中国Huaweiは7月22日、メインカメラに可変ズーム機能を備えた「HUAWEI Pura 80 Ultra」を始めとした「Pura 80」シリーズのグローバル版をタイ・バンコクで発表した。

2025年6月に中国で先行発表された製品だが、今回タイ・バンコクでグローバル版の発表会を開催。Pura 80シリーズは高いカメラ性能を持つ「Pura」(ピュラ)シリーズ最新モデルで、東南アジアを中心に順次発売する(タイでは予約受付中、8月9日から発売開始)。

製品の詳細については発表時のニュース(「【速報】ファーウェイ、異色のカメラ機構を備えたフラッグシップスマホ「Pura 80」グローバル発表」)に譲り、ここではタブレット「MatePad」の新製品も登場した発表会の模様および、展示されていた実機を写真で紹介したい。なおいずれの製品も日本展開は未定とのこと。

  • 「Pura 80」シリーズ。手前からPura 80 Ultra、Pura 80 Pro、Pura 80

  • 発表会はアイコニックな三角形のカメラバンプを模したライトで演出された

取材協力:ファーウェイ・ジャパン

ユニークなカメラ機構のPura 80 Ultraがアツい!

ラインナップはPura 80/Pura 80 Pro/Pura 80 Ultraという3機種の展開。なお先行発表している中国ではProとUltaの間に「Pura 80 Pro+」も用意されている。

注目は最上位モデルのPura 80 Ultraで、物理的な可変絞り機構を内蔵した1インチセンサーカメラや、2つの異なるレンズで1つのイメージセンサーを共有する望遠カメラなど、非常にユニークなカメラ機構が導入されている。Ultraの主な特徴は下記の通り。

  • 物理可変絞りを備えた1インチセンサーのメインカメラ
  • 2つの望遠レンズで1つのイメージセンサーを共有する独自構造
  • IP68の防塵防水・IP69の高温・高圧噴流水もサポート
  • 6.8インチOLEDディスプレイ、最大120Hzリフレッシュレート
  • OSはHuaweiのEMUI 15.0、アプリはAppGalleryから
  • Puraシリーズはカメラに注力した「P」シリーズの後継シリーズ

  • これまでのP/Puraシリーズの特徴的なカメラ性能

  • P/Puraシリーズで導入された特徴的なデザインも紹介

1インチの可変絞り付きメインカメラ

背面に三角形の大型カメラバンプを備え、メインカメラとして50MPの1インチセンサーカメラ(22.5mm相当)、50MPの望遠カメラ(3.7倍、83mm相当)、12.5MPの望遠カメラ(9.4倍、212mm相当)、40MPの超広角カメラ(13mm相当)に加え、1.5MPのマルチスペクトルセンサーを搭載する。

このうち1インチセンサーカメラはF1.6~F4.0の物理的な可変絞り機構を内蔵。ダイナミックレンジも拡大しており、前世代モデル「Pura 70 Ultra」と比べ15倍を実現したという。可変絞り機構は肉眼でも確認でき、F1.6~F4までF0.2刻みでスムーズに絞りが変わる様子が確認できた。

  • Pura 80 Ultraのカメラ部分。50MPの1インチセンサーカメラ(22.5mm相当)は左下にあるレンズだ

  • Pura 80 Ultraを掲げるPeter Liu氏(Director of Flagship Handsets GTM)

  • 向かって右下がメインカメラ。F値1.6の状態

  • こちらはF値4の状態。絞り機構はスムーズに動いていた

2つの望遠レンズで1つのセンサーを共有

特にユニークなのが3.7倍/9.4倍となる2つの望遠カメラ。レンズ内部に可動式の“壁”を備え、ユーザーが選択したズーム倍率に応じて“壁”が動き、有効なカメラへ切り替わる(無効なカメラの受光を“壁”で防ぐ)。2つの望遠レンズで共有することで、1/1.28インチサイズという比較的大型のイメージセンサーを搭載し、かつセンサー数を増やさずに複数の画角/焦点距離を実現できたことがメリットだという。

実機を見ると三角バンプの中で最も大きい黒丸の中に2つのレンズが配置されていることがわかる。共有するセンサーは1/1.28インチセンサーで、一般的なペリスコープ構造のカメラは60~70程の部品で作られているのに対し、Ultraの望遠カメラは143の精密部品で作られているそうだ。

  • 右側の黒丸エリアに2つの望遠レンズが並んで配置されている

  • 3.7倍/9.4倍となる2つの望遠カメラを搭載

  • 2つの望遠レンズで1つのイメージセンサーを共有する構造

実際にPura 80 Ultraの撮影画面に表示される3.7倍ボタン/9.4倍(UI上は「10x」)ボタンを切り替えると、ワンテンポ遅れて壁がモーター駆動で素早く動き、バイブレーションのような振動を感じた。このとき撮影画面側では、切り替え直後ではぼやけていた被写体が、壁が動くと同時にシャープになる(焦点が合う)。面白い仕組みだ。

  • Pura 80 Ultraの撮影画面

Pura 80 Ultraで3.7倍のボタンと9.4倍のボタンを交互に押してみると、レンズの内部で“壁”が動く様子がわかる

3.7倍はフルセンサー撮影、9.4倍はセンサーの一部を切り取り撮影

この機構をファーウェイは「Switchable Dual Telephoto Camera」と呼んでおり、歯車を取り付けたモーターで壁を動かしている。このカメラモジュールは複雑な機構のため従来のモジュールの3倍となる150以上の工程を経て製造されているという。特に耐久性を重視した設計で、5~10年の耐用年数を想定し、最大18万回の使用テストを実施したとのこと。

ただし注意したい点が1つ。上にも書いた通り望遠カメラは2レンズで1つのセンサーを共有する仕組みだが、50MP(3.7倍、83mm相当)、12.5MP(9.4倍、212mm相当)と有効画素数が異なっている。

この点についてファーウェイのPura 80製品担当者に尋ねたところ、9.4倍での撮影時は共有センサーの一部のみ使用する形(いわゆる“切り取り”)になるという。このため、センサー全域を使用し、かつピクセルビニング(複数画素の結合)で撮影する3.7倍と比べ画質が落ちる可能性があるとされた。公式の製品紹介ページでは“3.7x and 9.4x dual optical zoom”と紹介されているので注意されたい。

なお、2つの望遠レンズで1つのセンサーを共有するメリットは、それぞれのレンズで撮影した際に同じような発色が期待できること、内部スペースに余裕ができること、2つセンサーを搭載するより大きなセンサーを搭載できることなどだそうだ。

  • Pura 80 Ultraを使い暗所で撮影した実際の写真。左から1倍/3.7倍/9.4倍

  • Pura 80 Ultraを使い室内から屋外を撮影した実際の写真。左上が1倍/右上が3.7倍/左下が9.4倍/右下が100倍

  • Pura 80 Ultraを使い室内で造花をマクロ撮影

画面サイズ・持ってみた所感・価格など

画面は6.8インチのOLEDで、解像度は2,848×1,276ピクセル(最大120Hzリフレッシュレート)。メモリは16GB、ストレージは512GB/1TB。IP68の防塵防水、IP69の高温高圧噴流水に対応する。CPUは公式サイトの記載や端末のシステム情報からもわからず不明だった。

三角カメラバンプのインパクトが強く、相当重いかと思いきや、持った感じは意外と「気持ち重めの大型スマホ」程度の感触(仕様上の重さは約233.5g)。短時間触った限りではバンプ部分が特別重いようにも感じられなかった。ただ片手で持ったとき人差し指がちょうどカメラバンプに当たる位置となるため、レンズ部が汚れやすいかもしれない。

  • カメラバンプはざっと5mmほどせり出している印象

  • 手に持ってみたところ

  • 前面。インカメラはパンチホール型

  • Pura 80シリーズではAIを活用した機能も多く搭載されている

  • Pura 80シリーズのデザイン・カメラの特徴まとめ

通信はIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be準拠の無線LAN、Bluetooth 5.2をサポート。バッテリーは5,170mAhを内蔵し、最大100W(20V/5A)の高速充電および、80W Huaweiワイヤレス充電を利用可能できる。価格情報は次の通り。なお無印のPura 80はComing Soonと紹介され、価格は明かされなかった。

  • Pura 80 Ultra(16GB+512GB):49,990バーツ
  • Pura 80 Pro(12GB+512GB):38,990バーツ
  • Pura 80:Coming Soon

低反射画面の11.5型タブレットも登場

Pura 80シリーズに続いて発表されたのがタブレット製品「HUAWEI MatePad 11.5」。スマートキーボードや第3世代のHUAWEI M-Pencil(デジタルペン)、Officeアプリ「WPS Office」と組み合わせてPCのように使えるタブレットだ。

  • HUAWEI MatePad 11.5。低反射の「PaperMatte Display」を採用している

11.5インチ(2.5K)ディスプレイは低反射で目に優しく紙のような書き心地をうたう「PaperMatte Display」を採用。ナノスケールの「マグネトロン光学コーティング」により、2024年モデルと比べ反射を60%低減しながら最大透過率は95%と、映像が見えやすくなったとする。輝度は最大600nitsで太陽光の下での使用も想定されている。

バッテリーは10,100mAhを搭載し、ローカルでの動画再生時で約14時間駆動。こちらも無印版Pura 80と同じく「まもなく登場」とされ、価格や発売日といった詳細は明かされなかった。

  • ファーウェイのタブレット「MatePad」シリーズの変遷

  • 現在は“PCのようなタブレット”から“PCレベルのタブレット”へ進化

  • MatePad 11.5も価格や発売日は未発表だった

  • バンコクのファーウェイショップ(Oneworld店)に展示されていたタブレット「MatePad Pro 13.2”」。今回発表されたモデルではないが同じ低反射ディスプレイ「PaperMatte Display」を採用している

  • Pura 80の実機

  • Pura 80 Proの実機

【お詫びと訂正】初出時、搭載OSをハーモニーNextとしていましたが、グローバル版ではEMUI 15.0だったため変更しました(2025年8月4日 15:15)