米Mozillaは、1月23日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 122」をリリースした。Firefox 122は、Firefox 120からクリスマス、新年などの休暇を挟み5週間でのバージョンアップとなった。Firefox 121では、2023年1月9日にマイナーバージョンアップの121.0.1がリリースされている。121.0.1では、以下の修正が行われた。

  • 表意文字スペースの処理の変更を原因とする、一部のCJKコンテキスト(中国・日本・韓国)での予期しない行の折り返しが発生する問題の修正
  • 特定の状況下でカラムベースのレイアウトを含むサイトを読み込むときのハングする問題の修正
  • 角が丸くなっているビデオを再生すると、別のビデオの上で一部のスタイルの欠落する問題の修正
  • Firefoxが正しく終了せず、Firefoxセッション中に使われていたUSBセキュリティキーが他のアプリケーションが使用不能になる問題の修正

セキュリティアップデートは行われなかった。今回は、121.0.1からのアップデートとなる。

Firefox 122のインストール

すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。

  • 図1 Firefox 122へのアップデート

    図1 Firefox 122へのアップデート

アップデート後のFirefox 122は、図2のようになる。

  • 図2 バージョン122にアップデート直後のFirefox

新規に、Firefox 122をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。

  • 図3 Firefoxのダウンロードページ

[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。

  • 図4 Firefox 122のインストール

画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。

Firefox 122の新機能

続いて、新機能であるが、以下のとおりである。

  • 検索ボックスのドロップダウンリストで、検索候補の画像(サムネイル的なものだ)と説明が表示されるようになった。
  • 図5 検索候補の画像が表示(リリースノートより引用)

翻訳機能の改良も行われ、Webページなどのの翻訳品質が向上し、より安定化した。結果、翻訳時にページのコンテンツが表示されなかったり、インタラクティブなウィジェットが破損するといった問題が回避される。

  • macOS版:iCloudキーチェーンに保存されているパスキーの作成と使用をサポートするように
  • Web開発関連の情報を検索しているとアドレスバーには、Firefox SuggestからのMDN Webドキュメントの記事の提案が表示
  • Webコンテンツの改行ルールがUnicode標準と同じに。結果、Webブラウザの改行互換性が向上する。中国語、日本語、ビルマ語、ラオス、クメール語、タイ語などでは、言語をテキストをダブルクリックしたときに、言語に応じた適切な単語選択の精度が向上した
  • Ubuntu、Debian、Linux MintのLinuxユーザー向けの新しい.debパッケージが利用可能に

ルック&フィールなどの変更はなかったが、基本的な機能の更新が行われている。

セキュリティアップデート

同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで15件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が5件、4段階で上から3番目の「Moderate」が10件となっている。

「High」では、

  • ANGLEでの域外メモリへの書き込み
  • ユーザー入力タイムスタンプの更新での失敗
  • NSS TLSメソッドでのクラッシュ
  • JavaScriptでのワイルドポインターの逆参照
  • WebAudioでのスタックバッファオーバーフロー

などが対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。