米Anthropicは4月15日(現地時間)、AIチャットボット「Claude」に2つの主要な新機能を追加したと発表した。1つは、GmailやGoogleカレンダー、Googleドキュメントとの連携を可能にする「Google Workspace統合」であり、もう1つは高度な情報収集・分析を自動で実行する「Research」機能である。

ClaudeはこれまでにGoogleドライブとの接続に対応していたが、今回のGoogle Workspace統合により、ユーザーの許可に基づいてGmailのメール、Googleカレンダーの予定、Googleドキュメントの内容を直接参照可能となった。例えば、「先週の会議の議事録をまとめてほしい」「この取引先との過去のメール履歴からアクションアイテムを抽出してほしい」といった指示に対し、Claudeは関連するメールやドキュメントを検索し、出典リンク付きで回答を提示する。これにより、従来手作業で行っていた情報収集や整理の手間を大幅に軽減できる。

Google Workspace統合は、有料プラン(Max、Team、Enterprise、Pro)のユーザー向けにベータ版として提供が開始されている。なお、TeamおよびEnterpriseプランでは、管理者が組織全体でこの連携機能を有効にする必要がある。

一方のResearch機能は、ClaudeがWeb上の情報やユーザーの作業環境内のデータを横断的に検索し、調査・分析を自動で行う機能である。ユーザーの質問に対し、単一の検索で回答するのではなく、Claudeが段階的に検索内容を深め、関連情報や新たな疑問点を見出しながら包括的な結論へと導く。「エージェント的(agentic)」に動作する機能である。

例えば、「競合製品の最新動向と、その市場シェアの変化を調査してほしい」と依頼すると、Claudeは関連するニュース記事、公式発表、分析レポートなどをWeb上から収集し、さらに必要に応じてユーザーが接続を許可したGoogle Workspace内の関連文書も参照しながら、複数の情報源を組み合わせて包括的な回答を提示する。提示される回答には出典が付記され、ユーザーは回答の根拠を容易に確認できる。

Research機能は現在、米国、日本、ブラジルにおいて、Max、Team、Enterpriseプランのユーザー向けに早期ベータ版として提供が開始されている。