米Metaが「Threads」のWeb版でマルチカラムのユーザーインターフェイス(UI)のテストを開始した。マーク・ザッカーバーグ氏(CEO)やInstagramの責任者アダム・モッセーリ氏が公開したスクリーンショットを見ると、「ヘビーユーザー向けのTwitterクライアント」と呼ばれたTweedDeck(現 X Pro)を彷彿とさせる。XがかつてのTwitterから変化していく一方で、Threadsはユーザーや開発者のコミュニティから支持された頃のTwitterの機能を積極的に取り入れている。
モッセーリ氏によると、マルチカラムUIには、検索、タグ、アカウント、保存した投稿、通知など、ユーザーが必要なものを柔軟に固定できる。米メディアの報道によると、初期テストでは最大100のカラムをサポートし、カラムが新しいコンテンツで自動的に更新されるように設定するこが可能である。
2008年に最初のバージョンが公開されたTweetDeckは、Twitterでフォローしている重要な人たちのアクティビティを把握し、分野ごとに話題を追いかけられるように設計された。カラムに友達や話題を割り当てて整理し、複数のカラムを一覧表示できる。その柔軟性と多機能性から人気を博し、2011年にTwitterが買収した。
マルチカラム・レイアウトのTweetDeckは、大画面モニターを使うと大量のツイートを同時に見わたせる。さらに、高いカスタマイズ性、リアルタイムで流れていくような自動更新、高度な検索ツール、複数アカウントのサポートなどから、Twitterを日常的に利用するパワーユーザー、ジャーナリスト、マーケティング担当者などに好まれた。イーロン・マスク氏がTwitterを買収し、Xへのブランド変更に伴って「X Pro」と改称され、有料プラン「X Premium」のみでアクセスできるツールになった。
MetaがマルチカラムUIを誰でも利用できるようにするのか、それともパワーユーザー向けにするのか、その開発の意図は不明である。同社は3月に、Threads上で関心を集めているトピックや話題を表示するトレンド機能の提供を開始した。リアルタイムの情報源を目指したThreadの強化や改善に取り組んでいる。マルチカラムUIは、Threadsのアルゴリズムによる「for you」フィードとは逆の、ユーザーのカスタマイズによるソリューションになり得る。また、APIの公開も間近と見られており、Threadsのコンテンツを様々に表示できる柔軟性は開発者の関心も引きつけている。