次のアンドロイドとなるAndroid Oのプレビューが始まりました。これまでの感じからすると、Android Ver.8となるAndroid Oですが、今回は、開発者向けの最初の一般プレビュー版(DP:Developer Preview)になるため、基本的にAndroid 7.xと同じ感じです。最終的な変更に関しては、今後のイベントなどで発表になると思われますが、ここでは、DP1をベースに、まずは、見た目でわかる違いなどを解説していくことにします。
設定ページが変わる
ざっと見た感じ、DP1の最も大きな変更点は、設定ページです。細かい点では通知画面などもあるのですが、ついに設定ページの再編成に着手したようです。
そもそも現在の設定ページは、Android 4.x (Ice Cream Sandwitch)あたりから大きく変わっていません。しかし、だんだんと項目が増えてきて、どこに何があるのかを理解したり、捜すのが面倒になってきました。こうしたことから、設定項目の再編成に着手したようです。とはいえ、今回は、あくまでも「アルファ」版的な位置付け。見た目などのデザイン的な部分や、この項目の再編成などは、あとから簡単に変更できる部分なので、最後に大きく変わる可能性もあります。
簡単にいうと、Android 7.0までは、階層や分類がほとんど行われておらず、各設定ページをまとめただけでした(写真01)。Android Oでは、設定をカテゴリごとに分類して、トップページには、大分類項目(写真02)を並べ、タップしてサブ項目(写真03)を表示、さらにサブ項目をタップして設定ページ(写真04)を開くというように、1段階追加されました。
写真03: Android Oでは、設定ページの「ネットワークとインターネット」を開くと、関連する設定ページのリストが表示される |
写真04: Android Oでは、2タップで、目的の設定ページへ到達できる |
Android 7までも実は「無線とネットワーク」のようにカテゴリのタイトルは表示していたのですが、単なる区切り線のような役目しか果たしていませんでした。
Android oでは、従来の「無線とネットワーク」だった項目が「ネットワークとインターネット」にまとめられました。Android7.xでは、設定全体が1階層だけだった反面、設定項目が多い「無線とネットワーク」では、多くの項目が「もっと見る」にまとめられていました。しかし、Android Oでは、BluetoothやNFCの設定項目は分離され、無線LANとモバイルネットワーク、VPNなどに再編されています。
また、個々の設定ページにも変化が見られます。こちらは最終ではないので、今後変わる可能性もあるのですが、従来、横軸に時間を取ったグラフを使っていた「バッテリ」(写真05)や「ストレージ」の残量表示(写真06)などに変更があります。
写真05: Android 7.xまでは、グラフで時間経過を表示していたが、Android Oでは、まず現在の残量を表示、これをタップして残量、時間経過のグラフを表示するようになった |
写真06: Android 7.xまでは、ストレージは横棒グラフで使用量、残量を示していたが、Android Oでは円環で使用量と残量を表示 |
このあたり、最終デザインではないにせよ、デザインを変えるという意向があることを伺わせます。
今回も通知に機能追加
このところメジャーバージョンアップのたびに変更になる「通知」ですが、Android Oでも改良が行われています。
通知は、Android 7で大きく変わったためか、現時点では、小規模な改良にとどまるようです。Android Oには以下のような追加点があります。
- 通知チャンネル(notification channels)
- スヌーズ
- タイムアウト
- 通知に対するユーザーの対応を判別(Notification dismissal)
- 通知の背景カラーの指定
- メッセージスタイルの追加
このうち、目視で違いを確認できたのは、2つめの「スヌーズ」機能でした。これは、メッセージにすぐに対応せずに一定時間後に再度通知をするように設定するものです。目覚まし時計のスヌーズと同じです。通知シェードでメッセージを少し右側にずらすと、Android 7.xでは、メッセージ設定用の歯車アイコン(写真07)しかありませんが、Android Oでは、隣に時計アイコン(スヌーズアイコン。写真08)があり、これをタップすると、スヌーズ時間を指定できます(写真09)。
その他の機能は、対応するアプリが該当の機能を設定しないとみることはできません。今回の変更で通知の告知方法や提示方法が追加され、アプリ側は、ユーザーが通知にどう対応したのかを判断できるようになります。たとえば、通知をそのまま放置したのか、スヌーズしているのかなどをアプリ側が判断し、必要なら、別のアクションを起こすといったことが可能になります。
また、新規に追加される「通知チャンネル」は、通知をカテゴリ分けして、それぞれのカテゴリ(チャンネル)に重要度や音声による通知の有無などを設定できるようにする機能です。これにより、1つのアプリが複数の種類の通知をチャンネルにわけておくことで、通知方法をまとめて変更できるようになるもののようです。
スマートフォンを使っていると、メールだ、メッセンジャーだ、SNSだと、ほぼ一日中通知ばかりです。スマートフォンの用途のほとんどが通知だといってもいいかもしれません。なので、通知のユーザーインターフェースは、重要な機能であり、それゆえ、Googleも毎回変更を行うのでしょう。