サウンドファンは2月29日、音が聞こえにくい高齢者・難聴者向けのスピーカー「ミライスピーカー」シリーズ新製品「ミライスピーカー・ミニ」を販売開始した。価格は19,800円。

  • ミライスピーカー・ミニ

サウンドファンの「ミライスピーカー」シリーズは、湾曲させた平板を振動板に採用した有線スピーカー。湾曲させた振動板から出た音は、コーン型スピーカーと比べ広い指向性を持ち、距離による減衰も少ないことが特徴となる。

これを活かした特許技術「曲面サウンド」により、接続したデバイスから出る音声を明瞭にし、テレビなどの音声が聞こえにくい高齢者向けに「聞こえやすい音」を出せる。いわゆる“手元スピーカー”に近しい製品だ。

  • テレビなどにつなげて使うことを想定している

  • ミライスピーカーのしくみ

今回発売する「ミライスピーカー・ミニ」(以下ミニ)は、現行モデル「ミライスピーカー・ホーム」(以下ホーム)の後継機。“ミニ”と名付けられているが、サイズは現行のホームとほぼ同じ。ホームからの切り替え製品となるため、シリーズとしてはステレオアンプを内蔵した「ミライスピーカー・ステレオ」(以下ステレオ)と本機の2製品となり、ステレオと比べ小型のためミニの名前が付けられている。

ミニの最大の特徴は戦略的な価格。ホームの価格は29,700円だったが、組み立てるパーツの数やねじの数を少なくするなど、製造コストを全体的に見直すことで、約1万円値下げした19,800円の価格を実現した。同社は価格面で購入をためらっていた層や、プレゼント需要をさらに取り込みたい考えだ。

一方で、黒く塗装した振動板を採用し落ち着いた雰囲気としたり、振動板の角度を調節して音質を改善したりしており、「デザインや音質は向上。品質は犠牲にしていない」とした。ミニではスピーカーから鳴る人の声がより自然に聞こえるよう調整したという。

  • ミライスピーカー・ホーム(左)と、ミライスピーカー・ミニ(右)。新たに、黒い振動板を採用し、主張しすぎない落ち着いたデザインとなった

  • 下部のロゴは見えやすいようやや上向きに

扇形のフォルムは現行と同じながら、ステレオでも採用している黒い振動板を導入することで、テレビの前に置いても、白い振動板だったホームと比べ視聴を邪魔しない存在を目指した。底面は床から浮かせ持ちやすくし、手に持ったとき馴染むよう後部に丸みをもたせている。

上部の音量メモリは時計の針のようなツマミを採り入れ、また、老眼の方でも見やすいようボリューム位置をドット(小さな白丸)で表現し、視認性を高めている。このほか、付属のオーディオケーブルは従来1.5mだったが、大画面テレビを購入する人が増えているとして2mへ変更した。

  • 音量調節ツマミも従来からデザインを変更。回しやすさと見やすさにこだわったとする

シンプルな操作性やセッティングは従来から引き継いでいる。音声はテレビからステレオミニプラグで入力し、電源は付属のACアダプターから給電。サイズはW90×H154×D200mm、重さは約0.6kg(電源アダプター除く)。周波数特性は180Hz~20kHz(総合特性)、アンプ出力は15W。

なお現在、公式サイトでは現行モデルのホームを在庫処分価格の19,250円で販売している。

  • 背面のインタフェースは従来と同じく、電源スイッチ、音声入力ポート、電源ポートのみ

  • 底面は短い脚を設け、部屋の中でちょっと位置を動かしたいというニーズに対応