ソースネクストは11月21日、オフラインでも英語の文書を翻訳できるPC向けソフトウェア「AI本格翻訳」を発表した。ダウンロード提供となり、価格は19,800円。都内で開催された発表会では、登壇した同社代表取締役社長兼COOの小嶋智彰氏が「Google翻訳に匹敵する高精度な翻訳を実現した」と自信を見せた。
「AI本格翻訳」は、オフライン環境のPCで稼働でき、かつ高度な翻訳精度をうたうPC向けソフトウェア。これまで主にデータセンターやクラウド環境で実現していた高度なニューラル機械翻訳(NMT)を、オフラインの家庭向けPCで利用できるようにした製品となる。ソースネクストのAI研究開発部門「ソースネクストラボ」が翻訳エンジンの中から最適なものを選定し、動作などを最適化している。
機械翻訳の評価指数「BLEUスコア」は26.9点。Google翻訳の値(28.28)と近い値となり、小嶋氏は「Google翻訳にほぼ匹敵する翻訳精度をオフラインで提供する」と紹介した(スコアは同社が総文字数3,314,931文字、50,000文の日英対訳から算出。なお同条件下で算出したDeepLのスコアは32.37)。精度だけでなく、同社は2024年にNPU搭載のAI PCが多く発売されたことを背景に、「AI本格翻訳」がオフラインかつ標準的な性能のPCで動く軽量ソフトである点も強みとしている。
オフラインであることのメリットについて、ソースネクストでは「セキュリティ」「コスト」「便利」の3つを挙げている。サーバー側での処理が不要のため、個人情報や機密性の高い情報を扱えるほか、サーバー運用代も不要。フライト中などネットに接続しにくい場所でも使えることがポイントだ。
現時点での翻訳言語は日英/英日のいずれかのみ。テキストを専用ボックスに貼り付けて翻訳できるほか、ファイル(.doc / .docx / .xls / .xlsx / .ppt / .pptx / .pdf)ごとの翻訳、画像の指定範囲をOCRで読み取って翻訳することも可能。指定フォルダに格納したファイルの自動翻訳機能も備える。文字数やファイル数、1ファイルの容量などに制限はない。
AIの進化にともなう翻訳性能の向上や、ユーザーによる単語登録、対応言語の拡充といった機能追加を随時行っていく予定。目標販売数は2027年3月までに5万本。法人向けのライセンス版も今月中には発売したいという。
Office系のファイル翻訳を行なうにはMicrosoft Officeのインストールが必要。対応OSはWindows 11/10(64ビット版)、推奨構成はCPUでIntel Core i7 8750H以上、メモリで16GB以上。インストール容量は約1GB以上。