米Mozillaは、9月3日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 130」をリリースした。Firefox 130は、Firefox 129からいつもと同じ4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 129では、2024年8月13日にマイナーバージョンアップの129.0.1、2024年8月20日にマイナーバージョンアップの129.0.2がリリースされている。129.0.1では、以下の修正が行われた。
- デジタル著作権で保護されたビデオを含む一部のWebサイトでの再生に関わる問題の修正
- 一部のWebサイトでビデオファイルをドラッグするとクラッシュする問題の修正
129.0.2では、以下の修正が行われた。
- タブの上にマウスをフォーカスすると、「警告」がスクリーンリーダーで出る問題を修正
- 上述の機能に関連するタブカスタマイの拡張機能で、ドラッグ&ドロップを行っても期待通りに動作しない問題の修正
いずれもセキュリティアップデートは行われなかった。今回は、129.0.2からのアップデートとなる。
Firefox 130のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 130は、図2のようになる。
新規に、Firefox 130をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 130の新機能
続いて、新機能であるが、以下のとおりである。
- 全ページ翻訳をした後に、選択したテキスト部分を別の言語に翻訳できるように
図5が実際にやってみたものだ。英文のページをフランス語に翻訳し、選択部分を再翻訳したものだ。残念ながら日本語は未対応のままである。
- [設定]メニューにFirefox Labsページが新たに追加。実験的な機能を簡単に試すことができるようになった。
Firefox Labsページにおいて、現時点で試すことのできる機能は以下の通りである。
- AIチャットボット機能の利用。選択したチャットボットをサイドバーに追加して、閲覧中にすばやくアクセスできるように
- ピクチャーインピクチャーの自動オープン機能。動画を再生中のタブを切り替えると、そのタブのビデオがピクチャーインピクチャーで自動的に表示有効になる
- アドレスバーで、IMEの変換中でも検索サジェストを表示
現状、IME変換の変換候補と同時に表示されてしまう。今後、修正が行われる可能性もある。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで9件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が4件、4段階で上から3番目の「Moderate」が4件、4段階で上から4番目の「Low」が1件となっている。「High」では、
- ArrayTypesを含むWASMの型の混乱
- 「with」関連のプロパティ名で検索すると、型が混乱する不具合
- Firefox 130、Firefox ESR 128.2、Thunderbird 128.2で修正されたメモリ安全性の 問題
- Firefox 130で修正されたメモリ安全性の問題
などが対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。