Microsoftは、Microsoft Copilot for SecurityやCopilot in Microsoft Intune、Copilot in Microsoft Purviewなど、エンタープライズ領域で次々とCopilot関連ソリューションを発表・提供している。おそらくMicrosoftの全製品・サービスにCopilotを展開する方針なのだろう。
気になるのはCopilot in Windowsの存在感だ。筆者はMicrosoft Copilot for Microsoft 365(以下、Copilot for Microsoft 365)は契約しているが、Microsoft Copilot Pro(以下、Copilot Pro)は未契約。文章の生成品質や情報漏えいを考慮して、Microsoft Edge経由で使うMicrosoft Copilotを多用している。
「Win」+「C」キーひとつで開くCopilot in Windowsも魅力的に思えるが、文章生成スピードが著しく遅く、日常業務には使えない。Copilot in WindowsでCopilot for Microsoft 365を使用するには公式ドキュメントに目を通して、Windows 11の設定を変更すれば良さそうだ。ちなみにこの件については、2024年2月時点の公式ブログで報告されている。筆者も見落としていたようだ。
さて、Copilot Proの利点は、混雑時でもGPT-4およびGPT-4 Turboへの優先アクセス権を用いて文章生成が可能になる点だ。クリエイターの方々なら、DALL-E3ベースのImage Creatorで生成できる画像数も大幅に増える。Windows 11でCopilot in Windowsを日常的に使用する場合、Copilot Proは欠かせないサービスであることは間違いない。ただ、3,200円/月のサブスクリプション費に躊躇(ちゅうちょ)するユーザーは多いだろう。
MicrosoftはCopilot Proを後押しするため、現地時間2024年3月14日、Copilotモバイルアプリユーザー向けに1カ月の無料トライアルを提供する旨を公式ブログで発表した。注意したいのは「モバイルアプリ」に限定している点だ。
Windows in Copilotから操作しても、1カ月の無料トライアル関連メッセージは見当たらない。同日にiOS版Copilotモバイルアプリを起動したところ、「First month free」と1カ月無料をうたうメッセージが現れた。実際には試していないが、契約はMicrosoftアカウントにひも付けるため、Windows in CopilotでもCopilot Proを利用可能になるだろう。
先の公式ブログでは、Copilot for Microsoft 365の利用可能範囲をMicrosoft 365 F3/F1/Business Basic、およびOffice 365 E1の各プランへも拡大する旨を発表した。なお、Copilot for Microsoft 365は2023年11月にMicrosoft 365 E3/E5、2024年1月にMicrosoft 365 Business Premium/Business Standardを対応プランに追加している。筆者が観察している範囲では、Copilot for Microsoft 365やCopilot Proのサブスクリプション費が安くなる可能性は低いのだが、AI人工知能が生成する文章や画像に価値を感じたら、Copilot Proを試してみてはいかがだろうか。