Googleは2月19日、YouTube ショッピング アフィリエイト プログラムの日本導入を正式発表した。

日本での最初のECパートナーは楽天グループが展開する「楽天市場」。ユーザーが動画の視聴中に「商品を表示」ボタンを押すと、同一画面上に楽天市場で販売されている商品名や価格などが表示される。そして商品欄から「楽天市場」の商品ページへシームレスに遷移し、商品の詳細を確認、購入できるようになる。

楽天市場の出店者は、YouTubeショッピング アフィリエイト プログラムの利用資格を得たYouTubeクリエイターが作る動画を通じた商品の訴求が可能。商品を紹介したYouTubeクリエイターは、動画にタグ付けした商品が購入された場合、規定のアフィリエイト収益を受け取れる。

  • 海外11カ国で展開しているYouTube ショッピング アフィリエイト プログラムが日本でも正式導入された。最初のパートナーは楽天市場

    海外11カ国で展開しているYouTube ショッピング アフィリエイト プログラムが日本でも正式導入された。最初のパートナーは楽天市場

動画クリエイターの収益化で新たな選択肢

これまでもYouTubeでは、YouTube動画と、BASEなどで自分で販売する商品を紐づけ、紹介した商品を動画にタグ付けしたり、リンクを張ったりして動画再生ページから購入できる仕組みがあった(YouTubeショッピング)。

今回のYouTube ショッピング アフィリエイト プログラムでは、“アフィリエイト”とあるように、商品タグを経由して商品が購入された場合、YouTubeクリエイターが一定の収益を得られる点が特徴。広告収益やYouTube Premium、Super Chatなどの既存オプションと並ぶ形で、収益化の新たな選択肢が広がるという。

これまで米国や韓国、インドなど海外11カ国で提供されてきた同プログラムだが、今回「楽天市場」と提携し日本で正式にスタートした。

  • 楽天アフィリエイトと連携

    楽天アフィリエイトと連携

クリエイターが編集する手間を省く「自動タグ付け」

YouTubeショッピングの対象となるチャンネルは、YouTube パートナープログラムに登録されているチャンネル。具体的には、登録者数1,000人以上で次のいずれかを満たしているものだ。

  • 公開されている長尺動画の過去365日間における総再生時間が4,000時間以上
  • 公開されているショート動画の過去90日間の視聴回数が1,000万回以上

ただしチャンネルが音楽チャンネル、公式アーティストチャンネル、音楽パートナーに関連付けられているもの(音楽レーベル、音楽配信会社、VEVO含む)は対象外。また視聴者が子ども向けのチャンネルも、“ユーザーが購買しやすい機能”という目的から対象外となる。

対象動画は長尺動画、ショート動画、ライブ配信、投稿。また、紹介できる商品は「楽天市場」上にあるほぼすべての商品。なお中古品や車など、YouTubeショッピングのポリシーでサポートしない一部商品は対象外となる。

  • 対象動画の例

    対象動画の例

タグ付けは手動のほか、自動タグ付け機能も利用できる。自動タグ付け機能は、クリエイターが説明欄に記載した動画内の商品を、動画の中の最適なタイミングで自動的にタグ付けするもの。クリエイターが個別にタグ付けする手間を省ける。

アフィリエイト報酬については、楽天アフィリエイトの報酬計算の仕組みに従い、商品が購入されるごとに規定の料率のコミッションがクリエイターに支払われる(YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム発表会では具体的な料率は明かされなかった)。

クリエイターは動画の投稿や視聴者の分析などが行えるYouTube Studio内で、タグ付けする商品を選択する際に、コミッションの料率を確認できる。

  • ヘア&メイクアップアーティスト/ビューティーディレクターの小田切ヒロ氏のYouTubeチャンネル。先行して同プログラムを試しており、「楽天市場」へスムーズに遷移し商品購入へつながる体験を高く評価した

    ヘア&メイクアップアーティスト/ビューティーディレクターの小田切ヒロ氏のYouTubeチャンネル。先行して同プログラムを試しており、「楽天市場」へスムーズに遷移し商品購入へつながる体験を高く評価した

クリエイターの情熱と視聴者の信頼で新しい購入体験を

YouTubeも楽天市場も多数のユーザーを抱える巨大なプラットフォームだ。両社の提携では、クリエイターとブランド・店舗、そして視聴者の三者に利益をもたらす「三方よし」のエコシステムを構築することを目指す。

Google日本法人代表の奥山真司氏によると、現在の買い物体験は「ブランドと消費者の関係性が劇的に変化している」という。

以前はブランド認知を広げることが購入の起点だったが、今は認知に加え、「自分が信頼するクリエイターの言葉を通して納得を得ること」が視聴者の購入行動につながると説明。「クリエイターの情熱と視聴者の信頼、この2つが結びつくことで、従来のEコマースとは一線を画す新しい購買体験が生まれている」と、動画コマースの現状を紹介した。

  • Google日本法人代表の奥山真司氏

    Google日本法人代表の奥山真司氏

  • クリエイターはアフィリエイト報酬を得られ、店舗は新しい顧客へ商品を訴求、視聴者は動画視聴からスムーズに欲しいものを購入できるという「三方よし」のエコシステムを構築する

    クリエイターはアフィリエイト報酬を得られ、店舗は新しい顧客へ商品を訴求、視聴者は動画視聴からスムーズに欲しいものを購入できるという「三方よし」のエコシステムを構築する

  • 楽天市場とYouTube ショッピングのシナジーを高める

    楽天市場とYouTube ショッピングのシナジーを高める

また、楽天グループ代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏は、「インターネット業界の歴史の1ページに残る大きなパートナーシップ」と今回の提携に期待を寄せた。

楽天では創業時から「Shopping is Entertainment」というコンセプトで、売り手と買い手のコミュニケーションを重視していたという。今回の提携は、小さなストアでも良質な商品をより広い層へ提供できる革命的なパートナーシップだとし、「YouTubeと楽天市場の特性が完全にマッチした。ここから日本のショッピングが広がっていくのでは」とコメントした。

  • 楽天グループ代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏

    楽天グループ代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏

  • 発表会の登壇者ら。左から順にGoogle日本法人代表の奥山真司氏、同YouTube Japan代表の山川奈織美氏、ヘア&メイクアップアーティスト/ビューティーディレクターの小田切ヒロ氏、楽天グループ代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏、同専務執行役員 コマース&マーケティングカンパニー プレジデントの松村亮氏

    発表会の登壇者ら。左から順にGoogle日本法人代表の奥山真司氏、同YouTube Japan代表の山川奈織美氏、ヘア&メイクアップアーティスト/ビューティーディレクターの小田切ヒロ氏、楽天グループ代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏、同専務執行役員 コマース&マーケティングカンパニー プレジデントの松村亮氏