緊急事態宣言発令以降、自宅で仕事をする「テレワーク」が急増しています。MacでもZoomsやMicrosoft Teams、Skype(for Business)が動作しますから、テレワークは使い慣れたMacで、という人も多いのではないでしょうか? 今回は、そんなMacテレワーカーのマストアイテム「FactTimeカメラ」にまつわる基本テクをお届けします。
FaceTimeカメラの役割
FaceTimeカメラとは、Macににビルトインされている小型カメラの総称です。内側・Macを操作する人物に向けて設置されたインカメラであり、ビデオ通話アプリ「FaceTime」や写真撮影/加工アプリ「Photo Booth」などで利用されます。
Air/Proを含むMacBookシリーズの場合、ディスプレイ上部のベゼル(黒枠)部分で気泡のように見える部分がFaceTimeカメラです。解像度は720p(1280×720ピクセル、120万画素)と、スマートフォンのカメラと比べると低スペックですが、macOSのシステムレベルでサポートされいろいろなアプリケーション/サービスで利用できるため、ZoomsやMicrosoft Teams、Skype for Businessといったサードパーティのビデオ通話/WEB会議サービスにも利用できます。
そんなFaceTimeカメラは、Macが起動しているときはつねに「有効」な状態です。有効といっても、キーボードを叩いているユーザの顔を撮影し続けているわけではなく、必要とあらばいつでも撮影可能なスタンバイ状態にあるという意味です。FaceTimeカメラの機能が必要とされたとき、撮影を開始/映像の転送をスタートしたときには、FaceTimeカメラの右横に緑色のLEDが点灯するため、それを目印にすればFaceTimeカメラの動作状況がわかります。
なお、FaceTimeカメラはmacOSにUVC(USB Video Class)カメラと認識されています。FaceTimeカメラに対応するアプリは、メニューバーや設定パネルで操作を行えば、接続中のUVCカメラと切り替えることも可能です。
音はOK、顔はNGにしたいとき
最近のMacBookシリーズは、すべてのモデルにFaceTimeカメラとマイクが内蔵されているので、Mac本体だけでビデオ通話/WEB会議サービスに参加できます。ただディスプレイを開きアプリを起動するだけ、他に用意するものはありません。
しかし、FaceTimeやPhotoBoothといったアプリにFaceTimeカメラは無効化するスイッチはありません。アプリを起動している間はカメラが有効になり、その証拠として緑色のLEDが点灯します。ビデオ通話/WEB会議に自分の顔を晒さないことは困難です。
できればFaceTimeカメラを無効化したいところですが、Macをリカバリーモードで起動しcsrutilコマンドでSIP(System Integrity Protection)を無効化したうえでシステムファイルに変更をくわえる、というかなり難易度の高い作業が必要になります。可能ならもう少し手軽な方法にしたいですよね。
よく使われる方法は、付箋を貼ること。手軽でお金もかからないけれど、文字どおり取ってつけたような対応で、見た目もいまひとつ。周囲から光が漏れて妙な色合いになるし、ベゼルに貼り跡が残ることも気になります。
そこでお勧めしたいのが「ダブルクリップ」。たくさんの紙を束ねる、金属製のアレです。わざわざ買わなくても、オフィスや自宅の引き出しに1つや2つはあるのではないでしょうか? それをFaceTimeカメラを覆うように取り付ければOK、外すときもかんたんです。Macが傷付くことが気になる場合は、ダブルクリップの内側にフェルト状のシールを貼り付けておけばOKです。幅約25mmの「中」がジャストフィットですよ。
自分の声を大きくしたいとき
Macをビデオ会議や電話会議(テレカン)で使うと、声が小さくて聞き取りにくいと指摘されることがあります。自分のところのスピーカー音量を調整すればいいのに……という気もしますが、複数人でやり取りしているとき自分の声だけが小さいとしたら、そうもいきません。
ZoomsやSkypeなど音量自動調整機能を備えたアプリ/サービスもありますが、FaceTimeはマイクが拾った音量そのまま。こちら側のマイクの音量をある程度上げておかなければ、他の人が聞き取りにくくて苦労します。
そんなときは、システム環境設定「サウンド」パネルの「入力」タブにある、入力音量スライダーを操作します。スライダーを右方向へドラッグすれば、マイクの入力音量を上げることができます。
ただし、入力音量を上げすぎると、こちらの周囲の音がより拾われるようになる弊害が生じます。相手に自分の声を大きく届けられる一方で、こちらの雑音・生活音まで聞こえやすくなるということです。音割れの原因にもなるため、ほどほどの位置で利用しましょう。