Ars Technicaは3月11日(米国時間)、「Firmware update bricks HP printers, makes them unable to use HP cartridges - Ars Technica」において、HP製プリンタを3月4日リリースの最新ファームウェアにアップデートすると印刷できなくなると報じた。
新しいファームウェアの影響
HPのプリンタはサードパーティーのインクやトナーの使用を阻止するため、「ダイナミックセキュリティ」と呼ばれる仕組みを搭載している。この仕組みによりユーザーは価格の高い純正品の使用を強制され、一部からは不満の声が出ていた(参考:「HP、ファームウェアアップデートでサードパーティー製インクの使用を禁止 | TECH+(テックプラス)」)。
Ars Technicaによると、先日HPが公開した新しいファームウェアには不具合が存在し、アップデートすると純正トナーも排除されるという。影響を受けたプリンターは「エラーコード 11」を表示して印刷できなくなるとされる(参考:「Error Code 11 - HP Support Community - 9333546」)。
不具合の影響を受けた一部ユーザーはエラーを回避しようと高価なトナーに替えたが、それでも回復しなかったと報告している(参考:「Laserjet m234DW Error 11 - HP Support Community - 9332462」)。
不具合が存在する製品
不具合が存在するとされる製品およびファームウェアバージョンは次のとおり。
- LaserJet MFP M232-M237シリーズ ファームウェアバージョン20250209
HPの対応
HPは不具合の報告を受け、次のとおり声明を発表した。
HP LaserJet 200シリーズの一部機種に影響するファームウェアの問題を認識しており、弊社チームが解決に向けて積極的に取り組んでいます。影響を受けたお客様は、弊社サポートチーム「https://support.hp.com」までお問い合わせください。
Ars Technicaは、HPプリンタのファームウェアアップデートによる不具合は今回が初めてではないと指摘。再三の不具合発生にしびれを切らした一部ユーザーが、別メーカーの製品に乗り換えたことを明らかにしている。
これまでのところ、HPは不具合の原因や影響の範囲、修正パッチ配布の見込みなど、ユーザーが必要としている情報を公開していない。ユーザーへの影響を軽減するため、速やかな修正パッチの公開が望まれている。