折りたたみスマートフォンがついに普通のスマートフォンの代わりになる時代が本格化しそうです。OPPOが2025年2月20日に発表した「Find N5」は世界最薄の折りたたみスマートフォン。開いたときの厚さは4.21mmと世界最薄サイズ。また閉じても8.93mmで厚さは普通のスマートフォンとほとんど変わりません。
Find N5はチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Eliteを搭載するハイスペックなスマートフォンです。AI機能も搭載しており、画像の消しゴム処理やスケッチの清書、文章の要約と言った作業も楽にこなします。スマートフォン単体としても優れた性能を有しているのです。閉じた状態のディスプレイのサイズは6.62インチと十分な大きさ。閉じたままでも不満無く使うことができます。
バッテリーは5,600mAhでOPPO独自のSUPERVOOC方式による80Wの急速充電に対応します。満充電に要する時間は50分とのことで、充電性能もかなり高いモデルなのです。なお本体カラーはホワイトとブラックの2色。中国では独自カラーとしてパープルも存在します。
カメラは老舗のカメラメーカー、ハッセルブラッドと協業しています。これは日本でも販売中の高性能カメラモデル「Find X8」などと同等であり、カメラメーカーの色づくりをスマートフォンにも反映させており、より自然な色合いで写真を撮影することができます。カメラは3つを搭載、広角が5,000万画素、3倍望遠が5,000万画素、超広角が800万画素です。
さてFind N5が驚異的なのはその本体サイズです。まず閉じたときの厚みは8.93mm。折りたたみスマートフォンもついに9mmを切る厚さとなりました。ちなみにサムスンの「Galaxy Z Fold6」は12.1mm、Googleの「Pixel 9 Pro Fold」は10.5mm、これまで世界最薄だったHONORの「Magic V3」は9.2mmです。そして重さも229gと折りたたみスマートフォンとしては軽量で、「iPhone 16 Pro Max」の227gと2gしか変わりません。
本体を開くと8.12インチのディスプレイが使えます。他社の折りたたみスマートフォンは最大サイズが8.03インチであり、小型タブレットとして使うときにより大きな画面を利用できます。なお本体サイズが薄いため、開いたときの画面サイズが大きくなっても持ちやすさに差異はないと感じます。
そして開いたときの厚さは4.21mmです。HONORのMagic V3が4.35mmだったので、わずかとはいえ開いたサイズでも世界最薄を実現しました。ここまで薄いとUSB端子の厚さ相当であり、これ以上の薄型化はかなり限界ではないかと思わせるほど。OPPOは既存の規格ぎりぎりまで薄型化を進めたのです。
OPPOの折りたたみスマートフォンは画面の分割表示に優れており、一般的な折りたたみスマートフォンのようにウィンドウを小さく分割するだけではなく、3つの大きな画面を入れ替えるように表示することもできます。そのため生産性を高めることが可能であり、ビジネスユースにも優れています。またFind N5ではApple製品との連携も強化しており、MacBookのリモート操作も可能。本体を折り曲げて使えば、超小型のMacBookのようにも利用できます。
メインディスプレイは2,100nitsと輝度も高く、就寝時はブルーライトをカットする機能も搭載。長時間の利用でも目が疲れにくい設計になっています。本体は本来開いて使うものですが、書籍のようにちょっと折り曲げて使うのも読書時には見やすいかもしれません。開く、閉じる、曲げると、3つのスタイルで使うことができます。
OPPOの横折り型のスマートフォンはこのモデルで4機種目となります。最初の2機種は開いたときのサイズが横手方向に大きく、やや小型なモデルでした。縦折り式と横折り式のいいとこ取りを狙ったような製品だったのです。しかしユーザーが折りたたみモデルに求めているのは大画面であり、2023年に3機種目となる「Find N3」をリリースしました。ところが2024年になると折りたたみスマートフォンの薄型化競争が始まり、OPPOは3モデル目の折りたたみモデルも市場での話題を勝ち取ることができなかったのです。
今回発売されたFind N5は世界最薄という堂々としたアピールポイントを持っています。またグローバルと中国市場で同時に発表になり、すでに海外では大きな話題になっています。ここまで特徴的な製品であれば、日本でも高く評価されるのではないでしょうか? ぜひ日本でも発売してほしいと思います。