米Googleは2月8日(現地時間)、実験的に提供していた対話AI「Bard」において、最新のAIモデル「Gemini」の高性能版「Gemini Ultra」を使用できる有料サービスの提供を開始した。昨年12月にGeminiを発表して以来、GoogleのAI機能の核としてGeminiが注目を集めている。8日から「Bard」という名称を「Gemini」に変更し、「Experiment」と表記した提供を終了させた。
有料サービスの名称は「Gemini Advanced」になり、8日より日本を含む150以上の国・地域において、英語版で利用できる。料金は月額19.99ドル。これには、2TBのストレージなど「Google Oneプレミアム」プランの特典が全て含まれており(Google One AIプレミアム)、GeminiをGmail、Docs、Slides、Sheetsなどで利用できる(旧称:Duet AI)。
Gemini Ultra 1.0モデルは、コーディング、論理的推論、指示のニュアンスの解釈、クリエイティブなプロジェクトでの共同作業といった複雑なタスクにおいて、「Gemini Pro」よりも優れた能力を発揮する。Ultraでは、より長く詳細な会話が可能であり、以前のプロンプトからの文脈をより理解して対応する。たとえば、個人チューターとして、学習者の個々の学習スタイルに合わせたサポートを提供したり、コーディングにおいてはより高度なシナリオに対応でき、アイデアの相談役として機能し、様々なコーディング・アプローチを評価するのに役立つ。
モバイル向けに、GoogleはAndroid用の「Gemini」アプリをリリースした。Googleアシスタントでオプトインすることで、アプリまたはGoogleアシスタントを起動する様々な方法(電源ボタン長押し、コーナーをスワイプ、"Hey Google”など)でGeminiにアクセスできる。Geminiにより、オーバーレイ機能、画面上のコンテンツの文脈に応じたアシスタントなどを利用できる。また、タイマーの設定、電話の発信、スマートホームデバイスのコントロールなど、多くのGoogleアシスタントの音声機能をGeminiアプリから利用できる。
iOS向けには、数週間以内にGoogleアプリからGeminiにアクセスできるようになる。Geminiトグルをタップして、Geminiとのチャットに切り替える。
Googleは8日から、米国において英語版の最新のGeminiのモバイルへのロールアウトをAndroidおよびiOS端末に開始し、数週間をかけて完了させる。来週からは、英語、日本語、韓国語でより多くの場所でアクセスできるようにし、さらに多くの国・地域と言語への拡大を進めていく計画だ。