米Mozillaは、5月27日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 139」をリリースした。Firefox 139は、いつも通りFirefox 138から4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 138では、2025年5月1日にマイナーバージョンアップの138.0.1が、、2025年5月13日にマイナーバージョンアップの138.0.3(138.0.2はスキップされたようだ)が、、2025年5月17日にマイナーバージョンアップの138.0.4がリリースされている。138.0.1では、以下の修正が行われた。

  • 一部の環境でホームページと新しいタブページに空白ページが表示される問題の修正
  • outlook.office.comやoutlook.live.comの利用中に、添付ファイルの保存する際ファイル名にUTF-8のプレフィックスが誤って付加される問題の修正

138.0.3では、以下の修正が行われた。

  • WebGLを使用しているWebサイトの表示時にクラッシュが発生する問題の修正
  • 特定のSVG効果(ぼかしやドロップ シャドウなど)が非常に小さな領域に適用されるとブラウザーが繰り返しクラッシュする可能性がある問題の修正
  • Linux版:HDRサポートが利用できない場合に Waylandでビデオ再生が色あせて表示される問題の修正
  • ページ内検索ツールバーの[大文字と小文字を区別する]ショートカット[Alt]+[C]でチェックボックスが期待どおりに切り替わらない問題の修正

138.0.4では、以下のセキュリティアップデートが行われた。

  • Promiseオブジェクトを解決する際の境界外アクセス
  • 線形和を最適化する際の境界外アクセス

いずれも、深刻度は4段階中最高の「Critical」となっている。デフォルトでは、自動でアップデートされるが、[ヘルプ]でバージョンを確認しておきたい。今回は、138.0.4からのアップデートとなる。

Firefox 139のインストール

すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。

  • 図1 Firefox 139へのアップデート

    図1 Firefox 139へのアップデート

アップデート後のFirefox 139は、図2のようになる。

  • 図2 バージョン139にアップデート直後のFirefox

新規に、Firefox 139をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。

  • 図3 Firefoxのダウンロードページ

[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。

  • 図4 Firefox 139のインストール

画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。

Firefox 139の新機能

続いて、新機能であるが、以下のとおりである。

  • moz-extension://で始まるFirefox拡張機能ページ内でページ全体の翻訳が利用可能に
  • 新しいタブのカスタム壁紙(およびカラー)オプションが利用可能に。手持ちの画像を新しいタブの壁紙としてアップロード、明るいピンクからダークグレーまで、好みのカラーを選択できる。この機能は、新規ユーザー向けに段階的に展開される。現状は、バーガーボタンの[設定]→[Firefox Labs] から有効化することも可能である。
  • 図5 [新しいタブの壁紙や背景色を選べます]を有効に

以上で、利用可能になる(環境によって、実行できないこともある)。

  • 図6 壁紙を選択

ここからさらに、カテゴリごとに写真を選ぶことができる。たとえば[無地]を選ぶと、背景色の選択となる。

  • 図7 背景色の選択

現状、実験的な機能なので、すべての環境で実行できるとは限らない。他にも、新しい壁紙画像と天体カテゴリーも追加された。

さらに実験的な機能として、リンクプレビューが追加された。有効化するにはバーガーボタンの[設定]→[Firefox Labs]で[リンクプレビュー]を有効にする。

  • 図8 [リンクプレビュー]を有効に

有効化後、リンクにマウスオーバーした際に[Alt]+[Shift]キーを押すと、プレビューの動作を確認できる。

  • 図9 リンクプレビュー

こちらも実験的な機能なためすべての環境で実行できるとは限らないない点に注意してほしい。

セキュリティアップデート

同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで10件である。深刻度の内訳は、4段階で上から1番目の「Critical」が1件、4段階で上から3番目の「Moderate」が6件、4段階で上から4番目の「Low」が3件となっている。

「Critical」では、

  • libvpxエンコーダの二重開放

が対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。