Appleは11月12日(現地時間)、「Apple Wallet」にパスポート情報を登録し、身分証明書として利用できる「Digital ID」のベータ提供を米国で開始した。
これは9月に「iOS 26」をリリースした際に予告されていた機能で、まずは米国内の空港におけるTSA(運輸保安庁)の保安検査場で利用可能になる。
Apple Walletはこれまで、クレジットカードや交通系ICカード、チケット、車のキーなどを登録できる機能を提供してきた。2022年からは、米国の複数の州で運転免許証や州発行のIDカードのデジタル化への対応も進められている。
今回のDigital IDは、この流れをさらに拡張する取り組みである。これにより、「REAL ID」と呼ばれる米国の連邦基準に準拠したIDカードを所持していないユーザーでも、パスポートがあればApple Walletに登録し、身分証明の手段として利用できるようになった。
登録手順は以下の通りである:
- Walletアプリの「+」ボタンから「Digital ID」を選択。
- iPhoneのカメラでパスポートの写真ページをスキャンする。
- パスポートの裏表紙に埋め込まれているICチップをiPhoneで読み取る。
- カメラで自身を撮影し、画面の指示に従い顔や頭を動かす動作を行う。
Digital IDの主な利用シーンとして、まずは米国内の空港が想定されている。ユーザーは、サイドボタン(またはホームボタン)をダブルクリックしてWalletにアクセスしてDigital IDを選択し、空港の保安検査場に設置された専用のIDリーダーにiPhoneやApple Watchをかざす。認証にはFace IDまたはTouch IDが使用され、デバイスのロックを解除したり、端末を係員に手渡しする必要はない。
Appleによれば、米国内の250以上の空港でTSAのチェックポイントがDigital IDのベータ版に対応し、米国内旅行時の対面での本人確認に使用できるようになる。ただし、現時点では物理的なパスポートの完全な代替とはならず、国際渡航や国境通過には利用できない。TSAのWebサイトでは旅行者に、「物理的なIDが必要になる場合がある」と注意喚起している。
将来的には、対面での本人確認にとどまらず、アプリやオンラインでの本人確認・年齢確認などにも活用できるようにする予定である。

