米Microsoftが4月25日(現地時間)に発表した同社2024年度第3四半期(2024年1〜3月)決算は増収増益、売上・利益とも市場予測の平均を上回った。生成AIブームに伴う需要を取り込んだクラウドコンピューティング事業の成長に加え、Windows OEMが予想以上に好調だった。
1〜3月期の売上高は前年同期比17%増の618億5800万ドル。純利益は同20%増の219億3900万ドルだった。1株利益は2.94ドル。市場予想の平均は売上高608億ドル、1株利益2.82ドルだった。以下は事業別の売上高。
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全体の売上高は155億8000万ドルで、前年同期比17%増。
Windows OEMは前年同期比11%増だった。Microsoftは1月末に横ばいに近い見通しを示していたが、二桁の伸びを遂げた。IDCが4月8日に公表した速報レポートによると、2024年1〜3月期に世界のPC出荷台数は5980万台(同1.5%増)に回復した。約2年にわたってPC業界に課題をもたらしていた在庫問題が解消し、PC市場は新型コロナ禍前の2019年1〜3月期の水準に戻った。
Surfaceを含むデバイスの売上高は同17%減だった。PC市場が回復しているにも関わらず、Surfaceデバイスの下落が続いているが、Microsoftは3月にAI機能を強化した法人向けの「Surface Pro 10 for Business」と「Surface Laptop 6 for Business」を発表した。コンシューマ向けのAI PC世代のSurfaceも間もなく登場すると予想されている。
ゲーミング事業は前年同期比51%増だった。Xboxコンテンツ/サービスの売上高が同62%増(61ポイントはActivision Blizzard買収による上昇)、Xboxハードウェアは同31%減だった。
Productivity and Business Processes
売上高195億7000万ドルで前年同期比12%増だった。
コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高は前年同期比13%増。Office 365のコマーシャルシート数が8%増加し、売上高が同15%増だった。中小ビジネスからの売上が増え、さらに1ユーザーあたりの売上が上昇した。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスは同4%増。コンシューマ向けMicrosoft 365の契約者数は8080万人、前期から240万人の増加。
Dynamics製品およびクラウドサービスは売上高が前年同期比19%増。Dynamics 365は同23%増だった。
LinkedInの売上高は前年同期比10%増。LinkedInセッションは同11%の増加、エンゲージメントが過去最高だった。
Intelligent Cloud
売上高267億1000万ドルで前年同期比21%増。サーバー製品およびクラウドサービスは同24%増。Azureおよび他のクラウドサービスは同31%増で、そのうち7ポイントがAIサービスによる増加だった。使用量ベースのサービスに対する強い需要が継続している。