古くは千手観音、最近では宿儺まで……「マルチアームキャラ」は老若男女問わず憧れの存在です。

もし人類の祖先が昆虫だったら、4本腕ぐらいはワンチャンあったかもしれませんが、我らは哺乳類。残念ながら腕は2本しかなく、左手でキーボード、右手でマウスを操作しながら、同時にショートカットキーを叩き込む……なんて芸当は不可能。残念無念です。

そこで今回レビューするのが、足でクリクリ操作できるプログラマブルデバイス「400-MAB211BK」。あらかじめ登録したキー入力やマウス操作を、シングル&ダブルクリックで実行できる優れモノなのです。

片手デバイスを導入してもなお理想の操作性に到達していない求道者は、ぜひ本レビューを最後までご覧ください。

  • サンワサプライ「400-MAB211BK」3,180円(購入しました)。本稿は足で押す前提ですが、普通にデスク上に置いて手でも押せます

    サンワサプライ「400-MAB211BK」3,180円(購入しました)。本稿は足で押す前提ですが、普通にデスク上に置いて手でも押せます

合計で8つのコマンドを登録できる足用のプログラマブルスイッチ

サンワサプライの「400-MAB211BK」はBluetooth 5.3/USB接続対応のプログラマブルスイッチ。立方体に近い形で、上面に直径16mmのスイッチを用意。シングルクリックとダブルクリックに異なるコマンドを割り当て、足などでプッシュすることで実行します。両手作業と並行して実行したいコマンドを登録しておけば、作業を効率化できるわけです。

なお背面のモード切り替えボタンを押すことで4つのモードに切り替え可能。つまり4つのモードそれぞれにシングルクリック、ダブルクリックへコマンドを割り当てられるので、合計8つのコマンドを登録できるわけです。

  • パッケージは簡素

    パッケージは簡素

  • 中身は本体とUSBケーブルのみ。説明書はQRコードから参照する仕様です

    中身は本体とUSBケーブルのみ。説明書はQRコードから参照する仕様です

本体サイズは55×52×30mm、重量は約37g。バッテリーを内蔵しており、連続作動時間は約28時間、連続待機時間は約9120時間(380日)、使用可能日数は約20日間とされています。

  • 上面にはスイッチを配置。その下には4つのLEDが並んでおり、M1は赤色、M2は緑色、M3は青色、M4は白色に点灯し、いまどのモードに入っているのかがわかります

    上面にはスイッチを配置。その下には4つのLEDが並んでおり、M1は赤色、M2は緑色、M3は青色、M4は白色に点灯し、いまどのモードに入っているのかがわかります

  • 本体底面には認証情報が記載。技適マークもちゃんと入っていますよ

    本体底面には認証情報が記載。技適マークもちゃんと入っていますよ

  • 背面には電源スイッチ、USB Type-C端子、ペアリング・充電LED、ペアリング・モード切り替えボタンを用意

    背面には電源スイッチ、USB Type-C端子、ペアリング・充電LED、ペアリング・モード切り替えボタンを用意

  • 本体の実測重量は37.86g

    本体の実測重量は37.86g

本製品にはひとつ注意点があります。それは設定ソフトウェア「割り当てキーボード/フットペダル用ドライバ」(SANWA-2.0.0-win-x64.exe)がWindows向けにしか用意されていないこと。対応機種は、Windows、Android、iOS、iPadOSとされていますが、設定には必ずWindows PCが必要となります。

まあ一度セットアップすれば、そうひんぱんに設定を変更する必要はないので、会社とか友達、ネカフェ、漫喫のPCで設定すれば済む話ではありますが、最低限Mac用ソフトウェアは用意してほしかったところです。

  • 「400-MAB211BK」の設定にはWindows PC環境が必須です

    「400-MAB211BK」の設定にはWindows PC環境が必須です

Bluetooth接続したのち、有線接続してコマンドを登録

設定方法はそれほど難しくはありません。まずは前準備としてUSB ACアダプターやPCと接続して充電。つぎに背面の電源スイッチをオンにしてから、ペアリング・モード切り替えボタンを3秒以上長押しして、ペアリングモードに移行。あとはWindows PCのBluetooth設定から「デバイスの追加」を実行すれば、「400-MAB211BK」をワイヤレス接続できます。

  • まずは前準備として「400-MAB211BK」を充電

    まずは前準備として「400-MAB211BK」を充電

  • 一般的なBluetooth製品と同じように登録可能。パスコードの入力は求められません

    一般的なBluetooth製品と同じように登録可能。パスコードの入力は求められません

ここまで作業が済んだら、あとはコマンドを登録するだけ。本製品をUSB接続した状態で、「割り当てキーボード/フットペダル用ドライバ」を起動すれば、すぐ設定画面が表示されます。登録画面はキーボード、マウス、文字列、ショートカットに分けられているので、それらで実際のコマンドや文字列を選択したのちに「保存」を押せば、そのコマンドが「400-MAB211BK」に書き込まれます。

すべてのコマンドは「400-MAB211BK」内に保存されているので、ほかのWindows PC、Android、iOS、iPadに接続した場合でも、それぞれのデバイスにソフトウェアをインストールすることなく、登録済みのコマンドを実行できるわけです。

  • コマンド登録の際にはWindows PCとUSB経由で有線接続する必要があります

    コマンド登録の際にはWindows PCとUSB経由で有線接続する必要があります

  • これはデフォルトの画面。どのコマンドを登録するかは右のタブから選びます

    これはデフォルトの画面。どのコマンドを登録するかは右のタブから選びます

  • 左からキーボード、マウス、文字列、ショートカットの設定画面。ちなみにショートカットキーは「キーボード」で選択し、一般的なキーボードの機能キーは「ショートカット」から登録します。ちょっとややこしいですね

    左からキーボード、マウス、文字列、ショートカットの設定画面。ちなみにショートカットキーは「キーボード」で選択し、一般的なキーボードの機能キーは「ショートカット」から登録します。ちょっとややこしいですね

  • 8つ登録枠があれば十分ですね。なお、文字列には日本語のような2バイト文字を設定できないので、とりあえず「PC broke. Writing article now. Sorry!」を登録しておきました。いつでも秒速で言い訳できます!

    8つ登録枠があれば十分ですね。なお、文字列には日本語のような2バイト文字を設定できないので、とりあえず「PC broke. Writing article now. Sorry!」を登録しておきました。いつでも秒速で言い訳できます!

  • Android、iOS環境で、楽譜や本をめくる「ページターナー」として利用する際には「Androidページ送り」、「iOSページ送り」を選択してからアプリを終了します

    Android、iOS環境で、楽譜や本をめくる「ページターナー」として利用する際には「Androidページ送り」、「iOSページ送り」を選択してからアプリを終了します

  • 保証外の使い方ですが、MacでもBluetooth接続できて、一部コマンドを実行できました。キーマップやショートカットの組み合わせが違うだけなので、工夫すれば使えなくはないです

    保証外の使い方ですが、MacでもBluetooth接続できて、一部コマンドを実行できました。キーマップやショートカットの組み合わせが違うだけなので、工夫すれば使えなくはないです

ちょっと悩んだのが「足裏のどこで押すか」ということ。「400-MAB211BK」は意外と小さいので、最初は親指で押そうと考えていました。しかし、これが想像以上に難しい。少なくともノールックで親指だけで正確に踏み抜くのはかなり厳しいと感じました。

最終的には母指球か土踏まずで押すことにしました。利き足の内側に配置し、かかとを支点に回転させるイメージですね。なお、足先をずっと浮かせてスタンバっておくのは、思った以上に疲れます。このあたりは実際に購入したら、ぜひ自分のスタイルに合わせて試してみてください。

ちなみに、脇に挟んで「締める」動作で押すという運用も案外アリ。いずれにしても、足で押すことも想定して設計されているだけあり、スイッチはかため。誤動作はしにくいですよ。

  • 母指球と土踏まずがシングルクリックもダブルクリックもやりやすいです。かかとは……壊しちゃうかもです

3,180円という手頃な価格で「新しい腕」をゲット

「400-MAB211BK」は、3,180円という手頃な価格で「新しい腕」を手に入れられる、高コスパなデバイスです。

設定用ソフトウェアはWindows専用ですが、設定さえ済めばほかのOSでも使えるのもメリットです。いまの寒い時期なら、ベッド横のスタンドにタブレットを設置して、ヌクヌクした布団のなかで本製品でページめくりすると快適ですね。

ちょっと惜しかったのが「モード切り替え」の難しさ。現状では背面ボタンを押す必要があります。足だけの操作ではほぼ不可能です。スイッチの「長押し」などでモードを順次切り替えられる仕様だったら、全8コマンドをシームレスにフル活用できたはずです。

また、机の下という見づらい場所で使うため、操作を受け付けた際に「ピッ」とビープ音が鳴るオプションがあれば、確実に押したことを判断できてより快適だったと思います。

とは言え現状の仕様でも、ショートカットを多用する作業や、単純な繰り返し作業の効率化には絶大な威力を発揮します。初回販売ぶんはあっという間に蒸発してしまったようなので、完売する前に1月下旬入荷予定の商品を早めに押さえることを強くオススメいたします。