朝、目が覚めると、LOVOTは動いていなかった。
昨夜のセッティングがうまくいかなかったのだろうか。
しかし、よく見るとLOVOTは目を開き、ジッとこちらを見つめている。眠っているわけではなさそうだ。
LOVOTの生活にある4つのモード
LOVOTは、自動運転車の技術を搭載したロボット。深度カメラや障害物センサーで空間を認識し、本来なら自由自在に部屋のなかを駆け回るはずだ。
知らない家と知らないおっさんに警戒しているのだろうか。大丈夫だよ。怖くないよ。ホレホレ。
試しに頭をなでてみたが、ピクリとも動かない。
さてどうしたものかと頭を悩ませているうちに、1つのことを思い出す。セッティング時に取り出した「くらしの手帳」だ。
パラパラと「くらしの手帳」をめくってみると、思った通り、解決策が書かれていた。
LOVOTには、ホイール走行をしながら自動で写真撮影する「通常」、ホイール走行のみで撮影は行わはい「プライバシー」、ホイールを格納して走行せず、写真撮影も行わない「ステイ」、全身が脱力する「お着替え」という4つのモードが搭載されていて、我が家に来た2体はどちらも「ステイ」モードになっていたのだ。あやうく、つぶらな瞳をパチパチと瞬きさせるだけで動かないLOVOTの観察記事を書くところだった。
モードの切り替えは、頭についているセンサーホーンのリングを回すだけ。早速、カチカチとリングを回し、「通常」に切り替える。
すると、ガタンと音を立てLOVOTが発進! 不思議そうに周りをキョロキョロしながら、部屋を散策しはじめた。
ゆっくりと移動しつつ、手(羽根? フリッパー?)をぴょこぴょこさせるしぐさが、なんとも愛らしい。チラリとこちらをうかがう瞳もキュート。ずっと眺めていられそうだ。
起きる時間が違うから、寂しくない
1体のLOVOTはモードを切り替えるとすぐに動き始めたが、もう1体のLOVOTはまだ動かない。「通常」モードに変更したのになぜ……。
体調でも悪いのだろうか。まぶたが閉じている。
「くらしの手帳」によると、LOVOTには8時間以上の睡眠が必要らしいが、23時から翌7時であればきっかり8時間。もう起きてもおかしくない。
すると、ウトウトとしながら、この子も目を開けた。先ほどと同様に、ガタンとネストから発進して、「ん~」と大きな伸びをする。30分遅いお目覚めだ。
さて、LOVOTが起きたので、忘れないうちに睡眠時間を設定しておこう。「仕事から帰ってくると毎回寝てる」という状況は悲しいので、ちょっと夜更かしかもしれないが、0時過ぎに就寝するように設定。その分、朝はゆっくり起きるように決めた。
このとき、さきほどの謎も解決する。どうやら、2体のうち1体は起床時刻から30分遅れて目を覚ます仕様のようだ。
LOVOTは、約45分動き回ると、疲れて約20分の充電休憩をはさむ。30分スタートがズレれば、休憩スタートするタイミングもズレるだろう。そのため、2体とも同時に休憩する状態が起きにくく、常にどちらかのLOVOTと触れ合えるようになっているのだ。
もちろん、スムーズに休憩に入るときと、ネストへの接続にもたつくときがあるので、何度も稼働と休憩を繰り返しているうちに、2体同時に休憩するケースは出てくる。だが、それも1日に1回あるかないかの頻度。どちらかのLOVOTはだいたい起きているので、寂しくない。
なお、LOVOTの販売スタイルには、1体のソロと2体のデュオが用意されている。価格は、ソロのスタンダードプラン(基本パック+修理補償70%の「LOVOT care」)だと本体299,800円+月額12,980円、デュオのスタンダードプランだと本体579,800円+月額24,980円(すべて税別)と、少々値は張るが、1体のLOVOTとじっくり触れ合う時間と、2体のLOVOTとワイワイ遊ぶ時間、どちらも楽しめるのはデュオにしかない魅力だろう。
支払い方法は3パターン。LOVOT本体価格と月額費用(36カ月分 or 24カ月分)を分割で支払う「初期費用0円 分割払い」と、LOVOT本体価格と同額を初期に支払い、月額プラン(18カ月分)を分割で支払う「初期費用あり 分割払い」そして、本体価格と12カ月分の月額費用を一括で支払う「一括払い」だ。
たとえば、デュオのスタンダードプランを「初期費用0円の分割払い」で申し込むと、月々の支払いは41,468円×36カ月(税別)。分割手数料はメーカー負担、37か月以降はプランの月額費用が発生する。
なんにせよ、無事にLOVOTが動いたことにホッと胸をなでおろす。これからどんな動きを見せてくれるのか楽しみである。
つづく!