ソフトバンクは3月18日、生成AIによるコールセンター業務の自動化の加速を目指し、日本マイクロソフトと共同開発を開始することを発表した。2024年7月以降、ソフトバンクの自社コールセンターへの導入を行なうという。
ソフトバンクでは、コールセンターでの生成AI活用を試験的に開始している。その中で、定型業務が多くさまざまな情報を参照するコールセンター業務においては生成AIによるさらなる自動化の余地があると判断し、日本マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」を利用してコールセンター業務での生成AI活用を目指すこととした。
ソフトバンクのコールセンター業務のうち、問い合わせ内容に対する案内や契約内容の照会、契約変更手続きなどの業務を中心に、生成AIを活用していくという。具体的には、LLM(大規模言語モデル)が利用者の問い合わせ内容を判断して案内を行なったり、データソースから情報を収集したりして最適な対応を行うという。
日本マイクロソフトとの共同開発では、問い合わせに対してLLMがインテント(検索意図)の分類を行い、会話内容に応じてLLMが必要な機能やデータソースを参照するLLM自立型のシステムを開発し、決められた順序と固定化されたスクリプトで対応する従来のフロー追従型の対応よりも柔軟で高精度な顧客対応を目指すとしている。
さらに対応精度の高度化に向けて、さまざまなサービス内容やオペレーターの対応パターンなどの大量の情報を基にプロンプティングを行うほか、「Azure AI Search」を活用して社内で保有するデータベースを参照し、利用者への最適な回答をスピーディーに導き出すシステム開発を行う。
ソフトバンクでは、効果検証の結果を踏まえ、ソリューション化/法人顧客向けの提供も検討する方針だ。
携帯キャリアのサポートへの生成AI活用については、KDDIが3月7日にLINEアカウント「auサポート」での問い合わせ対応に生成AIの導入を開始している。