MSIのGPU・電源を中心に作例や試遊台アリのイベント開催

2025年3月22日にLIFORK秋葉原 IIにてMSI カスタムPCパーツ SHOW 2025が開催されます。今回は前日に行われたプレゼンテーションと製品展示の様子を紹介します。

  • MSI カスタムPCパーツ SHOW 2025の会場となったのはいつものLIFORK秋葉原 II。取材は21日のプレス・インフルエンサー向けで行っています

プレゼンテーションで説明があったRTX 50シリーズグラフィックスカードと電源に加えて、マザーボードが中央テーブルに展示されているほか、入って右側に作例を兼ねたモンハンワイルズの試乗台を展示。左側にはオープンフレームを使用した作例と自作体験コーナーが用意されていました。

  • 今回の展示主力はRTX50シリーズグラフィックスカード。5枚並んでいるのは製品ラインが5つに増えたためで、左の方がハイエンド製品です

  • 先の画像の背中側となる会場右側には作例と共にモンハンワイルズ試遊台が2台あります

  • 今回のハイエンド系GPUはホルダーが付いてくるのですが、作例はVGAスタンドで押さえていました。ドラゴン模様が入っているのでMSIグラボとの相性は抜群です

  • こちらが白い方の作例の構成。Ryzen 9 9900XとGeForce RTX 5070の組み合わせ

  • 黒い方はCore Ultra 9 285KとGeForce RTX 5080の組み合わせ。GPU近くのサイドパネルを触ってみると熱気が感じられます

  • 反対側の壁側には長尾製作所のオープンフレームを使った作例も。こちらは白構成でCore Ultra 7 265KとRTX 5080の組み合わせ

  • 黒構成の方はRyzen 9 7950X3DとGeForce RTX 5090の液冷モデルの組み合わせで360mmラジエーターが2台ドドンと並んでいます。ちなみにSuprim Liquidですが、液冷ユニットをつけていても本体ボードがなかなか温かったのが印象的

  • 同じテーブルにはDIY体験用の機材が置いてあります。GPUとM.2 SSDの取り付け、取り外しの容易さを体験してもらおうという想定のようです

  • 中央の台のGPUと反対側は電源ユニットの紹介

  • 今回説明でイチオシだったのがMPG GSシリーズ。今回展示されている3製品とも80PLUS/Sybenetics/PPLP認証なのがポイント

  • MPG GSシリーズの最大の特徴は12V-2x6コネクタが2つあること。GPU二枚を想定しているようです

  • ケーブルも特別。シースがなく代わりにオーガナイザーが付いていることとケーブルにテクスチャがつけられた細いものなのでSFF等での取り回しに有利です。現在の欠点はGSシリーズに白モデルがなく、ケーブルも黒のみというところ

  • GSのSはSilentのS、負荷40%以下だとファンレス動作させるスイッチが付いています

  • 展示してあったMPG 1000GSの銘版。不思議だったのは、80PLUS/Sybenetics/PPLP認証なのに銘版にSybenetics/PPLPのマークがないこと。箱に書いてあるのでしょうか?

  • Z890 / B860のマザーボードも展示がありましたが、展示だけ。トマホーク祭りである程度紹介したからでしょう

  • ASUSのRTX50イベントでは盗難対策としてワイヤーが付いていましたが、MSIは基板レスで対策していました

GPUは冷却能力とパーツにより5つの製品ラインに変更。未発表製品のチラ見せも

GPUのプレゼンテーションはMSI GPUプロダクトマーケティング担当の富原 啓行氏が担当しました。

  • MSI PCパーツプロダクトマーケティング担当の中島 悠太氏

GeForce RTX 50シリーズはすでに発売されてしばらくたっていますが、機会が今までなかったということで紹介がありました。従来MSIのグラフィックスカードはフラッグシップのSuprim、ミドルクラスのGaming Trio、エントリーのVentusの3ラインナップでしたが、ハイエンドとしてVanguard、AI向けエントリーとしてInspireが加わり、5つのラインナップとなりました。下位の2ラインはNVIDIA SFFに対応するため高さが低めになっています。

  • GeForce RTX 50の製品は5カテゴリに分かれます。追加されたのがVanguardとInspire

  • 下位2ラインはNVIDIA SFF対応となり、小型ゲーミングパソコンに向いています

GPUの冷却にはファン、ベイパーチャンバー、コアパイプ、ヒートシンクと4つのパーツが使われていますが、それぞれの製品が新バージョンに刷新され、ハイエンド製品ならばこれらがフルに使われます。

冷却ファンはStormforceファンという新たな名称がつけられ、7枚のファンブレードすべてが外周で連結されたものに変更。24db時の風量、風圧共に向上しました。ベイパーチャンバーは従来7mm厚のフラットな作りでしたが、チップとメモリとの隙間をさらに埋めるべく凹上になった最大9mm厚の形状に変更しています。

コアパイプはベイパーチャンバー全面に熱が伝わるため、これらを効率的に受け止めるような最適化。ただし、製品ラインナップとチップ種によってコアパイプの本数には大きな差があるようです。ヒートシンクは高さを変えたりV字型にカットしたりと、よりエアフローを考慮したデザインに変更しています。

  • RTX 50シリーズに合わせて製品パーツを強化。当然上位製品はすべて採用していますが、下位製品は昔のパーツを使った製品もあり、このあたりで冷却能力と動作周波数に差が出てきます

そのほか、コネクタ部を黄色い樹脂にして差し込み不良をチェックしやすいケーブルにしたり、接触抵抗を減らす銅合金コネクタを採用したりと、かなり手を入れている感じでした。説明では触れられていませんでしたが、OCを行えば発熱量が増えるため、シリーズ毎に動作周波数が異なるようです。

  • 5070 Ti以上の電力消費量の多い製品には差し込み不良が一目でわかる色付きの12V-2x6コネクタを採用

  • ボードのパーツも高品位なものを採用。これも上位製品はすべて採用していますが、下位ライン製品でもHCIチョーク以外は採用されています。なお、ヒューズは切れたら修理しないと再利用不可とのこと

また、今回のRTX 50シリーズから保証期間が2年に倍増しました。ただしセカンドハンズ品は対象外ですし、RTX 40シリーズまでは従来通り一年です。

  • RTX 50シリーズ製品から製品保証期間が2倍の2年に。ただし、セカンドハンズ品や転売、並行輸入品は対象外です

最後に世界初公開となる未発表製品をチラ見せ。写真撮影だけでなく「こんな製品」とも記事化不可というヤキモキするだけの内容でしたが、「ああ、他社のアレはああなっているからできた製品なので、そういうのもアリ」と思わせる内容でした(タイミング的にはCOMPUTEXで正式お披露目でしょうか?)。

3つのGOLDに対応し、12V-2X6端子が2つ!のMPG GSシリーズを紹介

電源のプレゼンテーションはMSI PCパーツプロダクトマーケティング担当の中島 悠太氏が担当。電源はマザーボード同様にMEG、MPG、MAGの三グレードに分かれていますが、ソフトウェア制御の機能はいらないが、高い品質の製品が欲しいというユーザー向けのMPGから最新のGSシリーズを紹介していました。

  • MSI PCパーツプロダクトマーケティング担当の中島 悠太氏

  • 今回イチオシはMPG GSシリーズ。特徴はこちら

まず3つのGoldについて説明していました。自作ユーザーでは80PLUSという規格を知っている人も多いと思いますが、この規格は電源の変換効率の規定です。80PLUS GOLDならば20%/100%負荷で87%以上、最も変換効率が高い50%負荷で90%以上の変換効率が必要です。

GSシリーズは80PLUS GOLDだけでなく、CybeneticsとPPLPにおいてもGold認証を得た製品、かつサイレント性も備えているのでGSというシリーズ名を備えています。

  • 電源というと容量と価格、保証期間と80PLUS認証程度が選択ポイントと言えましたが、MSIは今回電源認証規格を3つ取得していることを一番にアピール

GSシリーズの大きな特徴として、グラフィックスカードに使われる12V-2x6コネクタを2つ持っているというのも特徴で、クリエイター等での表示以外にも演算や動画エンコーディングなどでGPUを動作させる用途でも有用でしょう。

  • 最近のGPUでは当たり前になった12V-2x6コネクタをふたつ搭載しているのも特徴です

ATX 3.1規格に準拠しており、235%のトータルパワーエスカレーション、300%のGPUパワーエスカレーションにも対応。パワーエスカレーションという言葉はあまりなじみがありませんが、瞬間的な大電力≒電力スパイクに対応するという意味です。

ハイエンド電源ゆえ100%日本メーカー製のサーバーグレードコンデンサを使用し、さらにInfinioのCoolMOSやSiC SBDと言った先端パーツも採用。135mmファンも流体軸受で10年保証にも対応と十分な内容となっています。

Silentに関してはZero Fan Modeというセミファンレスに対応しており、スイッチを入れることでTDP40%以下ではファンレス。それ以上は負荷に応じた回転数となっています。静音性に関してもCybenetics LAMBDA A以上の認証を850/1000W製品で得ているそうです。

  • GSのSはSilentのS。なので低負荷時はファンが回転しないZoro Fan Modeスイッチが付いています

  • ケーブルはバラバラで細いEmbossed Jacket Modular Cableを採用。SFFマシンの組み立てや取り回しの複雑なケースで威力を発揮しそう

  • MPG GSシリーズは850/1000/1250Wの三製品構成ですが、その上を狙う人にはMEG AIがあると言いたげな表が用意されていました

Cybeneticsの認証は変換効率だけでなく、力率(交流を無駄なく使っているかという指標で1が理想的、Gold認証は0.970以上)、5VSB変換効率が75%以上、待機電力が0.19W以下というものです。PPLP(PSU Performance Level Plan)はさらに細かく15のチェック項目があります。80PLUSだけでなくCybeneticsとPPLPもこれからの電源選びのチェックしたいマークになるかもしれません。

今回の記事で紹介してきたイベントは、22日の一般日は11時から17時まで開催。今回行われたプレゼンテーションに加えてシミラボ 清水貴裕をゲストに迎え、来場者プレゼントとしては対象店舗のレシート持参によるガラポン抽選(マザーボード/グラフィックスカード/水冷クーラー/SSD/電源/PCケース/ゲーミングデバイスのMSI製品5000円毎に一回、最大6回まで)、SNSフォロー&リポストと来場アンケートでもノベルティが当たるようです。

  • SNS投稿キャンペーンの商品。左のラッキー君 ビッグ貯金箱は1名。右のラッキー君フィギュアセットは9名に当たります。その他オリジナル電動ドライバーが10名