米Intelが10月31日(現地時間)に発表した同社2024年度第3四半期(2024年7〜9月)決算は166億4000万ドルの赤字だった。リストラ費用および減損費用として計185億ドルを計上し、昨年第1四半期の27億6000万ドルの損失を大きく上回る過去最大の赤字となった。しかし、売上高がガイダンスの中間点を上回り、10〜12月期についても上向きな見通しを示したことで、時間外取引で株価が同日終値から一時約15%上昇した。

7〜9月期のGAAPベースの売上高は132億9000万ドル(前年同期比6%減)で、166億4000万ドル(1株あたり3.88ドル)の損失を計上した。非GAAPでは19億8000万ドル(同0.46ドル)の損失であった。

Intel Products

  • クライアントコンピューティング・グループ(CCG):売上高73億ドル(前年同期比7%減)
  • データセンター&AI(DCAI):売上高33億ドル(前年同期比9%増)
  • ネットワーク&Edge(NEX):売上高15億ドル(前年同期比4%増)

Intel Foundry

  • 売上高44億ドル(前年同期比8%減)

そのほか

  • Altera:売上高4億1200万ドル(前年同期比44%減)
  • Mobileye:売上高4億8500万ドル(前年同期比8%減)

Intelは8月に15%以上の人員削減を含む包括的なコスト削減策を発表しており、7〜9月期には28億ドルのリストラ費用が発生した。そのほか、製造資産の減損費用が31億ドルに上り、この大部分は新型コロナ禍でチップ需要が急増した際に行った設備投資の評価減である。のれん(主にMobileye)およびその他無形資産の減損が29億ドル、繰延税金資産の評価引当金が99億ドルとなっている。

ファウンドリ事業の営業利益率は-134.3%。依然として厳しい状況が続いているが、Intelは9月に、ファウンドリ事業を分社化して外部から資金を調達できるようにする計画を発表した。

10〜12月期に関しては、アナリストの予想平均が売上高136億6000万ドル、0.08ドルの1株利益(非GAAP)であるのに対し、Intelのガイダンスは売上高133億~143億ドル、1株利益0.12ドルだった。CFOのデビッド・ジンズナー氏は「今四半期(7〜9月期)に行った施策により、戦略を継続的に実行する中で収益性の向上と流動性の改善が見込まれます。第4四半期のガイダンスに反映されているように、基調の改善に自信を深めています」と述べている。