Q:「メモ」アプリで計算できるようになったと聞きました。どのように使うのですか?

A:計算式のほか、変数の定義、換算、さらにiPhoneの「メモ」アプリではグラフの作成もできます

MacとiPhoneの(そして本記事では触れませんがiPadも)OSが9月にアップデートされて、「メモ」アプリで計算ができるようになりました。

本記事では、まずMacの「メモ」アプリの計算機能を紹介し、最後にiPhoneの「メモ」アプリの計算機能を紹介します。

「メモ」アプリで基本的な計算をする

macOS Sequoiaの「メモ」アプリに計算式を入力すると、計算結果が表示されます。

  • このように計算式を入力し、この後に続けて「=」を入力すると……

  • 即座に計算結果が表示されます。returnキーを押して結果を確定します

計算順序を指定するカッコも認識されます。

  • こちらの式にはカッコが使われています。カッコの部分の計算順序が認識されて、上の図とは異なる結果になります

式に入力ミスがあったり、別の数値で計算したりしたい場合には、数値を変更すると即座に再計算されます。

  • 式を入力し、計算結果をreturnキーで確定した後、矢印で示した部分の数字を変更してみます

  • 即座に新しい計算結果が表示されます

さらに、式に含まれる数値を連続的に変えて、シミュレーションのように使うこともできます。

  • 式に含まれる数値にポインタを合わせると、左右を向いた三角が表示されます。この吹き出しをクリックします

  • スケールの部分を左右にドラッグするか、左端の「<」や右端の「>」をクリックします。するとこの部分の数字が変わり、計算結果も更新されます

「メモ」アプリで変数を定義して計算する

今度は、ランチの集まりの予算を計算してみましょう。 ランチの料理の値段、参加する人数、個室を使う時間の長さによって費用が変わります。個室の費用は、料理の値段や人数にかかわらず、1時間あたり1,000円です。 まず変数の定義から始めます。

  • 変数にする語を入力し、それに続けて「=」と数値を入力します。変数にはアルファベットを使用します

  • 変数の定義より下に、その変数を使った式を入力します。式の最後に「=」を入力すると、変数を定義した際の数値で計算されます。returnキーを押して計算結果を確定します

  • 計算結果が確定すると同時に、変数として認識された部分の文字色が変わります

  • 変数の定義部分で数値を変えると、計算結果がすぐに更新されます

「メモ」アプリで換算もできる

「メモ」アプリに式を入力して換算をすることもできます。1米ドルはいくらかを換算してみます。

  • 「1$」または「1USD」と入力し、続けて「=」を入力すると、円に換算した結果が表示されます。returnキーを押して確定します

自動で円に換算されましたが、これは設定を変更できます。例えば英国ポンドに換算したいとします。

  • 「システム設定」を開き、左側の「一般」をクリックします。右側で「言語と地域」をクリックします

  • 地域が書かれた部分をクリックします。メニューが表示されたら「ヨーロッパ」から「イギリス」を選択して変更します

  • 先ほどと同様に「1$」または「1USD」と入力し、続けて「=」を入力すると、今度は英国ポンドに換算されます

通貨だけでなく、長さや重さなど、さまざまな単位を同様に入力して、換算することができます。

iPhoneの「メモ」アプリでも同じように計算できる

ここまではmacOS Sequoiaの「メモ」アプリで紹介してきましたが、iOS 18の「メモ」アプリでも同様に計算できます。

  • 式を入力して計算します

  • 変数を定義して計算できます

  • 換算もできます

さらに、iOS 18の「メモ」アプリにはグラフを作成する機能もあります。

  • 等号の左右に1つずつ変数のある式を入力すると、吹き出しが表示されます。「グラフを挿入」をタップします

  • グラフが作成されます。グラフをタップし、四隅や各辺についている小さい丸をドラッグして、グラフ自体のサイズを拡大・縮小できます

  • グラフ内を2本指で動かすと、表示範囲を動かせます。地図のアプリなどと同様に、2本指でグラフ内の表示を拡大・縮小できます

【今回の余談】
MacとiPhoneというように異なるデバイスで、同じアプリがあって、ほぼ同じ操作で、ほぼ同じ機能が使えるのは、わかりやすくて便利で助かります。このことは、ハードウェア、OS、ソフトウェア、サービスのすべてをAppleが開発していることによる大きなメリットであると考えられます。
それでは次回も、よろしくお願いします。