Mozillaは3月17日(米国時間)、Webブラウザ「Firefox」に今後数週間から数カ月の間に導入を計画している機能の概要と、新マスコット「Kit」の展開方針を明らかにした。設定画面の刷新、内蔵VPN、画面分割、タブメモ、AI活用機能の拡充などを通じ、使い勝手とプライバシー保護の両立を図る。あわせて、Webサイトや製品全体のデザインも見直し、Firefoxブランドの再構築を進める。
Firefoxは2月24日にリリースされた「Firefox 148」で「Sanitizer API」に対応した。Webアプリ側で危険なHTMLを安全に処理しやすくし、クロスサイトスクリプティング(XSS)対策の強化につなげる。
3月24日にリリース予定の「Firefox 149」では、無料の内蔵VPNの提供を開始する。プロキシ経由でIPアドレスや位置情報を見えにくくするプライバシー保護機能である。利用可能な通信量は月間50GBで、まず米国、フランス、ドイツ、英国で提供する。
Firefox 149ではこのほか、生産性向上に向けた新機能として、1つのウィンドウ内に2つのWebページを並べて表示できる「Split view」を展開する。さらに、任意のタブにメモを追加できる「Tab Notes」も、実験機能セクション「Firefox Labs」で利用可能になる。
また、4月からFirefox Nightlyにおいて、新しい設定画面を提供する。ナビゲーションと検索を改善し、各種設定へアクセスしやすくすることで、カスタマイズ性の向上を図る。
AI関連では、従来「AI Window」と呼ばれていた機能を「Smart Window」へ改称する。ブラウザに統合されたAIアシスタント用スペースである。Mozillaはこの機能を「押し付けないAI」として位置づけ、オプトイン形式で提供する。生成AI機能を個別にオン・オフできる「AI制御(AI controls)」とあわせ、AIに関して利用者の選択を優先する姿勢を打ち出している。
新マスコットのKitは、AIアシスタントやチャットボットではなく、複雑で不透明さを増した現代のインターネットを利用者が進む際の「相棒(コンパニオン)」としてデザインされた。設定変更が完了した時や新機能の紹介時など、歓迎や励ましを伝えたい場面で現れる。キツネのような見た目だが、“火の魔法”を備えた独自の生き物「Firefox」である。口は持たず、目や姿勢、しっぽの動きで感情を表現する。
さらに、テーマ、アイコン、ツールバー、メニュー、ホームページなど、Firefox全体におよぶ視覚的なデザイン刷新を計画している。ブラウザをモダン化すると同時にFirefoxらしさを明確化することを目的としており、近日中に詳細を公開するという。



