキーボードという新しい当たり前を受け入れてほしい。

ミスタイプを素早く修正できることが上達への近道

画面に表示されるソフトウェアキーボードをタッチタイプでというのは無理に近い。できる強者もいるかもしれないが、かなり難しいと思う。

でも、物理的なキーボードならFとJのキーにはポッチがついていて、そこに人差し指をあてれば、他の指の守備範囲とキーへの距離感、担当指はなんとなく把握できる。それでキーボードを見ないでタッチタイプができるのだ。

おそらくこの記事を読んでいただいている読者の中に、高校生はいないとは思うのだが、もし周りにタッチタイプで文字を入力できるようになりたいと思っている向上心のある高校生がいるなら、正確にキーをタッチすることはひとまずおいておき、間違ったら瞬時に修正することができるようにするほうがいいことを教えてあげてほしい。

タイプミスはキーボードではなく入力される部分、つまりパソコンの画面を見ないと発見できない。瞬時に間違いを見つけるにはキーボードを見ていては無理だ。

だから、BackSpaceキーの位置を体で覚える。目をつぶっていてもBackSpaceキーを瞬時に叩けるようになっていればタイプミスが怖くなくなるはずだ。

アンケートの結果では「早く/正確な文字入力」とされているが、まずは「正確な」を忘れることがポイントだ。最初から正確を目指すと打鍵は速度が遅くなる。結果として正確に入力できればそれでいいと割り切ろう。

よく使う言葉は指の動かし方を覚えよう

そして、「こそあど」。つまり、「これ、それ、あれ、どれ」、「こんな、そんな、あんな、どんな」、「こう、そう、ああ、どう」、「この、その、あの、どの」などの代名詞や形容動詞、副詞、連体詞、そして「て、に、を、は」といった助詞、さらに「です、ます、だ、である」などの敬体、常体で使われる語尾も。これらの運指を指に覚えさせればキータイプはかなりラクになるだろう。文章を書いていればたくさん出てくる文字列だ。

若い世代がこれを半日もトレーニングすれば、きっと「早く/正確」なタイプができるようになるはずだ。