「バッテリー充電の最適化」とは、フル充電状態をできるだけ短くしてバッテリーの劣化を軽減する、iOS 13以降に用意されている機能のこと。iPhoneシリーズに採用されているリチウムイオンバッテリーは化学的経年劣化が避けられず、徐々に充電可能な容量が低下し、バッテリーの持ちが短くなり最大瞬時給電能力(ピーク電力)も低下しますが、この機能により進行を遅らせることができます。

バッテリー充電の最適化は、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」→「充電の最適化」の順に画面を開き、「バッテリー充電の最適化」にチェックを入れると有効になります。以降、80%まで充電されると、その後の充電速度が緩やかになります。

この機能の効果は、すぐには現れません。バッテリーの劣化を軽減するといっても、効果が目に見える形で現れるのは1年後、2年後くらい先の話です。少々極端なたとえですが、数年後にバッテリーの最大容量が購入直後の80%と60%のどちらになるか、という息の長い劣化防止機能なのです。

しかも、機能を有効にしてからしばらくの間は機能すらしません。ユーザがどのように充電するのか、14日以上かけて習慣を学習してからでないと機能しない仕様となっています。さらに位置情報とふだん充電している時間も考慮されるため、iPhoneを自宅など特定の場所で9回以上、毎回5時間以上充電する必要があります。

とはいえ、「バッテリー充電の最適化」をオフにしてiPhoneを利用していると、バッテリーが消耗しやすくなり寿命が縮む可能性があります。効き目はすぐにわからなくても、オンのままにしておくべきでしょう。

  • 「バッテリー充電の最適化」を有効にしても、いきなり目に見える効果があるわけではありません