iPhoneで書類をスキャンしてMacで使うには？ - iPhoneユーザーのためのMacのトリセツ

Q：iPhoneで書類をスキャンして、そのデータをMacで使えますか？

A：iPhoneのアプリでスキャンしてMacと同期したり、Macのアプリからスキャンを始めたりすることができます

本連載の前々回記事ではiPhoneで撮影した写真をMacで使う方法を、前回記事ではMacから操作を始めてiPhoneのカメラで撮影する方法などを紹介しました。

iPhoneのカメラで撮影したデータをMacで使う方法として、書類のスキャンもあります。

iPhoneのカメラで撮影するのですが、使うアプリや手順によっては、写真のフォーマットであるHEIFやJPEGではなくPDFのファイルとして保存できるので、仕事や学習で活用するのに便利です。

書類をスキャンする基本を「メモ」アプリで確認

まず、iPhoneを使って写真をスキャンする手順を「メモ」アプリで解説します。

• iPhoneの「メモ」アプリです。書類を入れたい位置にカーソルを置きます。カメラのアイコンをタップし、「書類をスキャン」をタップします

• カメラで撮影する画面になります。書類が認識されると黄色っぽく表示され、自動で撮影されます

• 撮影された結果を確認したいときは、左下のサムネール（縮小表示）をタップします

• 確認し、これでよければ左上の「完了」を、撮り直すときは右上の「再撮影」をタップします

• 2ページ目以降がある場合は同様に撮影します。撮影や確認が終わったら右下の「保存」をタップします

• カーソルを置いていた場所に、スキャンした書類が挿入されます

以上が基本的な操作の流れですが、スキャンするときの設定もいくつかあります。

書類が認識されるとすぐに自動でスキャンされてブレてしまうことが多い、机の色と紙の色が似ているのでうまく自動認識されないといった場合には、手動でのスキャンに変更できます。

• スキャンする画面で右上の「自動」をタップすると「手動」に切り替わります。その後、通常の写真と同じようにシャッターのボタンをタップしてスキャンします

• 四隅や辺をドラッグして書類の輪郭に合わせます。その後、右下の「スキャンを保持」をタップします。これで、撮影時のゆがみや輪郭の自動認識のずれを補正して、長方形の書類として保存できます

スキャンした書類を後でモノクロプリンタでプリントする場合などには、グレイスケールでスキャンすることもできます。

• 上部にある、円が3つ重なっているアイコンをタップします

• 「グレイスケール」をタップして選択します。この後、スキャンします

「書類のスキャン」といっても、iPhoneのカメラで撮影するという意味では写真と同じですが、撮影時のゆがみを自動や手動で補正して長方形の書類として保存したり、後述のように書類によっては書かれている文字が自動で読み取られてメモのページや書類のタイトルになるなど、書類に適した機能が搭載されています。

「ファイル」アプリからもスキャンできる

iPhoneの「ファイル」アプリからスキャンすることもできます。

• iPhoneの「ファイル」アプリです。これからスキャンする書類を保存したい場所を開きます。この図ではiCloud Driveの中の「プレゼン」フォルダを開いています

ここでiCloud Driveの中のいずれかのフォルダを選択しておけば、後でスキャンしたファイルをMacからすぐに使えます。

• 「…」をタップし、「書類をスキャン」をタップします。この後、「メモ」アプリと同様にスキャンし、「保存」をタップします

• 「ファイル」アプリの画面に戻ります。必要に応じてファイルの名前を変更します

スキャンした書類をMacで使う

iPhoneの「メモ」アプリや「ファイル」アプリでスキャンした書類を、Macで利用してみましょう。iPhoneとMacで同じApple IDを使ってサインインし、「メモ」アプリやiCloud Driveの同期を有効にしておくと、すぐに利用できます。

まず、「メモ」アプリでスキャンした場合です。

• Macで「メモ」アプリを開くと、iPhoneでスキャンし、iCloudで同期されたメモのページが表示されます。スキャンした書類に含まれる語句が、自動でメモのタイトルになっています

• メモのページの中で表示される形式は、「V」をクリックし、「表示形式」から大・中・小のいずれかを選択できます

• スキャンした書類を大きく表示して見たい場合は、「V」をクリックし、「添付ファイルをクイックルック」か「添付ファイルを開く」のいずれかを選択します

• 上の図のメニューで「添付ファイルを開く」を選択した場合は「プレビュー」アプリで開きます。「ファイル」メニューの「保存」を選択すると、スキャンした書類をファイルとして保存できます

iPhoneの「ファイル」アプリでスキャンした場合は、MacではFinderウインドウから開くことができます。

• Finderウインドウのサイドバーで「iCloud Drive」をクリックし、スキャンした書類を保存したフォルダを開きます。PDFファイルとして保存されているので、すぐに「プレビュー」などのアプリで開いて使うことができます

Macのアプリからスキャンする

ここまではiPhoneのアプリからスキャンして保存し、Macのアプリで開きました。

Macのアプリから操作してiPhoneのカメラでスキャンする方法もあります。やりやすい方法、場面に応じて便利な方法を活用してください。この操作には、連係カメラを利用できる設定になっていることが必要です。具体的には、iPhoneとMacが同じApple IDでサインインしていること、両方のデバイスでWi-FiとBluetoothが両方ともオンになっていることなどです。詳しい条件はAppleのサポートサイトで確認してください。

• Macの「メモ」アプリです。スキャンした書類を入れたい位置にカーソルを置きます。写真のアイコンをクリックし、「書類をスキャン」を選択します

この後、iPhoneの「メモ」アプリから始めたときと同様に、iPhoneのカメラで書類をスキャンします。iPhoneでスキャンした画面の「保存」をタップすると、Macのメモのページにすぐに表示されます。

Macの「プレビュー」アプリからスキャンを始める方法もあります。

• Macの「プレビュー」アプリです。「ファイル」メニューの「iPhoneから読み込む」で「書類をスキャン」を選択します

この後、iPhoneでスキャンして保存します。

• スキャンした書類が「プレビュー」アプリで開きます。「ファイル」メニューの「保存」を選択します

• ファイル名と保存場所を決めて保存します。この後の用途によっては、PDF以外のフォーマットで保存することもできます

上の図の説明で「この後の用途によっては、PDF以外のフォーマットで保存することもできます」と書きました。これは、保存した後にどのアプリで開くのか、このファイルを誰かに送るのか、などの用途によるということです。

開くことのできるファイルのフォーマットはアプリごとに決まっているので、この後に使うアプリで開けるフォーマットで保存します。また、ファイルを誰かに送るなら、相手が持っているアプリに対応したフォーマットにする必要があります。コンピュータやスマホを使っている相手がPDFを開けるアプリをひとつも持っていないということは考えにくいので、PDFで保存すればおそらく相手は開くことができるでしょう。

どのアプリで開くかということ以外に、ほかのPDFファイルと一緒にまとめてレポートなどにするならスキャンした書類もPDFで保存すると扱いやすいといった場合もあると思います。